2011年2月28日月曜日

教訓

知人が、タクシーでゲロを吐きました。

タクシーの運ちゃん曰く、いくら奇麗にしても匂いが残るし、商売にならない。  ごもっとも。

その間の業務の推定収入と、クリーニング代で、3-5万円を支払うのが相場だそうな。  へー。

まあ、気持ちは分かります。ゲロ、臭いもんね。

個人タクシーでした。尚更、商売あがったり。

警察も関与しましたが、警察も相場はそんなものですよーと教えてくれました。  そうなんだ。

ゲロ範囲も広くなく、更に一所懸命掃除して、ほぼ問題ない(と思われる)状態にしましたが、結局相場以下ではありますが、金銭お支払いし、全て決着。世の中、金です。

帰りのタクシー。個人タクシーでなく、某タクシー会社のタクシー。運ちゃんに聞いてみた。

タクシー会社所属のタクシーでは、車内で吐いても決して客に金銭を要求することはない、想定内のことだし、とのこと。へー。


本日の教訓。

飲み会後のタクシーは、個人タクシーでなく、タクシー会社のタクシーに乗りましょう。






タクシー業界にはゲロ保険って、ないのかな?
あって然るべきかなと思うけど。

2011年2月26日土曜日

勉強不足

除細動の際の、充電中の胸骨圧迫の話。

今更、AHA ACLS G2005プロバイダーマニュアル英語版を見ています(苦笑)。

P43

Chest compressions should ideally be interrupted only for ventilation (unless an advanced airway is placed), rhythm checks, and actual shock delivery.

日本語版の訳は以下の通り。

胸骨圧迫の中断は, 換気( 高度な気道確保器具が留置されている場合を除< ) , 心リズムチェックおよび実際のショック施行のときだけというのが理想的である。


"actual shock delivery"は、"通電する瞬間"というニュアンスと解釈できると思います。即ち、通電する瞬間のみ胸骨圧迫を中断するのが理想であり、充電中も(通電ぎりぎりまで)胸骨圧迫できたら最高だぜ、ということでしょう。

”実際のショック施行"と和訳されていますが、このニュアンスが伝わりにくいように思うのは私だけでしょうか。

G2005から、AHAは充電中の胸骨圧迫を(推奨はしないまでも)”理想”と表現していたんですね。今さらこんな明確な記載にきづいた自分は勉強不足きわまりない(笑)。

5サイクル

G2010になって、”少なくとも100回/分”の胸骨圧迫で、より速くなりました。”5サイクル”はG2005時代より時間的に当然短くなります。
AHAのBLSやACLSのアルゴリズムの図からは、”5サイクル"の記載が見当たらなくなり、"2分"の記載ばかり。もはや、"5サイクル"の概念がなくなったのかな?と思ったら、2010ハンドブックP3、P13、P78にはまだ"5サイクル"の記載がのこっていました。"about 2 minutes"の記載も残っていました。HandbookもスキャンしてPDF化していますから、文字検索ができます。つまらない検索にも役立ちます(笑)。

2011年2月19日土曜日

気分転換。

ちょっと気分を変えてみました。

2011年2月17日木曜日

ATPと喘息




また来た、安定したQRS幅の広い頻拍症。高齢男性。

粗動波らしきものが見えるような気もするし、変行伝導+心房粗動2:1伝導を強く疑いました。

まあ、でもVTも完全には否定できない。。。



みなさん、どうしましょう。





G2010頻拍アルゴリズムに沿って、ATPを考慮します。

心房粗動なら、ATP投与により、心室応答が低下し、鋸歯状波が明瞭に見えるようになります。
心室頻拍なら、多くの場合、ATP投与しても頻拍は不変です。


簡単に問診すると、気管支喘息の既往あり。吸入ステロイド等使用中。うーん。


しかし、大きな発作は30年出ていないとのことでATP使用可能と判断しました。



ATP10mg急速静注。心電図は全く変化なし。頑固だなあ。


ATP20mg急速静注。。。。。あれ、あれれ?? 


患者さんはみるみる息苦しそうな様相を呈し、咳き込み、喘鳴著明 !!

激しい喘息発作を生じてしまいました。がーん(汗)。


酸素投与し、気管支拡張薬吸入、ネオフィリン静注、ステロイド静注、、、、患者さんも冷や汗かいていましたが、こちらも冷や汗。。。

なんとか10数分後には喘息発作は軽減、落ち着きました。よかった。

肝心の頻拍発作は、、、

ATP投与直後、喘鳴著明となり激しくもだえて、記録していた心電図はノイズ著明で判別不能となってしまいましたが、モニター心電図でノイズの向こうに心室応答低下したことで明確になった鋸歯状波を、複数の人が確かに目撃。

やっぱり心房粗動でした。喘息治療もあり頻拍は絶好調に継続、、、すいません、、、。

その後心室応答コントロールをヘルベッサーで行いました。反応悪く、かなり頑固な頻拍でしたが、何とか病状改善に向かいました。





ACLS プロバイダーマニュアルには、「アデノシンは気管支攣縮を引き起こすおそれがあり、反応性気道疾患を有する患者への投与を避ける。」と記載されています。

喘息患者といっても程度は様々です。

個人的には、本当にアクティブな病勢の喘息患者や、重症な発作の既往のある患者でしたら投与はもちろん避けていましたが、そうでなければ投与してしまうことは少なくありませんでした。これまで喘息の著明な発作を誘発しまった経験はありませんでした。ちょっとぴゅーぴゅーいうくらいはありましたが。

今回もATP使用の必要性が、喘息誘発リスクを上回ると判断しての使用でしたが、判断がやや甘かったようです。
このような事態にも陥りうるとして学びが多い一件でした。喘息既往を有する患者さんにはやっぱりATP投与は慎重に考えましょう。


今回のケース、ATP使用しなければどうしていたか。

安定した幅の広い頻拍。心房粗動を最も疑うが、心室頻拍(VT)も完全には否定できない。VTの可能性も否定できないので、ジルチアゼム(ヘルベッサー)やベラパミル(ワソラン)はちょい使いづらい。β遮断薬も使いづらいし、そもそも喘息あるためダメです。
問診からは発症時期不明でしたので、リズムコントロールは塞栓症のリスクも否定できず避けたいところでした。G2010頻拍アルゴリズムのプロカインアミド、アミオダロンもちょい使いづらいし、電気的カルディオバージョンもやりづらい。
おまけに左室機能も中等度低下していました。

対処が難しい症例ですね。まさにExpert consultationです。

consultationされた循環器医は、12誘導心電図一枚から心房粗動と確信し、ジルチアゼムで心室応答コントロールが妥当なところでしょうか。経食道心エコーで左房血栓チェックして、カルディオバージョンもありでしょう。

QRS幅の広い頻拍へのATP投与

先日の安定したQRS幅の広い頻拍へのATP投与。

V1誘導です。





T波の頂点が2峰性になっています。心室→心房への逆行性伝導によるP波と思われます。

これが、ATP投与すると、房室(室房)伝導が断たれ、逆行性Pが無くなり、洞性Pが出現し、房室解離を呈します。
2拍目、7拍目のQRS直後のふくらみが洞性P波と推測されます。
QRS波自体は不変です。






興味深いですねー。

波形提供してくれたE先生に感謝感謝。

2011年2月16日水曜日

訂正

2010Handbook の Electrical Cardioversion Algorithm

やっぱり充電中も胸骨圧迫ですね。すいません。記事訂正しました。

ACLSコース翌日

週末ACLSコースを受講して頂いた受講生からメールあり。

ACLSコース受講翌日、救急外来にこんな患者さんが来ましたー! って。



キター!  The ACLS !(笑)。The G2010 ! (笑)   横向き波形すいません。

若年男性。単形性、QRS幅の広い頻拍。バイタル安定。

安定した頻拍。 ACLS providerの皆様、どうします?

以前の非発作時12誘導心電図と比し、軸は同じそうです。

変行伝導を伴ったPSVT?、右室流出路付近からのVT (RVOTVT)?、、、。難しいです。





いずれにしてもG2005なら、Expert consultation。

G2010的には、、、、、、、、、、Expert consultationも勿論良いですが、ATP考慮の選択肢があります。

その受講生、G2010に準じて、ATP投与したそうです。

10mg、20mg、20mg。 (AHA的には6mg,12mg,12mgだけど。)

頻拍波形は微動だにしなかったそうです。

ATP20mgを正しく投与して、変化なしなら、それは、VTである可能性がかなり高いです。

ACLS providerなら、次は抗不整脈薬を考慮、即ち、Procaineamideあるいは、Amiodaroneの選択肢はありますが、個人的には、同期下電気的カルディオバージョンが最も安全かと思います。勿論、expert consultationしてくださいね。



ここからは、大人の世界です(笑)。


expert consultation後の不整脈専門家の対処。

不整脈専門家でもPSVTか、VTか、確たる鑑別はつかなかったそうです。

PSVT、RVOTVT、いずれの可能性を考えて、ワソランIV。無効。(子供はまねしないように(笑))

ATP30mg、40mg IV。無効。(子供はまねしないように(笑))

次は、インデラルIV。(子供はまねしないように(笑)) これで止まったそうです。

でもその後再発し、アミオダロンIV。無効。

セデーションしたら止まったそうな。

VT stormの時のセデーションは極めて有効なことが多々あります。

結論は、RVOTVT。

早々にablationしたそうです。


ATP投与した時に、QRSは不変だったが、retrograde P (II誘導等で見えるQRSの後ろの上向きの波)が消失して、房室解離を呈したそうです。これもVTを示唆する有力な所見ですね。

いろいろ勉強になります。 専門家の対処、すごいです。

繰り返しになりますが、このような症例、非循環器医なら、ATP投与せずexpert consultationが最も安全でしょう。
ATP投与もありですが、無効なら、expert consultation、或いは、電気的カルディオバージョンをお勧め致します。

2011年2月15日火曜日

ACLS G2010 暫定コース

AHA ACLS G2010暫定コースの話。

点滴や薬、挿管、、、みんな大事ですが、命を救う最も重要なものは質の高いCPRとVFに対する早期除細動。

その最重要な手技の質を上げるべく、これまでのコース以上に強調しました。

例えば、G2005から言われていた、最後の胸骨圧迫から除細動までの時間を極力短く、5秒以内にする こと。

実際はコース中に達成できていないことが多かったように思います。

今回は、これを達成すべく各インストが頑張ってくれました。

受講生の意識も上がり、充電中も胸骨圧迫を行う場面も普通に見られるようになりました。

それは危険、、、という意見も当然あります。今回のミーティングでもそのような主張をするインストラクターもいらっしゃいました。大事な意見と思います。
しかし、練習を繰り返すことで、許容範囲内のリスクで十分に施行可能と思いました。
今回のコースの最後のメガコードでは、各stationでかなり高率に5秒以内のショックを安全に達成できていました。


AHAガイドラインでは、充電中の胸骨圧迫は特に推奨してはいないと思います。ハンドブックにはそれらしきことは書かれていますが。

ERCのガイドラインでは、充電中の胸骨圧迫を推奨しています。

• Much greater emphasis on minimising the duration of the preshock and post-shock pauses; the continuation of compressions
during charging of the defibrillator is recommended.
• Emphasis on resumption of chest compressions following defibrillation;in combination with continuation of compressions
during defibrillator charging, the delivery of defibrillation should be achievable with an interruption in chest compressions of no more than 5 s.

それに伴う救助者の危険は大変小さく、手袋をしているとより安全。焦点は、ショック前のポーズを最小限にするために迅速な安全確認をすることにある。

• The safety of the rescuer remains paramount, but there is recognition in these guidelines that the risk of harm to a rescuer from a defibrillator is very small, particularly if the rescuer is wearing gloves. The focus is now on a rapid safety check to minimise the pre-shock pause.

感動

かん‐どう【感動】
[名](スル)ある物事に深い感銘を受けて強く心を動かされること。「深い―を覚える」「名曲に―する」


先日のBLS for HCP

受講生(循環器医)のアンケート。看護師インストラクターへの言葉。

「 丁寧な対応で感動しました。ありがとうございました 」


” 感動 "とまで言わせられるインストラクターはなかなかいません。素晴らしいです。

感動させるインストラクション。それを生み出すものは、なんでしょう。 

本当に質の高いBLSが必要なんだ!!!!!!!!という、熱意かな。

G2010 胸骨圧迫

AHA BLS for HCP G2010暫定コースで感じたこと。

胸骨圧迫の重要性が更に強調され、強く!速く!少なくとも100回/分、少なくとも5cm! と強調しまくると、確かに、強く、速くなります。しかし、140-150回/分程の猛スピード胸骨圧迫が散見されるようになりました(苦笑)。さすがにリコイルが甘くなります。リコイルの評価は結構難しいのですが、30回の圧迫を終了し、人工呼吸に移行すべく手を胸壁から完全に離した瞬間に、今までのリコイルが完全だったか、不完全だったか、が分かり易いと思います。注目の瞬間です。

強く速くと同じように、完全なるリコイル!も強調せねばいけないことを痛感しました。完全なリコイルを意識し、実践すれば、自ずとスピードは下がってきます。完全なリコイルを達成できる範囲で速く! という感じで、概ね110-120/分くらいに落ち着く人が多そうです。

ただし、マネキンでの話です。リコイルの特性はマネキンと実際の人間では異なります。最適なスピードは110-120/分くらい、、とは言い切れません。
実際の人間で、完全にリコイルかつ速い胸骨圧迫がどの程度のスピードになるか。単に人間といっても個人個人で当然異なってくるでしょう。体格や年齢、骨のしなやかさ、、、、。また、同じ人間でも経過中に肋骨が折れたりすると、リコイルの特性は変わってきます。

CoSTRでは上限は不明としていますが、ERCやARCは胸骨圧迫の速さの上限を120回/分と一応言及しています。確かに、そんな印象をもちますし、反対はしませんが、120という数字が一人歩きして、最善のテンポは120/分と誤った認識をもつようになったりすると、あまりよろしくないとも思っています。

常に、完全なリコイルを意識しつつの強く(少なくとも5cm)、速く(少なくとも100回/分)の胸骨圧迫。最適な速さは傷病者によって異なると思います。
そんなことをうまく伝えられればよいなと思いました。

ちなみに、ERCは胸骨圧迫の深さの上限も6cmとしています。5cmとか、6cmとか、測れないよなあ。

2011年2月14日月曜日

ほっと一息。

先週末の3連休は、金はBLS-R、BLS、土日はACLSの計3コース開催でした。

総受講生数約60人。多くの方が受講してくれました。

当施設初のG2010暫定コースのこともあり、参加インスト、スタッフも多く、盛況なコースとなりました。

それぞれの立場の方が、それぞれの学びを得て、それぞれに充実した時間を過ごしました。本当に良い3日間だったと思います。

そんな場をセッティングできて、自分としても本当に嬉しく思いました。苦労が報われます。

御参加頂いた方々、御協力頂いた方々、本当に有り難うございました。

4日連続で飲み会してしまったのが、反省点です。いつもお酒が反省点(笑)。

でも飲み会も充実してました。熱き思い熱き語りあり、熱き出会いあり、寝げろあり、携帯紛失あり、電車寝過ごしあり、、、(笑)。

まあ、半分以上覚えていませんが(笑)。

G2010暫定コースの内容に関しては、また改めて記事にしようかと思います。結論は、結構良い! という感じでした。

今日は早く寝ます。

2011年2月8日火曜日

2010Handbook の Electrical Cardioversion Algorithm

今週末は自施設でのAHA ACLS G2010暫定コースを予定しています。遅ればせながら(笑)、先日2010Handbook of Emergency Cadiovascular Care for HCPを購入し、更に遅ればせながら(笑)、パラパラと見ております。へえ。ちょっときづいたこと。

P13 Electrical Cardioversion Algorithm。

除細動の時のパドルの押しつけが、"about 15-25pounds" になっています。約6.8-11kgということですね。ACLS resource Text P41には" at least 25 pounds"と記載されています。
まあ、6.8kgも、11kgも、感覚的によくわからんからどうでもよいかもしれませんが(笑)、なぜ変わったんでしょう。なにか、推奨が変わる根拠でもあったのかな? 12kgで押し付けて肋骨が折れたとか(笑)。

もう1点。同ページ。

パドルもしくはパッドを付けて、充電ボタンを押し、充電完了した(fully charged) とき、安全確認の言葉を発します。「3つ数えてショックします、、、皆さん離れて、、」などと言う訳ですが、注目すべきは、" Chest compressions should continue until this anouncement."という記載。
フル充電後安全確認の言葉を発するまでは胸骨圧迫継続すべき、、、つまり充電中は胸骨圧迫せよ、、と解釈できます。2005まではこんな記載はなかったように思います(10秒以上充電がかかる旧式除細動器の時の対応の記載はありましたが)。。うん、うん、納得です。最終胸骨圧迫から通電まで5秒以内を目指さないといけませんものね。コースでも、現場でも、これが達成できていることは大変少ないですものね。
個人的には、やっぱりこの方法がよいと思っています。

2/16再訂正しました。やっぱり充電中も胸骨圧迫ですね。

2011年2月5日土曜日

窒息と院内AED

心不全で入院中の高齢者。病状は改善傾向で退院間近。大部屋。ADLはベッドサイドへの移動がやっとできるか、できないか、くらいの方。食事はベッドをギャッジアップして自分で食べます。
ある日の夕食中。同室の他患者への用事で看護師が訪室すると、向かいのベッドでぐったりと斜めにもたれかかっている患者を発見。ベッドのテーブルには夕食があり、口の周りや、ベッドサイドには食べ物が付着、散乱していたとのこと。
反応に呼びかけなく、看護師は緊急ナースコールボタンで緊急要請。
看護師は、一見して窒息と思ったとのこと。頚動脈は触知
したとのことで、ベッドを平らにして、口腔内を除いたところ食物があったのでそれをかきだした。心電図モニター(ベッドサイドではなく、ナースステーションで見れる)がもともと装着されていた方で、ナースステーションでモニターを確認した他看護師、研修医らがやってきて、「徐脈傾向」との情報。早々に持参されたAEDを装着。AEDのモニター(モニター付きAED)で更に徐脈傾向になっており、相変わらず反応はなく、そして再度脈拍触知を試みたところ触れなさそう、ということで、その時点でCPR開始。AEDの解析が始まると、当然胸骨圧迫中断。ショック適応なし。CPR再開。その後、ACLS、気管挿管等も施行し自己心拍再開はしました。

看護師・研修医の皆さん、懸命な心肺蘇生行為をしてくれました。迅速な対処で感謝です。
しかし、何事も振り返りが重要です。

重症心疾患を有する高齢者ですので色々な可能性があり、病態を断定することは難しいですが、仮に窒息とした場合。後から見直してみると、窒息で意識消失しているのであれば、視認できる口腔内食物を書き出した後(たとえ脈拍触知できていても)すぐさま胸骨圧迫開始となるのでしょう。
初めに脈拍触知はできたそうですが(この判断も難しいですよね)、どこかの段階でPEAに移行したと思われます。この移行の判断は大変難しいと思われます。だからこそ、窒息で意識消失した場合は(異物排出の期待とともに)いつでも移行しうる心停止に備え胸骨圧迫を開始することが望ましい、ということが良く理解できます。
心肺停止と判断していない段階からAEDを装着してしまうことは推奨できることではありません。心電図波形を見たかったそうです。心停止の判断は心電図モニターではなく、身体所見による、ということは皆、頭では分かっているはずですが、とっさの危機的現場では発揮できないことが良く有ります。
ナースステーションで確認した心電図波形はVT,VFでなく、かつ臨床状況として窒息が疑わしい。このような患者が、仮に心停止であってもAEDを装着することは、胸骨圧迫中断の助長につながります。可能ならばマニュアル式除細動器の装着がベターです。まさにこの文献に示されていることにつながりそうです
AEDの使用を考慮したときに、良く病態を考えて装着するか否かを判断せよ、、、と看護師には指導することは難しいでしょう(苦笑)。院内AEDの使い方についてはなかなか一筋縄にはいきません。

まあ、後からならなんとでも言えます。すいません。
難しい問題はあるものの、このような経験が成長の糧になります。

2011年2月4日金曜日

週刊現代

週刊現代、オヤジ系の週刊誌ですが(笑)、2/12号に、今ノリノリの慈恵医大病院の特集記事。手術数日本一の病院だそうです。





血管外科大木隆生教授、脳神経外科村山雄一教授など、若きリーダーらの活躍ぶりが書かれています。確かにかっこいい。
新しいデバイスの開発などクリエイティブな面でも2人は共通しています。
そんな記事の何気ない言葉。
村山教授が、手術に見学に来た学生に向けた言葉。

「手術を覚えるのではなく、これよりもっといい方法はないかと考えながら見て」

これ大事なことです。
与えられたもの、今行われていること、常識と思われていること、、、これが当たり前、これが正しい、これが最高と思ってはいけない。
もっとよいものは無いか。常に、現状に満足しない姿勢を貫くことで、クリエイティブな姿勢が養われてゆくのでしょう。


心肺蘇生法もそう。今のガイドラインが最高というわけではない。もっと良い方法はないか、よいアルゴリズムはないか。
心肺蘇生教育もそう。AHAが最高というわけではない。
AHAコースではレッスンマップに従うけれど、もっと良い方法は。もっとよいシステムは。

子供の教育も。
先生の言う事を何も考えずに素直に聞く子供。良い子ですね。
しかし、それは本当か?、先生が常に正しいとは限らない、、、と常に疑いを持つ事も大事です。
そのような子供は、延びる子でしょう。

私は、、、何の疑問も持たずに素直に生きてきましたから、平々凡々になってしまいました(笑)。

2011年2月2日水曜日

Galaxy Tab

自分で書籍を裁断しScanしてPDF化した、いわゆる自炊書籍は500冊は軽く越えています、たぶん。
ScanSnapも裁断機も、自宅と職場に各々1台ずつありますから(笑)!

自炊書籍含めたPDF類は、これまではMacBook Airや、自宅ではMacBook Proで読んでいましたが、もっと気軽に読みたい、出先でバッテリーも気にせず気軽に読めると便利と思っていて、良き電子書籍リーダーを模索していました。iPhoneは愛用していますが、書籍を読むには小さすぎます。iPadも大変魅力的で購入も考えましたが、サイズ的に大きいのはよいですが、その分ちょい重い。。。。
そんな中、先日、ほぼ衝動買いに近い形で、Galaxy Tabを購入してしまいました!





Docomoのpocket WiFiとセット販売で9000円くらいでしたから、まあまあお得。それまで愛用していたEMobileのUSB型データカードは解約しました。Docomoの策略にはまり(笑)、さらばEMobile !
さて、Galaxy Tab、結構良いですね。大きさは、iPhoneとiPadの中間くらい。片手で持って操作可能。コートのポケットにもぎりぎり入るくらいの大きさ。画面はiPhoneよりは遥かに大きくて、遥かに見易い。
大きすぎず、小さすぎず、絶妙のバランスかなと思います。画面の操作性はiPhoneのスムースさには及ばないものの、それに近いくらいの質は保てています。ストレスは殆どありません。Samsungなかなかやります。日本メーカーを越えているかも。
まだまだ使い込んでいないですが、今のところまずまずの使い心地です。500冊以上の自炊書籍がポケットの中です(笑)。


唯一困っていることは、自炊のPDFファイルによっては、うまく読めないものがあること。これは困る。。。。読んでいたらエラーが出てしまう。


ご機嫌に読もうとすると、、




A system error was encountered...なるメッセージ。。。。




肝心の(笑)ACLSプロバイダーマニュアルやBLSプロバイダーマニュアルを開いていると、頻繁にエラーがでて読めなくなります。原因は、よくわかりません。ズームアップするとエラーになり易い。ファイルのサイズによるのかな??だれか情報あれば教えて下さい。PDF Viewerを色々試してみて、克服できるとよいと思っていますが。今のところベターなViewerは、普通のAdobe Readerですが、エラーは出てしまいます。