2009年8月19日水曜日

高齢者ACS

高齢者は急性冠症候群(ACS)を発症しても典型的な症状を呈さないことが少なくありません。

発熱、腰痛が主訴の80代女性。救急部の後期研修医が対応、採血やCT等施行し、病態ははっきりしないものの38度の発熱でもあり入院の方針とし、入院時のルーチン検査として12誘導心電図を記録したところ、STEMIでした。V5,6でST上昇とT波終末の陰転化を認めます。心筋マーカーも上昇していました。
その後施行した緊急冠動脈造影では回旋枝が閉塞しており、primary PCIを施行致しました。

発熱、腰痛とSTEMIの関連はよくわからないのですが、当院受診から再灌流まで結構時間を要してしまいました。
後から振り返ってみても、胸部関連症状は全くなく、ACSを鑑別に挙げることは難しかったかもしれません。
STEMI患者の(研修医等の)初期対応の遅れによる早期再灌流療法の遅れが、循環器医としては気になることはしばしばあり、その都度研修医等にはフィードバックするのですが、今回ばかりは、仕方ない、、、という症例でした。経過が良いことを願います。

2 件のコメント:

  1. 高齢者、女性、糖尿病は典型的な症状をきたさないということを忘れがちですね。

    でも発熱と腰痛とは、、、、難しいですね!!

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  2. 昨今の高齢化社会で、非典型的症状を訴える高齢者が多数押し掛けてきますから我々も慎重に対処しなければいけませんね。。。。大変な世の中です。

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