2009年8月2日日曜日

除細動時の引火

Kim先生のブログで除細動時の引火についての話題がありましたので、良い機会ですから再確認してみました。

ACLS Resource Textによると、除細動やcardioversionの際、引火を避けるには3つの要素に気をつけます。

①可燃物②高濃度酸素③電気アーク(火花)


①可燃物

体表面の細かい体毛、多くの織物の表面の"けば"、周囲の空気浮遊する繊維や、ちり、微粒子なども引火を助長する要素になり得るようです。対策としては、ガウンやパジャマは除細動を行う領域から離す。布団などの寝具や、カーテンも近辺から遠ざけることが推奨されます。


②高濃度酸素

以下は引火を助長する因子となり得ます。

・酸素投与を継続したまま酸素マスク等のデバイスを除細動領域に近接しておく、或いは、酸素の連結を外しても、除細動領域に酸素が直接吹いている場合

・除細動領域に高濃度酸素が貯留(例えば胸毛の間など)してしまう場合


対策

・酸素供給ラインと気道補助器具(気管挿管と思われる)は常に適切に接続しておく。

・もし、適切に接続されていない、或いは使用していない場合は、酸素を止める。

・酸素が外に流れる気道器具(例えば酸素マスクやBVM)が側に置かれていたら、それを胸から遠ざける

・除細動の最中に胸部表面に酸素が直接吹き付けては決してならない

・ショック直前に酸素を止める、或いは換気バッグの接続を外すことを考慮する

・電気アークのハイリスクの状況の場合(例:不整な胸壁)、常に酸素を止めるか接続を外す


③電気アーク(火花)について

以下は引火を助長する因子となり得ます(火花が散り易い)。

・パドルを皮膚に強く押し付けない

・パドルの縁が浮く(パドルが皮膚表面に平行でない)

・伝導性ジェル未使用、或いは不足

・ジェルの過剰使用(表面に塗り、他方のパドルや心電図リード、電極に付着)

・胸毛(空気ポケット、皮膚とパドル間のギャップ形成)

・不整の胸壁(胸壁の高度彎曲、漏斗胸、肋骨間の陥没など)

・パドルやパッドがワイヤーや電極の上に位置していたり、近接し過ぎている

・パッドが乾いたり、しわがよっていたり、しっかりと貼付されていない

・蘇生行為が遷延しジェルやパッドが乾く


対策

・パドルを少なくとも25ポンドの圧で押し付ける

・パドルが皮膚と平行になり、浮いていないことを確認する

・十分な伝導性ジェルをパドル表面に塗る

・パドルの縁を超える過剰なジェルは避ける

・パドルと皮膚の間に胸毛が多い場合は、毛を切ったり,剃ったりするか、或いはより多くのジェル使用を考慮する(皮膚、胸毛、パドルの間の空間を埋める)

・胸壁不整の患者は、皮膚とパドルの間の隙間を注意深くチェックする。

・強く押し付けても隙間が改善されなければ、生食で湿らせたガーゼにジェルを含ませ、隙間を埋める

・心電図リードや電極の上やそばにパドルやパッドを置かない

・パッドが乾いていないこと、しわがないことを確認


英語力が低く、少し分かりにくいですね(笑)。解釈が誤っているところがあれば御指摘して下さい。

3 件のコメント:

  1. 記事にして頂きありがとうございます。

    私も今日リソーステキスト読んで見ました。色々書かれていて不勉強が明らかになります(+_+)。

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  2. 無断で引用してしまい、すませんでした!いつも勉強させて頂いています。

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  3. いえいえ引用は構いませんよ。引用に堪える内容ではないですが(^.^)。

    お互いマニアックな記事を続けましょう!!

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