2010年3月14日日曜日

FFR

この週末は箱根で開催されたFFRワークショップに参加しました。
FFRとは冠血流予備量比(Fractional Flow Reserve)のことで、冠動脈疾患患者に対し、心臓カテーテル室でプレッシャーワイヤーというガイドワイヤーを使用して測定します。冠動脈狭窄がどの程度機能的に悪影響(虚血)を与えているか、が分かります。
冠動脈は、狭い=要治療 というわけではありません。狭く見えても、機能的に血流が保たれていれば、虚血を来していなければ、治療する必要はありません。虚血を来していない病変を治療することは、無駄なだけではなく、むしろ害にもなってしまうこともあります。
狭くみえる病変を、虚血の有無にかかわらず片っ端からカテーテル治療(PCI)を行ってしまう病院が少なくありません。中には、極めて非常識な治療をしてカテ件数を稼いで、儲けている病院もあります。同業者として本当にがっかりしてしまいます。
今回のワークショップの参加者は、FFRを実践している(今後しようとしている)方ばかりで、無駄な医療はしない、本当に患者さんのために良い医療を提供することを追求している、"良き医師集団”のように感じました。
大変勉強になった2日間でした。
4月からはPCIのみならずCAGの時も保険診療で使用可能になるとのことで、今後まずます普及していくものと推測されます。我々の施設でも積極的に行っていきたいと思いました。

2 件のコメント:

  1. なるほどです。細いだけでは治療の適応でないと言うことですね。

    消火器の分野ではそういうものは実用化されていませんね。細い=治療です。その前に症状が出て検査することが多いからなんでしょうかね。

    返信削除
  2. Kim先生、有り難うございます。
    その通りですね、症状があって受診しますものね、消化器は。

    返信削除