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2013年7月13日土曜日

CPR Quality まとめ

まとめです。訳が変なところもありますので、原文も載せておきます。

1. 質の高いCPRは、全ての蘇生努力がなされた礎として認識されるべきである。目標とするCPRのパフォーマンスの要素は以下の通り。
a. CCF>80%
b. 胸骨圧迫の速さ100-120/分
c. 胸骨圧迫の深さ50mm以上(成人)で、胸壁へのもたれを残さない
(乳児、小児においては胸壁前後径の少なくとも1/3)
d. 過換気を避ける(胸壁挙上は最小限、換気回数毎分12未満)

2. 全ての心停止はプロフェッショナルの救助者が対応する
a. チームのCPRパフォーマンスをモニターするモダリティーを少なくとも1つは使用する
b. 蘇生努力に対する傷病者の生理的反応をモニターするモダリティーを少なくとも1つは使用する。
c. 傷病者の生理的反応に応じ蘇生努力を継続的に調整する

3. 蘇生チームは、以下により、CPRを適正化すべく協力すべきである
a. 迅速に胸骨圧迫を開始し、CPRのパフォーマンスを早期に適正化する
b. チームリーダーは蘇生努力を監視し、迅速かつ適正なCPRパフォーマンスを効果的に促す
c. 高度な医療行為や移送したりする間、適切なCPRを継続する

4. 蘇生に関わる管理システム(EMSや病院、その他プロフェッショナルな救助プログラム)は、
a. 特異的な役割を担う協同コードチームを決定し、イベントを通じて質の高いCPRを施行できることを確認する
b. 心停止の毎にCPRパフォーマンスのデータを収集し、CPRの質改善プログラムに活用し将来の蘇生努力を適正化する
c. CPRの質の継続的な改善のための方策を実行し、教育、能力の調整、使用可能なCPRの質の指標を含めた心停止の病態のレビューを統合する

5. CPRの質の指標の報告を国として標準化することにより、以下を発展させるべき
a. CPRの質の指標は、国のレジストリー、データベースに含まれ、収集されるべきである。そしてレビューし、報告し、蘇生の調査研究を実行する。

b. AHAや、適切な政府機関、デバイスメーカーは業界のスタンダードを発展させ、質改善やリサーチの為に収集された蘇生中のデータから、生データを抽出し相互運用できるようにする


Final Recommendations
1. High-quality CPR should be recognized as the foundation on which all other resuscitative efforts are built. Target CPR performance metrics include
a. CCF >80%
b. Compression rate of 100 to 120/min
c. Compression depth of ≥50 mm in adults with no residual leaning
i. (At least one third the anterior-posterior dimension of the chest in infants and children)
d. Avoid excessive ventilation
i. (Only minimal chest rise and a rate of <12 breaths="" min="" p="">
2. At every cardiac arrest attended by professional rescuers
a. Use at least 1 modality of monitoring the team’s CPR performance
b. Depending on available resources, use at least 1 modality of monitoring the patient’s physiological response to resuscitative efforts
c. Continually adjust resuscitative efforts based on the patient’s physiological response
3. Resuscitation teams should coordinate efforts to optimize CPR during cardiac arrest by
a. Starting compressions rapidly and optimizing CPR performance early
b. Making sure that a team leader oversees the effort and delegates effectively to ensure rapid and optimal CPR performance
c. Maintaining optimal CPR delivery while integrating advanced care and transport
4. Systems of care (EMS system, hospital, and other professional rescuer programs) should
a. Determine a coordinated code team response with specific role responsibilities to ensure that high-quality CPR is delivered during the entire event
b. Capture CPR performance data in every cardiac arrest and use an ongoing CPR CQI program to optimize future resuscitative efforts
c. Implement strategies for continuous improvement in CPR quality and incorporate education, maintenance of competency, and review of arrest characteristics
that include available CPR quality metrics
5. A national system for standardized reporting of CPR quality metrics should be developed:
a. CPR quality metrics should be included and collected in national registries and databases for reviewing, reporting, and conducting research on resuscitation
b. The AHA, appropriate government agencies, and device manufacturers should develop industry standards for interoperable raw data downloads and reporting
from electronic data collected during resuscitation for both quality improvement and research

2013年7月10日水曜日

CPR Quality 10:教育方針

BLSやACLSのトレーニングは、命を救い、臨床的アウトカムを改善し得る基本的知識・スキルを提供します。
しかしながら、トレーニングで得られたスキルは、頻回に使ったり復習したりしないと急速に(6-12ヶ月以内に)低下していきます。
CPRスキルの、頻回・短時間のrefreshトレーニングは、スキルの維持や改善に寄与します。能力や証明書の維持のために、このような方針を活用することが注目されてきています。継続的なトレーニング方法は様々ですが、そのうちのいくつかをCPRの質の改善のプログラムとしての最低限のスタンダードとすべきでしょう。

シミュレーションや模擬訓練により、個人やチームのパフォーマンス改善を達成し得ます。これらのトレーニングにより、チーム蘇生のヒューマンファクターの重要性が強調されますし、心肺停止の生存率向上に寄与する重要な系統的プログラムであることが証明されるかもしれません。心肺蘇生トレーニング・教育は一回のコース、一回のイベントと考えるべきではなく、CPRの質を適正化のための継続的な努力における単なる一過程と考えるべきです。

2013年7月9日火曜日

CPR Quality 9:デブリーフィング

心停止イベント後のデブリーフィングは心肺蘇生術のパフォーマンス向上に大変効果的です。デブリーフィングでは、個人の行動やチームのパフォーマンスを振り返り、焦点を定めたディスカッションがなされます。施行されたCPRについての記憶がはっきりしているうちに早期にCPRの質を振り返ると、効果的です。院外心肺停止でも院内心肺停止でも活用し得るし、様々な形式のデブリーフィングが存在します。定期的に、例えば毎週デブリーフィングセッションを設けるような体制も効果的で、それにより、CPRのパフォーマンスが向上したり、院内心肺停止の自己心拍再開率が向上したとの報告があります。院内院外の既存の組織もこのデブリーフィングを効果的に取り入れることができます。デブリーフィングを施行する際には、実際に蘇生処置に関わったプロバイダーが議論に参加することが極めて重要です。
デブリーフィングは、構造化して議論がなされると効果的です。チェックリストを利用する方法もあります。

モニタリングデータをデブリーフィングに取り入得ることでより客観的な視点でアプローチすることができます。

2013年7月8日月曜日

CPR Quality 8: 過換気

過換気を避ける:

「換気回数毎分12回未満」「胸郭挙上は最小限」が推奨されています。

CPR中の陽圧換気は冠動脈灌流圧を低下させます。
換気回数が多かったり、1回換気量が多かったりすることによる過換気は蘇生現場では良く見られることです。
十分に血液を酸素化しつつ、かつ、循環への影響を最小限にすることが、CPR中の換気の目的です。

現行のガイドラインにおいては、換気回数は高度な気道確保(8-10/分)の有無や、患者の年齢・救助者の数(15:2, 30:2)、等に影響されます。他の推奨(胸骨圧迫100-120/分、人工呼吸は1秒など)に準じると、結果的に換気回数は毎分6-12回程度となります。

過換気の有害性についての動物実験の結果は様々のものが混在していますが、過換気が利益をもたらしたという研究は皆無です。

G2010の推奨は妥当であり、毎分12回未満の換気回数とし、陽圧換気の循環への影響を最小限にすることが推奨されます。

換気回数が過剰にならないように、メトロノームを使用することは有用です。



1回換気量は、視覚的に胸郭挙上が確認出来る程度以上に増やすべきではありません。陽圧換気は自己心拍下であっても、CPR中であっても、心拍出量を低下させます。CPR中において低めの1回換気量での換気はPaO2の変動とは有意な関連がありません。加えて、高度な気道確保がなされていない場合、陽圧換気は胃膨満、誤嚥を助長し得ます。CPR中の胸骨圧迫は肺のコンプライアンスに影響を与えますし、至適な換気圧は明らかではありません。CPR中の換気圧と換気容量の相関に関しては良く知られていますが、臨床的なデータが乏しいのが現状です。

一回換気量の過剰を防ぐ方策は確立されていませんが、より小さいバッグマスクを使用したり、マノメーターの使用、よく観察する、ことが挙げられます。



2013年7月6日土曜日

CPR Quality 7: リコイル

Full Chest Recoil: No residual Leaning

不完全なリコイルとは、主に傷病者の胸部にもたれかかることで、その拡がりを阻害するということです。
不完全なリコイルの臨床的アウトカムへの影響は明確ではありませんが、動物実験では右房圧上昇、脳灌流と冠灌流減少、心拍出量減少、左室心筋灌流減少と関連することが示されています。
複数の研究で、多くの救助者が頻繁にCPR中胸壁にもたれかかっており、不完全なリコイルを助長していることが指摘されています。胸壁へもたれることを最小限にすべきです。
また、胸骨圧迫を深くすると、リコイルが不十分になりがちです。背の高い救助者や踏み台を使用した時に、生じ易くなります。至適な深さを達成しつつ、リコイルをモニターすることが推奨されます。即ち、胸骨圧迫の(圧迫と圧迫の)間に胸部への圧を残さず完全に解除されていることを確認することが必要です。

Incomplete chest wall releaseとleaning、chest recoilとchest expansion、、、、
似たような意味の英単語のニュアンスの相違がわかりずらいです。。。

どなたか教えて下さい。。

2013年7月5日金曜日

CPR Quality 6: 疲労

胸骨圧迫は時間とともに質が低下していくことがよくありますが、救助者は質の低下の前に疲労を自覚しないことも多いです。G2010では2分毎の交代を推奨していましたが、胸骨圧迫の質には大きな個人差があります。10分もの間、質の高い胸骨圧迫をできる人もいれば、1分もできない人や、全くできない人もいます。フィードバックデバイス、特に視覚的なもの、の使用はある程度の効果が期待できます。
チームリーダーが、胸骨圧迫者をよく観察して疲労度をモニターすることを推奨します。疲労していたり、不十分な圧迫で、かつフィードバックを試みてもその質が改善できないなら、2分経過していなくても可能な限り早く他のメンバーに交代させるべきです。頻回な交代はCCFの低下につながり得るとする研究もありますが、適切なコミュニケーションと準備にて、交代は3秒以内に可能です。


普段、日常生活の中で、自分としては特に疲れていないつもりなのに、人から「疲れてるね」なんて言われると、ああ、みすぼらしいってことだよなー、老けたってことかなー、と思って若干ブルーになります。なので、あまり人には「疲れているね」とは言わないようにしています。

でもCPR中は、疲れてそうなら「疲れてるねー」と目ざとく指摘しなくてはいけません(笑)。

2013年7月4日木曜日

CPR Quality 5: 胸骨圧迫時の姿勢

胸骨圧迫は、胸骨圧迫者の姿勢に影響されますが、胸骨圧迫の至適な姿勢のコンセンサスはありません。
短時間での圧迫の質の差はないかもしれませんが、立位での胸骨圧迫は、踏み台の使用や立て膝による圧迫よりも労力が増えるように思われます。
踏み台を利用することで深さが改善され得ます(特に背の低い胸骨圧迫者)。従って、至適な高さで胸骨圧迫をすることがその質の維持に重要であり、そのためにはベッドの高さの調整をしたり、踏み台を利用したりすることが推奨されます。

まあ、当たり前といえば当たり前。
深く押せない受講生、特に小柄な女性とか、指導に困ることがあります。決定的な良き方法はあまりないです。ケースバイケースで試行錯誤で、その受講生に合った方法を模索します。


以前、当院のBLS for HCPに、心肺蘇生で有名なアリゾナ大学のKern教授いらっしゃったことがありました。そのとき、至適な圧迫のコツとして、膝間づいてのCPRの場合、両膝を傷病者の脇にぴたっと付けるくらい傷病者に近づいて圧迫することを強調していました。残念ながら、このコンセンサスには、その記載はありませんでしたー。

2013年7月3日水曜日

CPR Quality 4: バックボード

背板、ですね。

胸骨圧迫において、適切な深さを得るためには、下が硬い必要があります。
ガイドライン2010では「CPR中のバックボードの使用についてはエビデンスが不十分で,反対意見もある」とされ、「使用する場合は,CPRの開始が遅れないように注意し,CPRの中断を最小限に抑え,,」あまり肯定的なニュアンスではありませんでした。

このステートメントでは、「バックボードは至適な深さを達成するためによく使われており、救助者の労力も軽減する。可能な限り素早くバックボードを入れたり、硬い地面に移動したりすることを勧告する」と、若干肯定的な表現になったような気がします。
質の高い胸骨圧迫への意識の高まりでしょうか。


我々の普段のコースでは当たり前のように硬い地面や台の上でトレーニングしていますので、正直あまり意識していません。よろしくないですね。
たまには、柔らかいベッドの上でのトレーニングも交えることができるとよいですね。

ずいぶん昔、どこかのACLSコースで、患者の反応が無ければ、院内救急コール、たくさんの人、AED、救急カート、背板を要請すること、と教わった気がします笑 なつかしい。

2013年7月2日火曜日

CPR Quality 3: 胸骨圧迫の深さ

CPR Qualityに関するAHA Consensus Statementについてです。

最近の研究によると、胸骨圧迫の深さは成人で44mm以上が妥当と考えられますが、実際には救助者の圧迫の深さが十分でないことが多数報告されています。50mm以上の深い圧迫により除細動成功・ROSCの率が改善し、38mm未満の浅い圧迫であるとROSCや生存率の低下と関連したとの研究結果があります。

ただ、至適な深さは様々な要素に影響されるものと思われます。例えば、傷病者の体格、環境(マットレスの有無など)、或いは、速すぎる胸骨圧迫は、目標の深さ(5cm以上)に達する割合が低くなる可能性がある、ということもその1つでしょう。従って、「深さ」単独の、アウトカムへの影響を評価することには限界があります。



上記の「44mm」や「38mm」といった具体的数値の記載はG2010にはなかったように思います。
成人に関し、「44mm以上の深さで押す」ことが重要とのデータがあり、かつ勧告より浅い圧迫となるのが常、とうことだから、「50mm以上」で押すように促す勧告は妥当ということなのでしょう。

胸骨圧迫の深さの上限について、ERCでは60mmとする一方でAHAのG2010では上限は設けていませんでした。このstatementにも、深さの上限の記載はありませんでした。マネキンが破壊されそうな強い圧迫をコース中散見しますが、個人的には多少不安を感じることがあります(苦笑)。でも、リコイルがしっかりされているなら、介入する根拠はないですね。
また、小児に関してはデータは不十分であり、乳児、小児ともに、胸郭の1/3以上押すことを目標とするのが妥当、との記載にとどまります。

2013年6月30日日曜日

CPR Quality 2: CCF>80%

CPR Qualityに関するAHA Consensus Statementについてです。

CCFとはChest Compression Fractionの略です。心停止時間のうち、胸骨圧迫がなされていた時間の割合です。心停止時間の定義は、心停止が初めて同定されてから自己心拍再開を達成できるまでの時間です。「中断を最小限」という概念はG2010から全くかわりませんが、「CCFを80%以上にしましょう」と新たな具体的数値を提示しています。CCF低値は、ROSC率低下や生存退院率低下と関連しています。

ただ、通常CPR中はCCFの数値を具体的に把握出来るわけではありませんので、終了後振り返ってみて数値の評価をするということになるのでしょう。CPR中は「胸骨圧迫中断は最小限」をひたすら実践することになります。

CCFを上げるためにCPR中に気をつけることは、主に以下のような項目が挙げられています。

1. チームワーク
ピットクルーのようなチームワークと、チームリーダーを中心としたクリアーなコミュニケーションが必要です。ちなみに、胸骨圧迫交代の際には、適切なコミュニケーションと準備にて3秒以内を達成できると書いてあります。

2. 気道確保時の中断を最小限にする
気管挿管の際にはしばしば胸骨圧迫が長時間中断されうることを忘れてはいけない。声門上デバイスは利用しうるが、気管挿管に比しアウトカムが悪化したとのデータもあります。BVMで適切に換気できていれば、高度な気道確保は「全く」必要ない、かもしれない、、、だそうで、「not….at all」になっています。熟練したプロバイダーが気管挿管するときは、なら、まずは胸骨圧迫を継続しながら喉頭鏡を使用し挿管してみましょう。中断が余儀なくされるなら、10秒以内を目指しましょう。

3. 不必要な脈拍触知を避ける
脈拍触知は、胸骨圧迫中断が長くなるし、そもそも精度が低いスキルです。動脈ラインやcapnography等によるモニタリングで脈拍触知の機会を減らすことができます。

4. ショック(除細動)前の中断を最小限にする
ショック直前には、胸骨圧迫の中断が長くなりがちです。プロバイダーの安全を考える必要があるからです。この中断を最小限にすることでアウトカムが改善しますので、この短縮は大変重要なことです。9秒くらい短くしましょう、、という数値が記載されています。。。。。が、9秒って長くないですか(笑)?もっと短縮できるといいですね。該当文献読んでいませんが、読んでみたいです。。。
パドルではなく、パッドを使えば、充電中も胸骨圧迫を継続しやすいので、これを推奨しています。その他、胸骨圧迫による心電図ノイズを軽減する機器などの新しいテクノロジーも役立ちそうです。
ショック後に胸骨圧迫をすぐに再開することも重要です。Stacked shock(立て続けのショック)をせずに、ショック後1-2分のCPRをした後にリズム解析を行う方法にしたところCCFが48%から69%まで増加し、生存率向上に関連したとのデータがあるそうです。このような具体的なデータを出すと説得力ありますね。


まあ、G2010と比し、目新しいところは、あまりない(笑)ですが、より具体的な表現になって来ており、その重要性が感じられますし、「実践」の指標になります。

2013年6月28日金曜日

CPR Quality 1: CPRの質向上の順序

CPRの質について、AHAからコンセンサスステートメントが出ています。

http://circ.ahajournals.org/content/early/2013/06/25/CIR.0b013e31829d8654.full.pdf+html

ざっくり読みましたが、なかなか興味深い記載が多いです。
中でも、以下は、すぐにでも参考になりそうです。

CPRの効果が不十分な場合、チームリーダーは次の順序で胸骨圧迫の質の適正化を試みましょう。この順序の根拠の1つは各々のエビデンスの強さです。

①胸骨圧迫時間/全蘇生時間(CCF) >80%
②速さ 100-120/分
③深さ >5cm
④フルリコイル
⑤過換気を避ける 胸郭挙上最小限、<12/分

中断時間を最小限にすることが最重要なことが分かります。胸骨圧迫の速さについては、速すぎると冠血流が減少する可能性があり、また目標の深さ(5cm以上)に達する割合が低くなる可能性がある、とのことで100-120/分を推奨しています。この範囲を下回っても、上回っても、生存退院率が低下する、と記載されています。あとの項目の内容自体はあまり変わっていませんね。

AHAガイドライン2010に記載されていない事項も含んでいますので、AHAコースで上記を話す必要は全くありませんが、頭の片隅に入れておくと世の中の為になるかもしれません。

上記文献、BLS/ACLSインストとして参考になることが多いので、英語の勉強だと思って、英語の苦手な方も読んでみると役立つと思います。

2012年11月9日金曜日

手の位置

何度か同じような記事を書いています。 http://jblog20090211.blogspot.jp/2011/04/blog-post.html http://jblog20090211.blogspot.jp/2011/10/blog-post.html http://jblog20090211.blogspot.jp/2011/10/blog-post_31.html でも、またです。 詳細は書きませんが、肺塞栓による院内心肺停止、PEA。CPR。恐らくは(まず間違いない)CPRにより両側肋骨骨折、両側気胸、左血胸。肋骨にも力が加わったことが一因と思います。CPRしつつ両側にトロッカーも挿入。左の血胸の出血が大量。大腿動静脈の確保に難渋、結局カットダウンでPCPS挿入。この時血管は虚脱。補液しても左胸腔に出てしまう感じ。PCPSも有効に回りません。結局救命できませんでした。残念です。 みな命を救うべく一生懸命CPRをしてくれました。責めることはできません。正しい手の位置をそのCPRに携わる人たち全員で確認しながらHigh Quality CPRすることが、やっぱり大事です。

2011年10月31日月曜日

しつこく、手の位置

前回10/23の記事に関し、同じような経験を複数しているという方から御連絡を頂きました。都内の某救命センター。VF,MI,CPAで救命センター搬入され、自己心拍再開、PCIもうまくいったが、その後急速に貧血が進行し、ショックに陥ったそうです。結論としては、肝損傷→腹腔内出血。恐らくは胸骨圧迫によるもの。どのような機序で、肝損傷に至ったか明らかではありませんが、そんな可能性を少しでも減らすべく、正しい手の位置を守ることは、やはり、大切そう。

2011年7月17日日曜日

実践

一昨日、昨日と、連日CPRをしつつPCPSを挿入する機会がありました。自分はPCPSを挿入する側であったのでいわゆるCPRには直接関与しませんでしたが、他の方々の懸命なるCPRを横目で見つつ手技を行いました。

以前に比し、" High Quality CPR" "High Quality Compressions"を意識していることは明らかでした。さすが救命センターの面々です。現場も進歩しています。

強く、速く、絶え間なく、のcompressionでした。

ただ、フルリコイルの実践は、この3点より難しそうです。実際の傷病者のリコイルは、マネキンのリコイルと異なり、より確認しずらそうですが、とにかく意識し続けることがまずは大事だと思いました。

手の位置も、いい加減になりがち。"胸骨"圧迫 の意識をもっと持つことが重要と感じました。

参考

もう一つ。いずれの患者も気管挿管しましたが、やっぱり過換気になりがちでした。"過換気を避ける”ことは現場では最も難しいスキルの一つです。油断するとすぐに速くなる(苦笑)。常に、”過換気を避ける”ことも意識していないと実践が難しいと再認識しました。
ちょっと前の文献ですが、こんなものもあります。
http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/17130392

呼吸確認脈拍確認

心肺停止の判断において、頚動脈の脈拍確認は、医療従事者でさえ難しい技術であることは以前から言われていることです。ですから、一般市民には推奨されていません。医療従事者は一応試みますが、時間をかけてはいけません。

AHAのBLS for HCPでは、意識の確認+呼吸をざっと確認→EMS立ち上げ・AED要請→脈拍確認 の流れ。
JRCは、意識の確認→EMS立ち上げ・AED要請→呼吸の確認+脈拍確認 。

JRCガイドラインの記載では、「市民救助者は心停止確認のために脈拍の触知を行うべきでない。医療従事者であってもCPR に熟練していない救助者は同様の対応でよい。一方、熟練救助者は患者の呼吸を観察しながら、同時に頸動脈の脈拍を確認してもよい。」 となっており、呼吸確認と脈拍確認を同時にやりなさい、とは書いてありません。

昨日のICLSコースでは、同時にやるように指導する方針になっていました。ちなみに、呼吸の確認は「見て聞いて感じて」でした。
実際に受講生が同時に行っている姿を拝見すると、ほぼ全受講生、脈拍確認がかなりおざなりになっていました。脈拍確認だけでも難しいスキルなのに、呼吸を見て聞いて感じながら同時に脈拍確認することは相当に難易度が高いと感じました。超熟練救助者限定スキルです(笑)。

AHAの流れのほうが、自然だし、技術的に習得しやすいかなという印象を抱きました。

見て、聞いて、感じて

昨日はICLSに参加しました。
普段はAHAコースに関与しているので、AHAガイドラインに目を通すことが多いです。昨日はICLSですから、JRCのガイドラインをちょいとみる機会がありました。以前公開されていたドラフト版では、医療従事者の呼吸の確認は、” 呼吸の確認時に気道確保を行い、「見て、聞いて、感じて」呼吸の観察を行う ”となっていました。ところが、最近公開された確定版では、” 呼吸の確認時に気道確保を行う。” の記載のみで、「見て、聞いて、感じて、、、、」の記載は削除されていました。おお、消えてる(笑)。

AHAは、”「見て、聞いて、感じて」を削除”を明確に打ち出していて、やることは好ましくない、、的なニュアンス。JRCは、ひっそりと記載が消えている(笑)。やっても良いけど、やらなくても良いよ、、、的感じ。微妙にニュアンスが異なります。

「見て、聞いて、感じて」を行うか、行わないかで、予後か変わるというエビデンスはないわけですから、どちらが正しいか誤りか、ということではありません。

大事なことは、死線期呼吸を見逃さないこと、時間をかけずに、次なるステップに進むことです。

2011年7月6日水曜日

リコイルと冠灌流

前記事の続き。

リコイルの重要性にも触れています。

胸骨圧迫により押した胸壁がリコイルするときに胸腔内圧が下がり、大動脈に拍出されていた血液が胸腔外→胸腔内→心臓まで戻り、冠動脈の灌流を得ることも言及しています。リコイルは、静脈還流を促すだけではありません。
冠血流は、リコイル時にのみ得られると言っています。リコイル、大事です。

この図もお気に入りです。無断掲載ですが。


心臓マッサージと胸骨圧迫

"心臓マッサージ" ? "胸骨圧迫" ?  どっち?といった話題は以前も出ました。

今更(笑)ですが、AHA ECC公式日本語サイトの右上から入れる、"CPR 50周年記念シンポジウム動画配信"には分かり易い情報があります。まだ見ていない方は、一度ご覧下さい。

胸骨圧迫は直接心臓を圧迫して心拍出を得ている、というよりは、胸腔内圧を上げることにより心拍出を得ている、という話です。
心肺停止となると、循環系(血管内)全体の圧は10mmHg程になります。胸骨圧迫すると胸腔内圧が75mmHgだけ上がり 胸腔内の血管全てにこの圧がかかり、10+75=85mmHgに上がり、これにより大動脈へ血液が拍出されます。静脈系は、静脈弁により血液が拍出されません。

この解説に使われている、下記の図、結構お気に入りです。





つまり、胸腔内の圧の変化がchest compressionの効果の機序であり、決して心臓をマッサージしているわけではないのです。
従って、"心臓マッサージ" はやはり不適切と考えるのが妥当でしょう。胸骨圧迫でよろしいと思います。

自分の関わるコースでは極力"心臓マッサージ" "心マ”は使用を控えるように言っています。
かといって、いちいち"胸骨圧迫"っていうのもちょい長くて、いいずらい。ついつい"compression"と言ってしまうことが多いのが現状。

換気回数

先日のBLSコース。時々、出る話題ですが、
BLSインストラクターとして、少しドキッとする質問。

呼吸停止患者(非心停止)へのBVMでの換気は、5-6秒に1回(10-12回/分)です。
心肺停止患者に高度な気道確保を挿入した場合の換気は、6-8秒に1回(8-10回/分)です。


では、呼吸停止患者(非心停止)に高度な気道確保を挿入した場合の換気回数は?

ぱっと、答えられるBLSインストラクターはほとんどいませんでした。

たしかに、BLSのマニュアル類には記載はなさそう。

ACLS provider Manualには明記されています。





ということで、5-6秒に1回(10-12回/分)でした。

2011年6月14日火曜日

High Quality Compression

6週間連続で週末使って(苦笑)G2010に関わり、感じた事。
High Quality Compressionは全ての医療従事者に必須のスキルです。
地震大国日本の国民一人一人にとって震災対策が必須であることと通じるものがあるような気がします。

皆出来ると思っているけれど、殆どの人が出来ないHigh Quality Compression。
必要性は分かっている(つもり)だけれど、いざという時に出来ないHigh Quality Compression。

国家試験や専門医の実技試験に出てもよいくらいです。
これが出来ないと医療従事者でいられない世の中が将来的にやってくるような気がしてしまいます。

High Quality Compressionのためには、それなりの体力が必要です。
命を救うためのcompressionのためには、身体を鍛えなければいけません。ということで、医療従事者は必ず腕立て100回/日しなくてはいけない、、時代がくるかもしれません(笑)。 →参考記事
朝のカンファレンスで、医局員全員で腕立てとか(笑)。

High Quality CPRを教える立場にいる人に最も必要なもの、それは、それが本当に必要である!という  " 熱意 ! 情熱 ! "

今のところの結論です。