2010年1月8日金曜日

とあるSTEMI

比較的若めの男性。1年前胸痛を主訴に救急外来受診歴あり。その時の心電図。




2,3,aVFでST上昇、3,aVFではQ派も伴い、明らかに下壁心筋梗塞って感じですが、循環器専門医が対応し、心臓超音波検査で壁運動異常なく、心筋マーカー陰性。急性冠症候群ではないとして帰宅しています。ホントかな(汗)??、、、という気もしますが。その先生はエコーの本も出版しているくらいの専門家ですから本当だったはずです。
まあ、いずれにせよ、その後全く問題なく経過していたようです。

今回胸痛を主訴に救急外来再受診されました。心電図。



前回と比し少々変化がありますね。今回は心臓超音波検査で壁運動異常を認め、心筋マーカーも上昇しており、ホントに急性冠症候群で、緊急CAG、RCAへのprimary PCIが施行されました。

1年前、本当にSTEMIではなかったのか、わかりませんが、もしそうだとすると、心電図の奥深さに驚嘆せざるをえません。

4 件のコメント:

  1. う〜ん、専門の先生のやる事ですし、1年間何ともなかったのですからよいのでしょうが、、、、

    私はST上昇している人を帰宅させる勇気はありません。もし循環器の先生にコンサルトして同じ事言われても、自分が主治医で入院させます。

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  2. Kim先生、有り難うございます。大きな声では言えませんが、僕もそう思います(笑)。

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  3. 私もこの症例の心電図ならば専門家の意見は聞きつつも自分が主治医で入院させます。エコーの診断能が100%であれば必要ない対処なのでしょうけれども、どうしても最悪のケースを考えてしまいます。

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  4. consommeさん、コメント有り難うございます。最悪のケースを考えて、慎重に対処することは大変重要ですよね!Kim先生,consommeさんの御意見が最善と思います。

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