2011年2月15日火曜日

G2010 胸骨圧迫

AHA BLS for HCP G2010暫定コースで感じたこと。

胸骨圧迫の重要性が更に強調され、強く!速く!少なくとも100回/分、少なくとも5cm! と強調しまくると、確かに、強く、速くなります。しかし、140-150回/分程の猛スピード胸骨圧迫が散見されるようになりました(苦笑)。さすがにリコイルが甘くなります。リコイルの評価は結構難しいのですが、30回の圧迫を終了し、人工呼吸に移行すべく手を胸壁から完全に離した瞬間に、今までのリコイルが完全だったか、不完全だったか、が分かり易いと思います。注目の瞬間です。

強く速くと同じように、完全なるリコイル!も強調せねばいけないことを痛感しました。完全なリコイルを意識し、実践すれば、自ずとスピードは下がってきます。完全なリコイルを達成できる範囲で速く! という感じで、概ね110-120/分くらいに落ち着く人が多そうです。

ただし、マネキンでの話です。リコイルの特性はマネキンと実際の人間では異なります。最適なスピードは110-120/分くらい、、とは言い切れません。
実際の人間で、完全にリコイルかつ速い胸骨圧迫がどの程度のスピードになるか。単に人間といっても個人個人で当然異なってくるでしょう。体格や年齢、骨のしなやかさ、、、、。また、同じ人間でも経過中に肋骨が折れたりすると、リコイルの特性は変わってきます。

CoSTRでは上限は不明としていますが、ERCやARCは胸骨圧迫の速さの上限を120回/分と一応言及しています。確かに、そんな印象をもちますし、反対はしませんが、120という数字が一人歩きして、最善のテンポは120/分と誤った認識をもつようになったりすると、あまりよろしくないとも思っています。

常に、完全なリコイルを意識しつつの強く(少なくとも5cm)、速く(少なくとも100回/分)の胸骨圧迫。最適な速さは傷病者によって異なると思います。
そんなことをうまく伝えられればよいなと思いました。

ちなみに、ERCは胸骨圧迫の深さの上限も6cmとしています。5cmとか、6cmとか、測れないよなあ。

2 件のコメント:

  1. ERCのガイドラインは読んでいないので勉強になりました。

    ありがとうございました。

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  2. Kim先生、有り難うございます。
    私もちょっとかじり読みしただけです(苦笑)。

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