上室性不整脈患者の管理に関するACC/AHA/ECCガイドラインの幅の狭いQRS頻拍に対するアデノシン使用に関し、以下の記載があります。
「アデノシンにみられる副作用には, 心房細動の出現( 1-15 % ) がある。これは通常, 一過性であるが, 心室の早期興奮のある患者に
はとくに問題となるかもしれない。」
中年男性。動悸を主訴に来院。血圧120/70と保たれているものの、HR>200!はやっ!
初療を担当した後期研修医。アデホス10mgを急速静注。びよよーん。ちゃんとECGを流しながらの投与です。
めでたく、洞調律に回復。デルタ波があり、副伝導路の存在が示唆されます(早期興奮症候群、WPW症候群)。
と思った途端、RR間隔が不整になり、再度頻拍化、QRSは幅広くなり、、、、、
患者さんは眼球上転、意識消失、脈拍触知できず! 研修医は慌ててCPRを開始しました。胸骨圧迫を数回したところで、幸い、血圧は回復し、意識回復したそうですが、研修医はかなり焦ったそうです(苦笑)。
アデホスの副作用による心房細動が生じ、いわゆるpseudoVTになったのでしょうか。
副伝導路を有する患者さんに心房細動が生じた場合は、無秩序で極めて速い心房の興奮が副伝導を伝導し、極めて速い心室興奮を来たすことがあります。RR間隔が不整の、幅広いQRS頻拍を呈します。場合により突然死に至ることも有り得る、恐ろしい病態です。
pseudoVTが持続し、血圧が回復せねば、迷わずcardioversionです。
幅の狭いQRS頻拍にアデホスを使用する際には、除細動器を用意しておくことが重要です。QRSの幅が狭いから楽勝!、といってなめていては怖いことが起こることもあります。。
勉強になりました!
返信削除有り難うございます!
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