2012年5月20日日曜日

当直明け

昨日、とある心臓カテーテル治療の症例検討の研究会に参加しました。その中症例の1つ。ACSで瀰漫性の動脈硬化病変。PCI適応の判断は難しく、技術的にもPCIはなかなかやりづらい病変。最終的にはPCIを施行して血栓閉塞を繰り返す大変な苦労をされた症例でした(最終的には無事に終了されました)。その治療過程でやや中途半端な判断が血栓閉塞の一因となった可能性が挙げられていました。実はこのPCIの術者の先生は、当直明けのお疲れの状態でしたが上司の指示で(やむなく?)行ったとのことでした。発表の最後のスライドは、「いちど始めたPCIは、もっと気合いを入れてやらなければいけない、、」というようなニュアンスのことが書かれていました。 座長の先生も「もっと気合いいれなきゃ。」とおっしゃっていました。 たしかに、その通りなのですが、本質は違うように思いました。 多くのインターベンショナリスト、いや多くの医師たちは当直明けの疲れた状態でのカテや手術、診療を余儀なくされています。この現状を改善しなくてはいけません。当院は当直明けは半日で帰宅する方針を少しづつ導入しています。以前よりはましな状況になってきています。 先日の、関越道の高速バスの件が人ごとではない、という岩田先生のブログもうなづきながら読みました。 「こころを入れかえて、今後は疲れていても気合いを入れるぞ!」という、新たな決意ほど無力なものはありません。 「長時間勤務後で疲れているし眠いけれど、気合いをいれて運転するぞ!」と言う運転手が運転する深夜高速バスには乗りたくありませんものね。