2010年10月22日金曜日

G2010BLS 実践

若年女性。昨日心筋炎の疑いで入院。低心機能で、ぎりぎりの呼吸循環動態、CCUで管理。PCPSも念頭に、FA,FVは確保されています。
本日早朝急に意識レベル低下したとのことで、当直の自分がコールされました。来室すると、看護師3人ほどでアタフタしており、HR120bpm程、洞性頻拍、血圧70/ほど、末梢冷たくSpO2拾えず、「くるしい、息が出来ない、、」の訴えあるものの意識は朦朧。顔面蒼白、末梢冷感あり、重篤そうな様相です。PCPSが必要と思われ更に応援要請、40%ベンチュリマスクでしたので、リザーバーマスク15Lとし、ドーパミンの用量を上げ、、としていたら、意識レベルが低下、反応が鈍くなりました。頚動脈は触知
できましたので、頭部後屈顎先挙上させ、NPAを挿入、人的余裕が得られたら、気管挿管もしたほうが良さそう、、なんて言っていたら、、反応が鈍くなり、呼吸が微弱となり、頚動脈触知試みても、10秒以内には触知
できず、すぐに胸骨圧迫を始めました。心電図モニターは依然120bm 程の洞性頻拍でした。頻拍性のPEAです。正しい手の位置を意識しつつ、5cm以上しっかり押して、full recoil、100回/分以上のペース、も心がけました。アドレナリンIVの指示を出し、準備が出来たところで、(アルゴリズム通りではないですが)脈拍触知してみたら、明らかに触れました。呼びかけにも開眼するようになりました。CPRは中止。胸骨圧迫は1-2分したでしょうか。アドレナリンは保留にしました。血がスでアシドーシスあり、メイロン投与、その後主治医、担当医などが駆けつけてくれて、気管挿管し、カテ室に移動、PCPS,IABPを挿入しました。
恐らくは原病による心機能の増悪、代謝性アシドーシスなどが悪さをしたものと推測されました。レトロスペクティブに見れば、後手に回ってしまったのが反省点でしょうか。でもリカバリーショットは打てています。今後の回復を願うばかりです。

そんな感じで、G2010を少々意識した対応をしてみました。
反応を確認しつつ、正常の呼吸か否か見てみる、(救急コール、AEDの要請)、脈拍触知10秒以内、無ければ胸骨圧迫、、、
自分にとっては、大変自然に思えました。G2005のBLSの流れよりも、practicalです。今まで現場でやっていた感じに近いです。
一緒に処置をした看護師達にも解説しながらやりました。”正常ではない呼吸”の良い例でした。
また、かえって心電図などモニタリングされていると、ついついそれに気を取られて、心肺停止に気づくのが遅れることが少なく有りません。HR120洞調律でも、頚動脈が触れなければCPRを開始する必要があること、などお伝えする良い機会になりました。若い看護婦さんたちにとってはimpressiveな体験だったと思います。成長を願います。

この方は、BLSのみで自己心拍再開しましたが、この日この後、高齢男性の院内心肺停止が発生、今度はACLSまで行きました。早々に記事にしたいと思います。

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