2009年5月12日火曜日

旅客機内での緊急医療行為

旅客機内で急病人が発生した際に乗り合わせた医療従事者が医療行為を施行し、経過が芳しくなかった場合に免責されるか否か?という問題。免責されるとは思うものの、明文化された文書は見たことがありません。日本には”よきサマリア人法”はありません。尊敬するACLSインストラクターから、以下の情報を得ました(有り難うございます)。①機内で行った処置や診断については免責されるというのが基本的な法的考え方であり、”緊急事務管理”と呼ばれ、重大な過失がなければ損害を賠償しなくても良い、②傷病者から賠償請求されても裁判所が医療従事者に損害賠償を命ずることはまずない、③万が一裁判となり、医療従事者側が敗訴した場合航空会社が損害賠償を補填する、だそうです。

そういえば、1−2年前に、着陸15分程前の国内線旅客機内で心肺停止に陥った傷病者に乗務員がAEDを装着しようとしたところ、乗り合わせた医師が、"AEDなど張っても無駄だ"、との趣旨のことを言い、装着されない事例がありました。着陸後空港で待機していた救急隊がAED装着したところ、VFで、遅ればせながら除細動され、ある病院の救命センターに搬送され、STEMIの診断。しかしながら低酸素脳症で不幸な転帰を辿ったとのこと。この医師も機内の救急対応に名乗りをあげた点は評価できますが、その後の対応についてはかなり問題があると思われます。それでも免責されるということなのでしょう。

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