2011年4月29日金曜日

手の位置

新年度になり、循環器科スタッフが1人減ってしまい、業務増。その影響がボディーブローのように効いてきています(苦笑)。やれやれ。他の病院に比べれば医師の数はかなり多い方ですから贅沢は言えませんが。。


ということで、久し振りの更新。
先日あらためて感じた事。(以前にも同じような記事を書いた気がしますが、現場は改善されていないということでしょう。。。)
肺塞栓症による、院外心停止、PEA症例。救急隊の目の前でPEAになったようで、すぐさまCPRが開始されています。搬送中、当院搬送後、合わせておよそ40分弱のCPRが施行され、自己心拍再開しています。CTにて肺塞栓の診断が付き、血栓溶解療法を行いたいところでしたが、胸骨圧迫によると思われる肺の損傷で気管からの出血が著明。結局、血栓溶解療法の施行は見合わせ、抗凝固療法のみで対処となりました。

正しく胸骨圧迫しても、肋骨骨折や臓器損傷が生じてしまう可能性は勿論あります。しかしながら、多くのケースでは、手の位置が胸骨からずれて肋骨を押してしまうことが大きく関与している印象を持っています。G2010になり、少なくとも5cm、少なくとも100回/分、強く速く押しますから、正しい手の位置を強く意識していないと余計に肋骨骨折、臓器損傷を来しやすくなります。

BLSコースで、正しい手の位置を意識すべく、胸骨が確認できる骨の図(G2005 Supplemental materials P86)をコースで提示したことがたびたびありましたが、G2010BLS for HCPs student manualにはマニュアルの本文にこんな図が載っています。より印象的ですし、指導もし易くなると思います。




肺塞栓のマネージメントには、種々議論があります。血栓溶解、PCPS、IVC filter、、、。
Circulationに、statementが出ました。参考までに。

Management of Massive and Submassive Pulmonary Embolism, Iliofemoral Deep Vein Thrombosis, and Chronic Thromboembolic Pulmonary Hypertension: A Scientific Statement From the American Heart Association

2 件のコメント:

  1. 新しいテキスト見た気がするのですが、、、気づきませんでした。
    ありがとうございます!見てみます。

    お仕事大変だと思いますが、頑張ってくださいね!

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  2. Kim先生、お気遣い有り難うございます。
    地方の先生方に比べれば、贅沢な環境なんです。すいません。

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