2009年7月4日土曜日

2度房室ブロックと迷走神経刺激手技

2度房室ブロックの話。PQ間隔が徐々に延長してQRSが脱落するのがウェンケバッハ型2度房室ブロック。


PQ間隔が一定で突然QRSが脱落するのがモービッツ2型2度房室ブロック。

前者の多くが房室結節の異常に起因するもので、後者が房室結節より遠位部の伝導系(ヒスプルキンエ系)に異常があります。刺激伝導系のどこに異常があるかにより、危険性が変わります。後者のほうが危険性が高いわけです。
2:1房室ブロック、即ち、QRSが一拍ごとに脱落する場合、どちらのタイプのブロックか分かりませんので、リスク評価がしずらいわけです。
そこで鑑別に役立ち得るのは迷走神経刺激手技、特に頚動脈洞マッサージです。迷走神経刺激は房室結節伝導を遅延させますが、ヒスプルキンエ系の伝導は遅延させません。2:1房室ブロック患者に頚動脈マッサージを行い、ブロックの程度が悪化したら房室結節に原因のあるブロック、即ちウェンケバッハ型に準じた病態と考えられます。ブロックの程度が改善したらヒスプルキンエ系に原因のあるブロック、即ちモービッツ2型準じた病態と考えます。
ヒスプルキンエ系に原因がある場合、頚動脈洞マッサージで心房のレートが減少することによりヒスプルキンエ系の伝導が改善しうるそうです。
頚動脈洞マッサージは頻拍性不整脈患者に対してのみならず、徐脈性不整脈患者の鑑別にも使用することがあるということです。僕はやったことありませんが(笑)。


2 件のコメント:

  1. 10000へえ〜です(^.^)。

    徐脈の人に行ったら、、、怖そうですが。

    非循環器医としては、悪い方だと考え、待機経皮ぺーシングをして専門医を呼ぶのが良いですね!!

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  2. kekimura99さん、ありがとうございます。
    その通りです。専門医コールで全然OKです!

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