2010年2月4日木曜日

幅の広いQRS頻拍

肺塞栓で入院中の高齢者。
看護師からVT様の波形が出たと、担当初期研修医に連絡がありました。





確かに、一見、幅の広いQRS頻拍。
初期研修医は、研修医なりに考えた結果、上室性頻拍+変行伝導と解釈し、上級医にも連絡しなかったようです。。。。。。うーん。
VTです!!!と上級医に慌てて連絡してきてくれる初期研修医だと安心します。
優秀な人ほど、考えすぎてしまうのでしょうか。これをVTではなく、上室性頻拍と考えしまうことは、危険性を秘めた対処につながります。初期研修医にはシンプルに幅広いQRS頻拍=VTと教えてしまった方がよいかもしれません。

さて、この波形、先日と同様、やっぱりアーチファクト(ノイズ)です。矢印のところに元来の洞調律由来のQRSが重なっていると思われます。
結果的には、VTでなく、患者さんには何の問題も生じていないのですが、、二重の誤りが幸いでした(苦笑)。

3 件のコメント:

  1. 貴重な心電図の供覧ありがとうございます。

    研修医の先生には悪い方を考えてすぐ上を呼ぶ様に伝えたいですね。私は研修医ではありませんが(知識は研修医以下かも、、、)、上の波形を見たらすぐに循環器の先生をコールします。

    ところで、ここ最近の2例のアーチファクトの原因が分かったら教えて頂きたいのですが、、、、、

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  2. 「ほう・れん・そう」は本当に重要ですね。報告・相談さえしてくれればより安全な医療が提供できたはずなのに・・・なんていう説明をエピソードを交えながら毎回我が部署にくる研修医の先生方にお伝えするようにしています。

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  3. Kim先生、有り難うございます。アーチファクトの原因はすいません、わかりません。

    consommeさん、有り難うございます。すばらしい教育だと思います!

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