2010年1月5日火曜日

通報者へのCPRの指示

Dispatcher-Assisted Cardiopulmonary Resuscitation(Circulation. 2010;121:91-97.)なる文献。

救急通報の際、電話での通報者へのCPRの指示はバイスタンダーCPR施行頻度を増やしますが、その安全性について検証しました。
電話でのCPR指示がなされた1700例。55%(938例)は心停止でしたが、45%(762例)は非心停止でした。18%(313例)は非心停止患者に対し胸骨圧迫がなされました。
そのうちの経過が把握できた247例を検討してみると、12%(29/247例)が不快を訴え、2%(6/247例)がCPRによる損傷を生じました。2%(5/246例)が骨折しました。臓器損傷は認めませんでした。

結論:電話でのCPR指示によりなされる非心停止患者へのCPRで、重篤な外傷を生じる確率は低い。

バイスタンダーCPRの有用性は明らかであり、この安全性も併せて考慮すれば、電話での通報者へのCPR指示は積極的に推奨すべきものである、と論じています。

当たり前だと思っていることを、実際に検証してみることって、大事ですよね。

3 件のコメント:

  1. おっしゃる通りですね。当たり前だと思っていたら実は全然違っていたと言う事もありますしね。

    いつも貴重な資料の紹介ありがとうございます。勉強になります。

    何故コメントがあまりつかないのか疑問に思いますが、私の周囲でも毎日見ていると言う人が多いので、これからもよろしくお願いいたします!!

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  2. Kim先生、頼りにしています(笑)!宜しくお願い致します。

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  3. まったく異なる場所で同様の文献を提示しておられる先生がおられました。この世界ではキーになる文献になりそうですね。臆せずCPRを指示せよということでしょうか。1報で「BYstanderCPRなし」という言葉をきくことが減ることを願ってやみません。

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