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2013年6月30日日曜日

CPR Quality 2: CCF>80%

CPR Qualityに関するAHA Consensus Statementについてです。

CCFとはChest Compression Fractionの略です。心停止時間のうち、胸骨圧迫がなされていた時間の割合です。心停止時間の定義は、心停止が初めて同定されてから自己心拍再開を達成できるまでの時間です。「中断を最小限」という概念はG2010から全くかわりませんが、「CCFを80%以上にしましょう」と新たな具体的数値を提示しています。CCF低値は、ROSC率低下や生存退院率低下と関連しています。

ただ、通常CPR中はCCFの数値を具体的に把握出来るわけではありませんので、終了後振り返ってみて数値の評価をするということになるのでしょう。CPR中は「胸骨圧迫中断は最小限」をひたすら実践することになります。

CCFを上げるためにCPR中に気をつけることは、主に以下のような項目が挙げられています。

1. チームワーク
ピットクルーのようなチームワークと、チームリーダーを中心としたクリアーなコミュニケーションが必要です。ちなみに、胸骨圧迫交代の際には、適切なコミュニケーションと準備にて3秒以内を達成できると書いてあります。

2. 気道確保時の中断を最小限にする
気管挿管の際にはしばしば胸骨圧迫が長時間中断されうることを忘れてはいけない。声門上デバイスは利用しうるが、気管挿管に比しアウトカムが悪化したとのデータもあります。BVMで適切に換気できていれば、高度な気道確保は「全く」必要ない、かもしれない、、、だそうで、「not….at all」になっています。熟練したプロバイダーが気管挿管するときは、なら、まずは胸骨圧迫を継続しながら喉頭鏡を使用し挿管してみましょう。中断が余儀なくされるなら、10秒以内を目指しましょう。

3. 不必要な脈拍触知を避ける
脈拍触知は、胸骨圧迫中断が長くなるし、そもそも精度が低いスキルです。動脈ラインやcapnography等によるモニタリングで脈拍触知の機会を減らすことができます。

4. ショック(除細動)前の中断を最小限にする
ショック直前には、胸骨圧迫の中断が長くなりがちです。プロバイダーの安全を考える必要があるからです。この中断を最小限にすることでアウトカムが改善しますので、この短縮は大変重要なことです。9秒くらい短くしましょう、、という数値が記載されています。。。。。が、9秒って長くないですか(笑)?もっと短縮できるといいですね。該当文献読んでいませんが、読んでみたいです。。。
パドルではなく、パッドを使えば、充電中も胸骨圧迫を継続しやすいので、これを推奨しています。その他、胸骨圧迫による心電図ノイズを軽減する機器などの新しいテクノロジーも役立ちそうです。
ショック後に胸骨圧迫をすぐに再開することも重要です。Stacked shock(立て続けのショック)をせずに、ショック後1-2分のCPRをした後にリズム解析を行う方法にしたところCCFが48%から69%まで増加し、生存率向上に関連したとのデータがあるそうです。このような具体的なデータを出すと説得力ありますね。


まあ、G2010と比し、目新しいところは、あまりない(笑)ですが、より具体的な表現になって来ており、その重要性が感じられますし、「実践」の指標になります。

2011年2月26日土曜日

勉強不足

除細動の際の、充電中の胸骨圧迫の話。

今更、AHA ACLS G2005プロバイダーマニュアル英語版を見ています(苦笑)。

P43

Chest compressions should ideally be interrupted only for ventilation (unless an advanced airway is placed), rhythm checks, and actual shock delivery.

日本語版の訳は以下の通り。

胸骨圧迫の中断は, 換気( 高度な気道確保器具が留置されている場合を除< ) , 心リズムチェックおよび実際のショック施行のときだけというのが理想的である。


"actual shock delivery"は、"通電する瞬間"というニュアンスと解釈できると思います。即ち、通電する瞬間のみ胸骨圧迫を中断するのが理想であり、充電中も(通電ぎりぎりまで)胸骨圧迫できたら最高だぜ、ということでしょう。

”実際のショック施行"と和訳されていますが、このニュアンスが伝わりにくいように思うのは私だけでしょうか。

G2005から、AHAは充電中の胸骨圧迫を(推奨はしないまでも)”理想”と表現していたんですね。今さらこんな明確な記載にきづいた自分は勉強不足きわまりない(笑)。

2011年2月16日水曜日

訂正

2010Handbook の Electrical Cardioversion Algorithm

やっぱり充電中も胸骨圧迫ですね。すいません。記事訂正しました。

2011年2月8日火曜日

2010Handbook の Electrical Cardioversion Algorithm

今週末は自施設でのAHA ACLS G2010暫定コースを予定しています。遅ればせながら(笑)、先日2010Handbook of Emergency Cadiovascular Care for HCPを購入し、更に遅ればせながら(笑)、パラパラと見ております。へえ。ちょっときづいたこと。

P13 Electrical Cardioversion Algorithm。

除細動の時のパドルの押しつけが、"about 15-25pounds" になっています。約6.8-11kgということですね。ACLS resource Text P41には" at least 25 pounds"と記載されています。
まあ、6.8kgも、11kgも、感覚的によくわからんからどうでもよいかもしれませんが(笑)、なぜ変わったんでしょう。なにか、推奨が変わる根拠でもあったのかな? 12kgで押し付けて肋骨が折れたとか(笑)。

もう1点。同ページ。

パドルもしくはパッドを付けて、充電ボタンを押し、充電完了した(fully charged) とき、安全確認の言葉を発します。「3つ数えてショックします、、、皆さん離れて、、」などと言う訳ですが、注目すべきは、" Chest compressions should continue until this anouncement."という記載。
フル充電後安全確認の言葉を発するまでは胸骨圧迫継続すべき、、、つまり充電中は胸骨圧迫せよ、、と解釈できます。2005まではこんな記載はなかったように思います(10秒以上充電がかかる旧式除細動器の時の対応の記載はありましたが)。。うん、うん、納得です。最終胸骨圧迫から通電まで5秒以内を目指さないといけませんものね。コースでも、現場でも、これが達成できていることは大変少ないですものね。
個人的には、やっぱりこの方法がよいと思っています。

2/16再訂正しました。やっぱり充電中も胸骨圧迫ですね。

2011年2月5日土曜日

窒息と院内AED

心不全で入院中の高齢者。病状は改善傾向で退院間近。大部屋。ADLはベッドサイドへの移動がやっとできるか、できないか、くらいの方。食事はベッドをギャッジアップして自分で食べます。
ある日の夕食中。同室の他患者への用事で看護師が訪室すると、向かいのベッドでぐったりと斜めにもたれかかっている患者を発見。ベッドのテーブルには夕食があり、口の周りや、ベッドサイドには食べ物が付着、散乱していたとのこと。
反応に呼びかけなく、看護師は緊急ナースコールボタンで緊急要請。
看護師は、一見して窒息と思ったとのこと。頚動脈は触知
したとのことで、ベッドを平らにして、口腔内を除いたところ食物があったのでそれをかきだした。心電図モニター(ベッドサイドではなく、ナースステーションで見れる)がもともと装着されていた方で、ナースステーションでモニターを確認した他看護師、研修医らがやってきて、「徐脈傾向」との情報。早々に持参されたAEDを装着。AEDのモニター(モニター付きAED)で更に徐脈傾向になっており、相変わらず反応はなく、そして再度脈拍触知を試みたところ触れなさそう、ということで、その時点でCPR開始。AEDの解析が始まると、当然胸骨圧迫中断。ショック適応なし。CPR再開。その後、ACLS、気管挿管等も施行し自己心拍再開はしました。

看護師・研修医の皆さん、懸命な心肺蘇生行為をしてくれました。迅速な対処で感謝です。
しかし、何事も振り返りが重要です。

重症心疾患を有する高齢者ですので色々な可能性があり、病態を断定することは難しいですが、仮に窒息とした場合。後から見直してみると、窒息で意識消失しているのであれば、視認できる口腔内食物を書き出した後(たとえ脈拍触知できていても)すぐさま胸骨圧迫開始となるのでしょう。
初めに脈拍触知はできたそうですが(この判断も難しいですよね)、どこかの段階でPEAに移行したと思われます。この移行の判断は大変難しいと思われます。だからこそ、窒息で意識消失した場合は(異物排出の期待とともに)いつでも移行しうる心停止に備え胸骨圧迫を開始することが望ましい、ということが良く理解できます。
心肺停止と判断していない段階からAEDを装着してしまうことは推奨できることではありません。心電図波形を見たかったそうです。心停止の判断は心電図モニターではなく、身体所見による、ということは皆、頭では分かっているはずですが、とっさの危機的現場では発揮できないことが良く有ります。
ナースステーションで確認した心電図波形はVT,VFでなく、かつ臨床状況として窒息が疑わしい。このような患者が、仮に心停止であってもAEDを装着することは、胸骨圧迫中断の助長につながります。可能ならばマニュアル式除細動器の装着がベターです。まさにこの文献に示されていることにつながりそうです
AEDの使用を考慮したときに、良く病態を考えて装着するか否かを判断せよ、、、と看護師には指導することは難しいでしょう(苦笑)。院内AEDの使い方についてはなかなか一筋縄にはいきません。

まあ、後からならなんとでも言えます。すいません。
難しい問題はあるものの、このような経験が成長の糧になります。

2010年12月29日水曜日

院内AED

Automated External Defibrillators and Survival After In-Hospital Cardiac Arrest

1ヶ月以上前の論文です。まあ、一言で言えば、院内でのAED使用の有効性は見いだせなかった、という趣旨です。心肺蘇生に携わる者にとっては、なかなかimpressiveです。
Kim先生が詳細に解説してくれています(ありがとうございます。勉強になります)。こちらをどうぞ→  

心肺蘇生教育に携わっている優秀な中堅看護師さんが、この論文を読んだらしく、院内教育でAED教えているのに、、困惑してしまいますとの御意見を最近頂きました。
院内でのAED使用は”有害である”などとネット上で過激な言葉で紹介されたりもしていましたが、それは言い過ぎでしょう。手動式除細動器よりは劣っている可能性が示唆された、くらいにしておいて欲しいものです。
この研究はRCTではありませんし、数々の限界はありますので、決定的なことは言えませんが、大きなRegistry(NRCPR)のデータだけに、やはり無視はできないことも事実です。

院内心停止は、院外心停止と異なり、PEA、Asystoleの割合が多いことが特徴的です。このNRCPRではPEA/Asys80%、VT/VF20%ほどです(院外心停止ですとVT/VFは45-71%ほど)。ちなみに、NRCPRよりnの桁が2つくらい少ないですが、日本の院内心停止のレジストリーでも、PEA/Asys70%、VT/VF30%とPEA/Asysが多いです。
病院の主要科や規模、急性期病院か否か等によっても大きく異なってくるでしょうが、全体としては、院内心停止は、院外心停止とは明らかに質が異なります。基礎疾患を有している人や全身状態が悪い人が多い(病院だからあたりまえ)ことが影響していると推測されます。PEA、Asystoleですと当然ショック適応なしですから、AEDを使用すると、パッドを貼って、解析する時間の分、胸骨圧迫時間・回数が少なくなるわけで、これがAED使用の蘇生率悪化に影響を与えている因子の1つとなっていると推測されるわけです。

この論文は、AEDの限界を示唆する一方で、胸骨圧迫の重要性の更なる裏付けとなりうるものではないかと思います。やっぱり、絶え間ない胸骨圧迫が極めて重要だ、と。胸骨圧迫の重要性を示唆する論文と考えれば、心肺蘇生教育の場でも、べつに困惑することもないでしょう。

解析中、充電中も胸骨圧迫継続が可能なAEDが開発されれば、このAEDの限界を打破できるかもしれません。
こんなこともありましたし、この記事の最後の論文の"Hands-On Defibrillation"のように、手袋して胸骨圧迫すればショック中も感電しないので、充電〜ショック中も胸骨圧迫継続可能になることも有り得る?(笑)

現状の院内においては、訓練された医療従事者(現状の日本なら訓練された医師のみでしょう)であれば、AEDではなく、手動式除細動器を使用すべきと考えざるを得ないでしょうから、心肺蘇生教育の場では、受講生のレベル次第で、その旨お伝えすることになろうかと思います。AED使用の際には迅速、かつHigh Quality CPRもお願いしますね!っと念を押すことも重要でしょう。


今後この論文が、ガイドラインやプロバイダーマニュアル等に反映されてくる可能性もありますよね。。。どうなのかな。

上の論文を読んだ看護師さんは、近い将来日本版ナースプラクティショナーの先駆けとなる辣腕看護師養成の大学院に通いスキルアップに励んでいる方です。だから、英語の論文も読むわけです(ぱちぱち)。ナースであっても、訓練されていれば手動式除細動を施行可能になりえるか。そんな可能性を支持しうる論文かもしれません。その看護師さんの研鑽のモチベーションにもなりえるかな。

2010年6月8日火曜日

手動式除細動器の安全確認

心室細動に対して手動式除細動器で除細動する場合、安全確認をします。一般的によく行われている方法として「私離れています、あなた離れています、皆離れています!」と叫んで、放電、が挙げられます。AHA ACLSプロバイダーマニュアルには、この「警告の合図」の一連の作業は5秒以内に終えるべきと書いてはありますが、実際は5秒を超えてしまう場面も多々目にします。
除細動の成功率を上げるために、最後の胸骨圧迫から放電するまで、5秒以内にする、との推奨がなかなか守れないのが現状と思います。

最近、心室細動への手動式除細動器を用いて除細動する際に、自分が実践している方法はこんな感じです。
「胸骨圧迫以外の人は皆離れて下さい!」と警告し、離れていることを確認します。胸骨圧迫はまだ継続しています。パドルを当てて、充電します。充電完了したところで、「胸骨圧迫離れて下さい!」と言います。胸骨圧迫が離れた途端に放電します。そしてすぐに胸骨圧迫再開してもらいます。これですと、最後の胸骨圧迫から放電するまで2秒以内、Handsoff timeは3秒程度も余裕です。もっと短くすることも可能です。もちろん、パッドを使えばよりやり易いです。

安全性も含め、実際の現場で行っても何の支障もないので、先日ACLSコースでそのように教えてみました。皆さん、いとも容易に上記くらいのtimeを打ち出せますし、やっぱり安全性も問題ないように思います。

今のところ、この方法を続けようと思っています。

2010年4月18日日曜日

昨日のTCP

中年男性。気分不良を主訴に近医診療所を独歩受診、脈拍が20bpmくらいしかなく、対応した先生が驚愕して、当院に慌てて転送してきてくれました。




完全房室ブロックで、補充調律が20-30bpm程と結構遅いです。血圧は110/くらいあり。つらそうではありますが、意識は清明です。著明なST変化は認めず、少なくともSTEMIはなさそう。直ぐに施行したちょい当て心エコーでも左室壁運動異常は認めませんでした。
症候性徐脈で、しかも完全房室ブロックであり、とりあえずTCPということで、新人後期研修医の先生にやって頂きました。パッドは、いわゆる除細動時と同じ位置に貼りました。とりあえず鎮静鎮痛せずに、出力を上げていったところ、50mAくらいまでは、「大丈夫です」。80mAくらいから、「結構来てます!」、100mA超えると、「先生、痛いです!」、140mAでようやくcaptureしたのですが、もはや「耐えられません!!!!」。
やむを得ず、TCPをoffとして、いつでも再開できるようなstand-by状態にしました。鎮静鎮痛剤を使用してTCPを再作動させることも考えましたが、その血行動態、呼吸状態への悪影響もちょっと心配だし、症候性徐脈といえど、最低限の循環動態を何とか保った状態だし、直ぐに経静脈ペーシングを入れる準備もできたこともあり、そのままHR20bpmの状態で早々にカテ室搬入としました。速やかに経静脈ペーシングを挿入して、一安心となりました。
ついでにCAGもしてしまいましたが、冠動脈に有意狭窄はなく、その他薬剤や電解質異常はど可逆的原因は明らかではありませんでした。恒久的ペースメーカーが必要そうです。

TCPの使用について、ACLSプロバイダーマニュアルには、「大部分の覚醒患者にはペーシング前に鎮痛薬を投与すべきである」「鎮痛薬を投与する必要がある」などと、よほど状態が悪い場合を除き、原則鎮痛薬を使用することを推奨しています。ACLSコースでもそのように指導しています。

ACLSコースと、現場での対応に乖離がないように、教育しつつ、自分でもそのような行動を心がけています。

しかし、その一方で、今回のような現場での対応。
後期研修医のon the job trainingの良い場面でありながら、循環器医としての、”まあ大丈夫でしょ。”の気持ちから、スタンダードな、ACLSプロバイダーに推奨されるような対応をしていない場面をお見せしてしまったことに、自分自身の矛盾さを感じました。
真似をされると、あまりよくないことでしょう。

循環器医とそうでない者で対応が異なってくることは当然のことではありますが、非循環器医や若い先生達に標準的な対応をして頂きたいと考えるのであるならば、自分が行って見せなければいけません。
そういえば以前も似たような記事かいていたみたい(笑)。反省不足(苦笑)。

2010年3月7日日曜日

Implantable Loop Recorder



原因不明の失神患者のための検査機器に、植え込み型ループ心電レコーダー(Impantable Loop Recorder: ILR)なるものがあります。日本でも最近使用可能になったとのことで、今回の日本循環器学会でも話題に挙げていたセッションがいくつかありました。
60mmx20mmx8mm程度の小型機器を、小手術にて胸部皮下に植え込み心電図を記録します。何らかの一過性不整脈が疑われるが、出現頻度が多くなく、証拠となる心電図が得られない、というようなケースに役立ちます。電池は3年もつそうです。

何らかの不整脈が疑われる患者が対象になりますから、植え込んだ患者が不幸にもVT,VFになるようなことも当然あり得ます。
電気的除細動が必要になった場合の注意点は、基本的にはペースメーカーの場合と同様なのでしょう。
添付文書には、「除細動を行う場合は、本品の真上または本品を挟むように除細動パドルを置かないこと。除細動を行うと、組織損傷、機器のリセット、または保存データの消失が起こる可能性がある。除細動後には機器の既往を確認すること。」と記載があります。
普及してきたら、BLSやACLSコースの時に受講生から質問されるかもしれませんね。
ちなみに植え込みの推奨位置は、左鎖骨中線、胸骨左縁、第一肋間、第四肋骨で囲まれたエリアだそうです。

2010年2月10日水曜日

TCPの電気的捕捉

症候性徐脈患者にTCPを装着し、出力を上げて、心電図上電気的捕捉を認めたものの、脈拍が触れない場合どうするか。
ACLSリソーステキストP122には、「心室の脱分極を伴う電気的捕捉に有効な心拍出量が伴わないことがあり、、、、、TCP開始から1-2分で起こることが多い」と記載されています。
「電気的捕捉に必要以上にペーシング出力を上げていくと血行動態的に有効な機械的捕捉に至る可能性がある」んだそうで、認識を新たにしました。英語では一度読んだはずなんですが(笑)。。。まだまだ読み込みが足りません。
非心停止状態なら出力を上げつつ、アトロピンや、ドーパミン、アドレナリンの使用を考慮する、そして頚静脈ペーシングの準備を急ぐ、といった感じでしょうか。

「電気的捕捉を伴うペーシングで触知可能な脈拍を維持できない時は、つねに胸骨圧迫を行う」とも書いてあります。心停止(PEA)に至ればこれは大変重要なことですね。

2009年12月23日水曜日

EDGEクイックコンボRTS小児用

小児用パッドの話で、ついでにもう一つ。
メドトロニック社製の「EDGEクイックコンボRTS小児用」という小児用パッドがあるそうです。



この電極は単に表面積が小さいだけで、減衰器が入っておらず、除細動器が出力したエネルギーはそのまま傷病者に伝わります。従ってこの電極を使えば成人であっても通常エネルギー量の通電が可能です。しかし、電極面積が小さいため電流の集中が起こりやすく、熱傷の危険性が高くなります。
メドトロニックの担当の方に教えて頂きました。

AED小児用パッド

AHA BLS for HCPでのAED、小児用パッドの話です。
プロバイダマニュアルには、"8歳以上の傷病者に小児用ショックエネルギー量を与えないように注意しなければならない”とか、”8歳以上の傷病者には必ず成人用パッドを使用する”などと記載されています。

コース中「なぜ成人に小児用パッドを使用してはいけないのか?」という質問がありました。

あまり深く考えていませんでしたが、なぜなんでしょうね。

BLSプロバイダーマニュアルには、"低エネルギー量のショックでは効果がない可能性があるから”と記載されています。小児用パッドを使用することで、一般的には放電されるエネルギー量は1/3-1/4程に減るとのことです(メドトロニックのLIFEPAKは1/4になるそうで、即ち200Jなら50J、360Jなら90Jです。フィリップスのFR2も50Jになるそうです)。
成人にAEDを使用する際に小児用パッドを装着するデメリットは、
・VFに対し二相性50Jの通電では除細動されない可能性がある(無駄なショック)
・不成功に終わるかもしれないショックの為に、胸骨圧迫を暫く中断することになる
・何らかの原因でAEDが誤解析し非VF波形に対しショックが行われる場合、低エネルギーの非同期下ショックとなり、かえってVFを誘発する場合があり得る

こんな感じでしょうか。これらの理由で一応は納得できるかと思います。

ところで、VFは50J程の低エネルギー通電(体外式)でどの程度除細動されるのでしょうか、されないのでしょうか。二相性10J程のcardioversion(勿論体外式)で洞調律に復するVTは経験がありますが、VFに対しての低エネルギー通電は経験がありません。体格等で大きく左右されるでしょうが。どなたかご存知の方は教えてください。

稀な状況でしょうが、成人の心肺停止傷病者に対しAEDを装着しようとしたところ小児用パッドしかなく、おまけに成人用パッド入手のメドが立たない場合どうしましょう。自分ならやむなく小児用パッドを装着し解析させ、必要ならショックを行うと思います。運が良ければ50JでVFが除細動されるかもしれません。されなければ、成人用パッド到着までひたすらCPRです。BLSコースでは口が裂けても言えません(笑)。

2009年12月20日日曜日

よかった。

最近、忙しくてブログ更新もままなりません。
院外VF、難治性VFで、救急隊AED、当院の二相性除細動器含め、計16回の電気的除細動を施し、ようやく自己心拍再開し入院中だったSTEMI患者が、今週末独歩退院しました。全く後遺症はありません。皆一生懸命胸骨圧迫を継続していたことが功を奏したと思います。よかったよかった。
深呼吸すると胸が少し痛いと言っていまして、ひびくらい入っているのかもしれませんが、そのくらいは大目に見てもらいましょう(苦笑)。

2009年12月11日金曜日

最終波形確認

マニュアル式除細動器で、非心停止の頻拍にcardioversionを施行する際、”ショックします”、”みんな離れて”のいわゆる安全確認をした後、放電寸前に最終波形を心電図モニターで確認することを自分としては推奨しています。安全確認をしている間に自然に洞調律に復する可能性があり得るため、不要なショックを避けることを目的に必要な行為と思っているからです。また、非心停止ですし放電を焦る必要はありません。
一方で、心室細動に対する電気的除細動の時は、上記ケース程は特別言及はしません。1秒でも早い放電が望ましいと思っているし、安全確認をしている間に心室細動が自然に洞調律に復する可能性はほぼゼロに近いと思っているからです。
しかしながら、Up To Dateには、「心室細動は稀ではあるが自然に除細動しうる」と記載があります。うーん。やっぱり除細動の時も最終波形は確認したほうが良いのかな?
心室細動が自然に除細動される可能性はどの程度のものなんでしょうか。「稀、、」とは、どの程度のものなのかな?御経験のある方はコメントください。

2009年12月10日木曜日

アミオダロンの除細動閾値への影響

すっかり忘れていました。11月21日の不安定頻拍性心房細動に関する話。不安定頻拍にcardioversion施行するも再発するためアミオダロンを投与したところ、かえってcaridoversionできなくなってしまった、という展開でした。
後日K大学の不整脈専門家K先生とそのケースのお話をする機会がありました。K先生の御経験では、不安定頻拍性心房細動を呈しているケースに対しアミオダロンを静注することで洞調律に復し、難を逃れることが少なくないとのこと。しかしながら、アミオダロンを投与することで除細動閾値を上げてしまうことはやはりあり得るので、電気的除細動閾値を下げる目的ならニフェカラントの方がよいでしょう、とおっしゃっていました。
11月21日のケースで、アミオダロンを投与しても洞調律に戻らず、かつ電気的除細動も無効であり、依然不安定の状態が続いているなら、ニフェカラントを使用し除細動閾値を下げた上で電気的除細動を施行する手もあったのでは?と貴重な意見を頂きました。プロフェッショナルの世界の話です。非不整脈専門医は真似しないほうが無難かも(笑)。非循環器医は真似してはいけません(笑)。
アミオダロンの除細動閾値上昇作用はICDで使用される比較的小エネルギーのレベルのことであり、体外式の除細動のレベルではあまり影響の無い程度のもの(8/23)、と聞いたこともあるのですが、本当のところはどうなんでしょう。
今回のケース以外にも、以前VTにアミオダロンを投与しかえってcardioversionできなくなったケースがありました。たった2回だけですが、臨床現場での経験はimpressiveです。経験的には、体外式の除細動でも影響がありそう、、、と思ってしまいます。

2009年9月29日火曜日

体重とエネルギー量 小児と成人

Kim先生御指摘のように小児では電気的除細動もcardioversionも、体重でエネルギー量が決められています。CoSTRには「小児に対する除細動において、安全かつ有効な理想的エネルギー量は不明である、、、」旨書いてありますが、ある程度体重とショックの効果が相関するのでしょう。

考えてみれば、成人は身体の大きな人も、小さな人もエネルギー量は同じですね。
なぜ成人は小児と異なり体重あたりのエネルギー設定になっていないのでしょうか。

先に記載したように体重の重い人は効果が得られにくいし、軽い人は得られ易い傾向がある、とした研究(N Engl J Med 1974; 290:214.)もあるわけですが、一方で体重の増減との相関関係はあまり成り立たないとする研究も複数あるようです(Am J Cardiol 1983;52:739-45)(Circulation 1979;60:231-40.)。成人は一筋縄にはいかないんですね。
エネルギー量以外の因子の影響が小児より成人のほうが大きいのでしょうか。

2009年9月28日月曜日

体重とcardioversion

除細動やcardioversionの必要エネルギー量のはなし。体重の重い人は、軽い人よりも除細動されずらいし、必要エネルギー量は多くなる、とした研究があります(N Engl J Med 1974; 290:214.)。欧米は超肥満患者がVFやAFになるケースはいくらでもあるでしょうから、そのようなことを実感できる機会は多いのではないでしょうか。日本では実感ないですね。国技館のある両国近辺の病院なら相撲取りが搬入されてきて、実感するチャンスがあるかもしれません。都立墨東病院とか。ご存知の方は教えて下さい。
今日の千秋楽の朝青龍vs白鵬の本割、決定戦の2番があまりにしびれたもので思わず"肉体ネタ"でした。昨日のK-1アリスターオーフレイムも強かった。

2009年9月25日金曜日

難治性心房細動へのcardioversion

頻脈性心房細動を発症し不安定な血行動態を呈している患者がいると仮定します。なんとか早期に洞調律に戻したいです。
しかしながら、単相性360Jでcardioversionを2度試みるも、洞調律に戻りません。どうしましょう。。。

色々と選択肢があると思われますが、こんな文献があります。

360Jのcardioversionで洞調律への復帰を2度失敗した心房細動患者に対し、除細動器を2台使用して720Jのcardioversionをかけたところ、84%の患者が洞調律に復し、かつ有意な合併症もなかった(JACC1999;34:2031-4)。10年も前の文献ですが。
こんな方法もあるんですね。ダブルライダーキックみたい(笑)。

2009年9月18日金曜日

妊婦のVF

VFになった妊婦に電気的除細動を行う際は、通常通りの方法でよろしいようです。除細動のショックは胎児へ有意な電流を及ぼさないようです。何故なんでしょうか。

除細動の時に「離れてください!」なんて安全確認していますが、少し触れていることの方が、胎内に収まっていることより危ないのでしょうか?

電気の知識をしっかり持っていたら、当たり前の理屈なのかもしれません。

ちなみに、胎児が胎内でVFになっちゃったらどうするんだろう。

分からないことだらけで、楽しいです(笑)。

2009年9月16日水曜日

ペースメーカー植え込み患者へのcardioversionの際に

昨日の話と一部重複しますが、その文献によるとペースメーカー植え込み患者にcardioversionを施す際の推奨事項は以下のごとくだそうです。

cardioversion前
・ペースメーカーとリードの機能をチェックする
・outputを上げておく
・VOOまたはAOOにしておく

cardioversion中
・除細動パドルはジェネレーターから15cm離す
・パドルは前胸部−側胸部か、前胸部−背部に位置させリードと直交させる
・複数回のショックが必要な場合は、保護ダイオードを冷やすためショックとショックの間は少なくとも5分はおく。
cardioversion後
・ペースメーカーとリードの機能をcardioversion直後にチェックする
・4−6週間はより高いoutputに設定しておく
・4-6週間後にペースメーカーとリードの機能をチェックする
・pacing閾値、sensing閾値が上昇した場合、早期のチェックを推奨する
・機能不全を生じた場合は、ジェネレーター、リード交換を検討する