2010年7月21日水曜日

Giants

久し振りに東京ドームに行きました。我がGiantsが、弱いものいじめでSwallowsをボコボコにしました(笑)。長野が大活躍です。わーい。



ドームは広いですが、観客席は狭いです。窮屈です。座り心地が超悪いです。
それなりの斜面を呈している2階席での観戦でした。後ろの列の人が、狭くて動きにくい中、持っていた飲み物をこぼしてしまい、私にかかりました。冷てー。わざとではないのですが、ついつい、ムッとしてしまいました。
その瞬間大変恥ずかしい思いになりました。まだまだ、修行がたりないということです。

2010年7月20日火曜日

CTOに対するRetrograde approachの定義

CTOに対するRetrograde approachは、様々なテクニックが乱立していて混乱してしまいます。定義を統一することを目指したsessionがありました。落合先生の提言は以下の表の感じです。subintimaとか、intima、trueとか、IVUS所見を含んだ定義は望ましくなく、それらとは独立した整理をしています。





Dilatation of CTO body には、balloonは勿論、CorsairなどのMicrocatheterやNnuckled wireも含まれます。

大変シンプルで分かり易いきがしました。

2010年7月18日日曜日

TOPIC2010終了。

TOPIC終了です。色々と大変勉強になりました。学んだことも多かったですが、感じたことも多かったです。
様々な先生方のpresentationを拝聴しました。皆さん経験豊かで、良きメッセージをお持ちなわけですが、presentation技術に大きな差があると感じました。
印象に残ったpresentationは、USAで活躍の前原先生です。CTO病変のangio、IVUS、CT、病理像の関連をお話頂きました。プロフェッショナルな態度で、理論的。分かっていることと分かっていないことを明確にし、clearな表現で非常に分かり易い。多くの先生は、presentation中はスクリーンを見ていたり、手元のPC画面を見ていますが、前原先生は、聴衆に目を配り、目で聴衆を惹き付けていました。講演内容も大変originalityに富んでおり、impressiveでした。たいしたものです。このCTOのセッション、大御所落合先生と、角辻先生、前原先生とそろった場は圧巻でした。世界を背負う活躍を期待します。

若手相手の教育的なセッションにも少し顔を出しました。日本の中堅所の先生方のlectureでしたが、、、、、、、、。全般的に、内容も、presentation skillも、needsに見合うものではなかったように思いました。若手interventinalistも欲求不満だったのではないかと思います。

何のpresentationもしていない自分が言うのもなんですが(笑)、更なるskill upが必要と感じてしまいました。

学会のたびに感じますが、最近は、日本の学会でも海外の先生方が多く参加され、英語でのdiscussionも普通に行われます。日本語でのpresentationもまだ行われてはいますが、ユニクロや楽天の世界が自分たちの日常にも降りかかってくるのはもうすぐです。

2010年7月16日金曜日

TOPIC2010初日 心配、Slender PCI!

恒例のTOPICです。大都会東京、渋谷、おしゃれなホテル、セルリアンで開催される心臓カテーテルに関する学会です。






近所での開催ですので、仕事を早く切り上げ夕方から参加しました。平日にも関わらず多くの参加者でにぎわっていました。
会場到着直後、とりあえず目の前で行われているセッションを拝聴しました。最近盛り上がりを見せているSlender PCIの、"Slender Video Live"。Slender PCIには以前より大変興味がありますので、食いつきました(笑)。会場内は立ち見が出る程の盛況振りでした。
途中からの参加ですので、なんとも言えませんが、見た範囲では、うーんという感じ。
有名な某先生のビデオライブでしたが、CTOへの5F PCI。5Fでおこなったからこそ不成功で終わる手技。6-8Fなら問題なく成功でしょう。うーん。
2nd sessionで中途6Fに切り替え成功しましたが、その手技後引き続き行った他枝病変へのPCI(これもCTO)では偽腔へのステント留置という雑な仕上がりのPCIでした。ガイドワイアー通過が、true-false-tureならまだしも、true-falseのままステント留置です。常識では考えられません。長期のpatencyはあまり期待できないのではないでしょうか。
ビデオ後のdiscussionも消化不良です。不成功のPCIを許容するような意見が多かったですが、説得力が全くありません。残念です。
患者さんのことを考えると、複雑な思いを抱かざるを得ません。"Slender"を否定するわけではありませんが、こんな手技を続け、また、こんな手技を許容するような議論を続けるようですと、未来は暗いのではないかと思ってしまいます。
ライブを行っている先生は一流の先生ですので、まだ善し悪しの判別がつくでしょうが、聴衆には若い先生方も大変多い会場でした。"Slender PCI"は若い先生の注目度が高いのでしょう。子供が大人の危険な遊びを真似すると、非常に問題があります。危ない。""Slender"の世界は危険と隣り合わせだと思います。Slender系の学会に参加するたびに同じような思いを感じます。Slenderの世界を応援するからこその心配事です。倫理的にもきちんとしたステップを踏んだ"Slender PCI"の普及を望みます。

お子様にとっては、現状ではSlenderPCIは、せめて非CTO病変に限定する方針が宜しいと思います。PCIにおいて、CTOは、やはり別物です。患者のことを本当に思うなら、個人的には、CTOは落合先生の主張通り、FA 8Fが最善と思っています。

2010年7月14日水曜日

UFOキャッチャー

先日、カテ室でUFOキャッチャーしました。

一個目




二個目





OptEaseというIVC filter(深部静脈血栓治療用の下大静脈フィルター)です。
いずれも10日程前に下大静脈に留置しました。今回、スネア(投げ縄みたいなものですね)を使って回収しました。

IVC filter自体は個人的にはあまり好きなデバイスではなく、なるべく使わないようにしていますが、回収できるのであれば良いですね。

野菜

最近行ったお店のお気に入りメニューです。




なかなか良い店で、早く再訪したいです。

野菜でも、肉でも、魚でも、なんでも、あまり手をかけず、素材本来の味を楽しむのが好きです。
写真手前に、ゴマだれ、塩、バーニャカウダ がありますが、個人的には殆ど使いません。
最近は、刺身食べるのも、醤油使いません。

日常診療で心臓病の方に対しては、減塩食(6g/日)を推奨しています。3g/日が理想のようですが塩分好き民族の日本人には無理でしょう。6gも難しい。

醤油等調味料を控えるのは、素材の味を大事にする以外にも、減塩という観点で、自分の身体のため、そして少しでも、患者の気持ちを理解しようかなという気持ちもあったりします。

2010年7月13日火曜日

アデホス使用の際には除細動器を用意しましょ

上室性不整脈患者の管理に関するACC/AHA/ECCガイドラインの幅の狭いQRS頻拍に対するアデノシン使用に関し、以下の記載があります。

「アデノシンにみられる副作用には, 心房細動の出現( 1-15 % ) がある。これは通常, 一過性であるが, 心室の早期興奮のある患者に
はとくに問題となるかもしれない。」



中年男性。動悸を主訴に来院。血圧120/70と保たれているものの、HR>200!はやっ!




初療を担当した後期研修医。アデホス10mgを急速静注。びよよーん。ちゃんとECGを流しながらの投与です。




めでたく、洞調律に回復。デルタ波があり、副伝導路の存在が示唆されます(早期興奮症候群、WPW症候群)。




と思った途端、RR間隔が不整になり、再度頻拍化、QRSは幅広くなり、、、、、





患者さんは眼球上転、意識消失、脈拍触知できず! 研修医は慌ててCPRを開始しました。胸骨圧迫を数回したところで、幸い、血圧は回復し、意識回復したそうですが、研修医はかなり焦ったそうです(苦笑)。
アデホスの副作用による心房細動が生じ、いわゆるpseudoVTになったのでしょうか。

副伝導路を有する患者さんに心房細動が生じた場合は、無秩序で極めて速い心房の興奮が副伝導を伝導し、極めて速い心室興奮を来たすことがあります。RR間隔が不整の、幅広いQRS頻拍を呈します。場合により突然死に至ることも有り得る、恐ろしい病態です。

pseudoVTが持続し、血圧が回復せねば、迷わずcardioversionです。

幅の狭いQRS頻拍にアデホスを使用する際には、除細動器を用意しておくことが重要です。QRSの幅が狭いから楽勝!、といってなめていては怖いことが起こることもあります。。

2010年7月2日金曜日

POP LIVE in Wakayama

日々やることが多くて首が回らない状態です。ワールドカップも重なり、究極の寝不足です。
それでも今日は当直の代休でした。わーい。でも寝て過ごす暇はありません。この代休を利用して、強行日程、朝4時起きで羽田関西空港経由、和歌山に来ています。目的はPOP LIVE !(笑)。なかなかシャレたネーミングですが、音楽のライブではありません。

「Physiology Oriented PCI Live Demonstration Course in Wakayama」の略です。




赤坂先生率いる和歌山県立医大循環器内科が主となって行うPCIライブです。
難易度の高い症例を、高い技術で成功させる通常のライブとは異なり、FFR等、狭窄の機能的評価によりPCIの適応やエンドポイントを決定する、他とは趣が異なるライブです。FFRの勉強のために、生まれて初めて和歌山の地に足を踏みいれ、初参加しました。
会場の大学は大変広く、きれいで、人は少なく、開放的です!要するに田舎です(笑)!

肝心のライブは、4症例のみと、症例数を絞りじっくりと吟味する趣向です。初めの3症例は正直、FFRの良さが活かしきれない症例で、しかもカテ技術も??という感じでしたが、4症例めは非常に印象的な症例でした。右冠動脈#3の75-90%の症例。シンチはequivocalですが、angio上は明らかなる有意狭窄で、RCA dominantで結構大きい。FFRは0.8台。ATP持続静注をどんどん増量し、かつ冠動脈注入も併用したり、hyperemiaにかなり気を使っても、やっぱりFFR0.79のボーダーライン。OCTで形態的評価を加え、赤坂先生は平然と、「PCIは控えて、薬物治療で対処。これが我々の通常のスタンスです」。

もちろん深いディスカッションの上での判断ですが、日本の、いや世界のインターベンショナリストで、90%狭窄を前にして、平然とワイヤーを抜いて保存的治療に移行できる人がどれくらいいるでしょうか。エビデンスに基づき、患者の為に、無駄なことはしない。患者に、循環器医に、医療経済に、やさしい判断です。
今回のこの症例の経過やディスカッションを拝聴しただけでも和歌山に来た甲斐がありました。
十分なHyperemiaが得られているのかを考慮することも大変重要なことが分かりました。

夜は、おいしい地魚たべました。メニューでたまたま見かけた和歌山名物(らしい)梅わさびも。刺身にあえていただきます。つーん!からい(涙)! 




そして、密かな第二の目的、マニア温泉を満喫(笑)。(密かに尊敬する人:郡司勇、松田忠徳(笑)) 



鉄分が多い、赤いお湯です。26度の少々冷たい源泉と、加温した40度程の湯船を交互にはいることが推奨されています。
お風呂の出口には、源泉が出てくる蛇口が設置されており、自由に飲んだり、タンクに入れて持ち帰ったりすることができます。大変良心的です。

明日も半日ですが、和歌山でお勉強です。