2009年5月31日日曜日

原発性アルドステロン症


本日は内科認定医、専門医スタンプラリー(笑)に出席です。学んだことを記しておきます。原発性アルドステロン症(PA)について、慶応大学腎臓内分泌代謝科の伊藤先生が講演して下さいました。内科学会講演ですのでかなりベーシックな内容なんでしょうが、最近頭使っていませんので、僕にとっては有り難いお時間でございます。
高血圧患者の数%から10%がPAであるようで、かつて考えられていたよりも遥かに頻度が高いことが解ってきました。低Kを呈していない人も多く、確かにUp To Dateにも”PA患者の45%しか低Kを呈していなかった”との記載もありました。ですから、初診高血圧患者では鑑別の1つに入れておくことが望ましいです。PAが積極的に疑われる患者は若年者で、治療抵抗性HT。そのアプローチとしては、
【ステップ①】血漿アルドステロン濃度(PAC;pg/ml)と血漿レニン活性(PRA;ng/ml/h)を測定。アルドステロンレニン比>20以上の時にPAを疑う。またPAC,PRAの絶対値が重要で、PRA<1かつpac>100の場合も疑える。できれば採血は、降圧剤は中止の上、また安静臥床20分後に行うことが望ましい。これで疑いあれば、
【ステップ②】副腎CT、1日畜尿でアルドステロン排泄量>8ug/dあれば強い疑い。
これでさらに疑われれば、
【ステップ③】カプトリル負荷試験などによる精査で確定診断を試みる。
ちなみにUp To Dateには確定診断として第一に、食塩負荷試験による評価が挙げられています。
治療は、PAは片側性であれば手術、両側性であれば内科的治療が原則であり、その決定には副腎静脈サンプリング(AVS)を行うことになります。PAの内科治療は抗アルドステロン剤の投与ですが、尿中アルドステロン排泄量が12ug/d以上になるとアルダクトンA(25mg)4錠以上必要であることも多いそうです。そんなに必要なんですね。勉強になります。
ちなみにアルダクトンA25mgとセララ50mgがほぼ同じ薬効とのこと。

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