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2009年12月20日日曜日

ACLS リソーステキスト

ACLS Resource Textの日本語訳テキストがいよいよ発売になるみたいですね(http://eccjapanheart.org/pdf/091208_ACLS_rt.pdf)。
有用な情報が日本語で得られることは本当にありがたいことです。日本ACLS協会と日本循環器学会に御尽力頂いたようですが、循環器学会はEPコース開催の予定は全くありませんし、ACLS EPコースを推進している日本ACLS協会が、より積極的と推測します。
協会の現状のEPコースなら、1日で30000円になるし、ACLS用マネキンの準備は不要で、必要経費は安く済むし、協会にとっては儲けが多くて、おいしいコースでしょう。EPコースを受講すれば基本的にはACLS更新にもなりますし、ACLS更新コースを開催するより、受講生にとってもオイシイかも(笑)。幅広い、新たなことが学べる機会としては大変素晴らしいですが、EPコース受講してのACLS更新はかなり問題がありますので、複雑ですー。

2009年11月5日木曜日

キター!

昨日書いたACLS EPコースのスタッフ参加要望の件。
なんと、記事を書いた途端にCDの先生からメールが来ました。

検討いたしましたが残念ながら先生のご要望にそうことは出来ませんことを御返答申し上げます。
先生の熱意は有り難く誠に敬服しておりますが何卒ご理解のほどよろしくお願い致します。


お返事頂けたことは有り難いことですが、、うーん、やっぱり難しいみたいですね(苦笑)。
それでも、”検討”してくださったんですね。感謝致します。

いずれにせよ、『JAA-ITCは、他ITC所属者のスタッフ参加を認めない』と解釈できます。

色々な背景があるのでしょうが、その過程はどうであれ、結果として"学びの機会"を制限してしまう姿勢は、同じく教育にたずさわる者として大変残念なことと個人的には思います。

考えてみれば、ACLS EPコースを受講させて頂けただけ有り難い話ではあります。

2009年11月4日水曜日

アナフィラキシーにおけるエピネフリン

ACLS Resource Textには、アナフィラキシーにより全身的な徴候を呈している患者は全例早期にエピネフリン筋注投与せよ、と記されています。
低血圧や気道浮腫、呼吸障害を呈しているなら勿論ですが、そうでなくとも投与したほうがよいと解釈できます。
アナフィラキシーに対するエピネフリンの作用は単なる血管拡張や気管支拡張と思っていたのですが、そうではないとACLS-EPコースで教えて頂きました。
エピネフリンのα作用は血管収縮を来たし、血圧を上げ、冠灌流を改善し、血管浮腫を軽減します。β2作用は気管支攣縮を軽減します。この辺は当たり前かもしれませんが、更に肥満細胞や好塩基球から各種メディエーターの放出を抑えるそうです(The Textbook of Emergency Cardiovascular Care and CPR)。
アナフィラキシーにとってエピネフリンは特別な薬と考えましょう!とコースでは教わりました。
臨床現場ではまだまだエピネフリン使用頻度が少なかったり、量が足りなかったり、投与方法が不適切であったりすることが少なくなく、これがアナフィラキシーによる死亡につながっている、と上記Textbookには記載されています。
アナフィラキシーへのエビネフリン投与の絶対禁忌はなく、アナフィラキシーの症状回復や救命は早期かつ十分なエピネフリン血中濃度、組織濃度にかかっている、、とも記載されています。だいじなんだ。
エピネフリンは、アナフィラキシーにとっては大変重要な薬のようです。


2009年10月23日金曜日

アナフィラキシーショック

胸部大動脈瘤のfollowで造影CTを撮影した中年男性。今まで造影剤のアレルギーは全くなかったようですが、今回は造影剤投与後およそ3分程で嘔気、呼吸苦出現し、肺野で連続性ラ音著明、血圧測定困難となりました。SpO2も測定困難でした。アナフィラキシーショックです。自分はその場には居なかったのですが、居合わせた放射線科医や循環器後期研修医が対応しました。救急の医師に教えてもらいつつ、ソルコーテフ iv、輸液、エピネフリン筋注、H1,H2 blocker、エピネフリン吸入、グルカゴン等を投与、代謝性アシドーシス著明(pH7.17)でメイロンも使用しました。
何とか、循環、呼吸状態は回復傾向を呈し、事なきを得ました。よかったです。

自分だったら、どうしていたかなと想像しました。
先日ACLS-EPコースを受講したのに、もうすっかり忘れています(苦笑)。

ACLS Resource Textのアナフィラキシーの項をちょっと読み返しました。
高濃度酸素を投与します。上気道閉塞や重度の気管支攣縮により著しい呼吸不全に陥ることに備え気管挿管の準備をしておきます。早めの挿管を心がけることが重要です。挿管困難になったらかなり厄介です
エピネフリンは、全身的な症状を認める場合は全例投与します。エピネフリンは皮下注では吸収が遅いので、筋注がベターです。0.3-0.5mg投与し、臨床的な改善が見られなければ15-20分毎に繰り返します。
致死的徴候を呈している場合は、エピネフリンは静注します。0.1mgを5分程で静注します。頻回に繰り返す必要がある場合は、1-4ug/minで持続投与するとよいかもしれません。
補液は大量に必要かもしれません。1-2Lの急速投与、場合により4Lの急速投与が必要となるかもしれません。肺水腫のモニターも必要です。
抗ヒスタミン剤をゆっくり静注か、筋注します。
H2Blockerを経口投与か、筋注あるいは静注します。
気管支攣縮が前景に出ている場合は、β刺激薬吸入も考慮します。
ステロイドも静注しますが、効果発現には4-6時間要します。

その他考慮できる薬剤としては、重症低血圧に対するバソプレッシン、徐脈に対するアトロピン、β遮断薬内服患者などエピネフリンの効果が不十分な場合にグルカゴン(1-2mg IM or IV 5分毎)。
当患者もβ遮断薬を内服していた患者であり、グルカゴンを使ったようです。

自分としては幸い心カテの時など含め、ひどいアナフィラキシーに遭遇したことはありませんが、いつ遭遇してもいいように、知識の確認をする必要があると再認識しました。復習、大事です。

2009年9月30日水曜日

つまらないことですが。

そうそう、急に思い出したことがあります。
先日受講したACLS-EPコースの「コースの概要」の中で高カリウム血症の話が出てきて、高カリウム時の心電図と、改善後の心電図がスライドで提示されました。AHAが作ったスライドのはずです。ただ、その改善後の12誘導心電図が左右肢誘導(上肢)付け間違いだったような気がします。EPコース受講される方は是非確認して下さいね!(笑)。

2009年9月24日木曜日

みんな仲良く。

ACLS-EPコースに関して、少々ネガティブなことも書いてしまいましたが、自分としては結構好きです(笑)。ただ、一度のコース参加だけでは知識に関する理解も、コースに関する理解もまだまだ浅いです。自習しても効率は良くないですし、限界もあります。

ということで、今後もスタッフ参加させて頂き継続して勉強していければいいな、と思い、EPコース終了直後にCDの先生に相談させて頂きました。

「自分はJCS-ITCのインストラクターですが、協会のEPコースにスタッフ参加させて頂くことは可能でしょうか?」

CDの先生は御丁寧に御返答されました。

「自分の一存では決められませんので、また後日メールで御連絡致しますね!」

なかなか微妙です(苦笑)。皆さん良い人ばかりですが、組織になると難しい問題があるのでしょうか。あるのでしょうね(苦笑)。僕はよく分かりませんが。

メールが来るのか、来ないのか、密かに楽しみです、いろいろな意味で(笑)。


2009年9月22日火曜日

EPコースのちょっと印象的だったこと

ACLS-EPコース中に行った1人法CPR/AED成人スキルテスト。50歳前後の年配のインストラクターの方に担当頂きました。
自分としては、インストラクターマニュアルの"重要な手技の解説"に遵守した標準的な手技を当たり前のように行いました。手技が終わった直後にそのインストラクターの先生にフィードバックを頂きました。

「まあ良かったですけど、AEDの安全確認の時に『私離れています、あなた離れています、皆さん離れています、、、』と言った方が良かったですね。」
(自分は、身振り手振りを交えつつ『皆さんはなれて下さい!』と言った)

フィードバックの一言を聞いただけでもある程度インストラクターのレベルが想像できます。ああ、この程度のインストラクターでもEPコースでインストラクションするのか、、、と思い、(心の中で)苦笑しました。表面的には素直にそのフィードバックをお受けしました。

そのインストラクタ−の先生はどうやらEPコースのインストをめざしており、今回はモニターのようでした。その後EPコースのステーションも担当していましたが、案の定惨憺たる出来でした。受講生の質問に答えられないのは仕方ないとして、それをはぐらかしたり、また受講生の意見を頭ごなしに否定したり、ちょっと態度が横柄だったり、もう一度CICを受けた方がいいかもーって思いました(笑)。他にはすばらしいインストラクターの先生もいらっしゃっただけに、ちょっと残念でした。
AHAインストラクターといっても、その質は様々ですし、EPコースのインストラクターといっても、様々みたいです。

2009年9月21日月曜日

EPコースで ACLS Provider更新


AHA ACLS-EPコースを修了すると、ACLS provider資格も更新になるみたいです。
自分はAHA ACLSインストラクターですので、provider資格は必要ないのですが、インストラクター資格更新の際にproviderカードがあればちょっとは楽ですので助かります。

アメリカではACLSprovider資格更新率が低いようで問題視されているとお聞きしました。日本も同様かもしれません。
日本ACLS協会は、更新率を上げるという目的もかねてEPコース開催を企てているようです。

ただ、今回のACLS-EPコース修了でACLS provider更新できるというのはかなり問題と思いました。ACLS-EPコース中に、下記の3つを行うことで、更新とされます。

・ACLS providerコースの筆記試験
・1人法CPR/AED 成人スキルテスト
・メガコードのシナリオを用いた”メガチャット”

”メガチャット”なるものは、マネキンを使用した実技ではなく、small group discussion形式で、インストラクターが、メガコードのシナリオを提示し、受講生がその都度すべき手技を口頭で答えるといった感じのものです。
知識と、技術・実践は異なるものですし、仮に知識があっても実際に出来なければ意味はありません。口頭で言えても、出来る保証はまるでありません。そもそも、口頭でも答えられない受講生もいらっしゃいました。
こんなdiscussionでACLS provider資格が得られるということは、AHAの本意ではないと思います。勿論、このことはACLS EPコースのインストラクターの先生方も問題視しているようです。様々なジレンマがあり、一筋縄では行かない背景もあるようですが、今後改善すべき事項と思われます。

2009年9月20日日曜日

AHA ACLS EPコース

かなりな二日酔いの中(笑)、本日日本ACLS協会主催のAHA ACLS-EPコースを受講しました。ACLS-EPコースとは、ACLS providerコースの上位コースに位置づけられており、①もし心停止の原因が分かっていれば蘇生の管理方法が変わるのでは?②もし心停止になりつつある状態を予測でき、その原因が分かれば未然に防げるのでは?という2つのコンセプトのもと、これらの転帰を改善させる方法を学ぶ、、とされています。
心不全やショックを伴ったSTEMIの対処や、NSTEMIの対処、電解質異常、低体温、致死的喘息、アナフィラキシー、中毒、溺水、妊婦のCPRなどを学びます。
自分の専門外の分野が多く、大変勉強になりました。結論としてはコースを受講して良かったです。コース開催にこぎつけた日本ACLS協会、インストラクターの先生方には感謝致します。御苦労も多いのではないかと推測致します。
ただ、一番良かったのは、このコース受講のために事前に自分でそれなりに勉強したことです。コース自体は、自分で勉強したことの確認程度のものかもしれません。はっきり言えば、たいしたコースではありません(笑)。事前の勉強で疑問に思ったことをいろいろと質問させて頂きましたが、大変丁寧に対応頂きましたが、解決したこと、しなかったこと、様々です。エビデンスなど乏しい事項が多いですから、やむをえないですね。
細かいことはまたアップしたいと思います。
お話する時間は残念ながらなかったのですが、Kim先生にもご挨拶することができました。よかったです。