2010年10月31日日曜日

胸部叩打

「前胸部叩打法は,除細動器がただちに使用できない場合に,目撃され,モニターされている不安定性 VT(無脈性 VT を含む)の患者に対しては使用を考慮してもかまわないが,それが CPR やショックの実施を遅らせてはならない。」

G2010において、G2005よりちょっぴり復活した胸部叩打。

先日、ある著名な不整脈専門家の講演を聞く機会がありました。
心外膜側に起因するVTと、心内膜側に起因するVTがある、といった少々マニアックな話がでました。
微妙な刺激(超低刺激)で不整脈に影響を与えうる胸部叩打。外からの刺激を受け易そうな印象の心外膜側VTは、心内膜側VTより、胸部叩打が有効である可能性があるかどうか質問しました(笑)。

一瞬、間があったのち、「そんな手技、どちらにも効かないでしょ?」 と一蹴されました(笑)。

確かにその通りかもしれません。基本は電気的除細動(もしくはcardioversion)です。
ただ、一応、G2010では、G2005の時より若干positiveに記載されている旨お伝えしておきました。興味なさそうでしたが(笑)。

復活

先日の心筋炎の若年女性、無事に急性期を乗り越えてIABP、PCPS離脱、人工呼吸器も離脱しました。本当によかったです。まだICUですが、食事も食べ始めました。本人も頑張りましたが、担当の研修医たちも頑張りました。

2010年10月22日金曜日

G2010BLS 実践

若年女性。昨日心筋炎の疑いで入院。低心機能で、ぎりぎりの呼吸循環動態、CCUで管理。PCPSも念頭に、FA,FVは確保されています。
本日早朝急に意識レベル低下したとのことで、当直の自分がコールされました。来室すると、看護師3人ほどでアタフタしており、HR120bpm程、洞性頻拍、血圧70/ほど、末梢冷たくSpO2拾えず、「くるしい、息が出来ない、、」の訴えあるものの意識は朦朧。顔面蒼白、末梢冷感あり、重篤そうな様相です。PCPSが必要と思われ更に応援要請、40%ベンチュリマスクでしたので、リザーバーマスク15Lとし、ドーパミンの用量を上げ、、としていたら、意識レベルが低下、反応が鈍くなりました。頚動脈は触知
できましたので、頭部後屈顎先挙上させ、NPAを挿入、人的余裕が得られたら、気管挿管もしたほうが良さそう、、なんて言っていたら、、反応が鈍くなり、呼吸が微弱となり、頚動脈触知試みても、10秒以内には触知
できず、すぐに胸骨圧迫を始めました。心電図モニターは依然120bm 程の洞性頻拍でした。頻拍性のPEAです。正しい手の位置を意識しつつ、5cm以上しっかり押して、full recoil、100回/分以上のペース、も心がけました。アドレナリンIVの指示を出し、準備が出来たところで、(アルゴリズム通りではないですが)脈拍触知してみたら、明らかに触れました。呼びかけにも開眼するようになりました。CPRは中止。胸骨圧迫は1-2分したでしょうか。アドレナリンは保留にしました。血がスでアシドーシスあり、メイロン投与、その後主治医、担当医などが駆けつけてくれて、気管挿管し、カテ室に移動、PCPS,IABPを挿入しました。
恐らくは原病による心機能の増悪、代謝性アシドーシスなどが悪さをしたものと推測されました。レトロスペクティブに見れば、後手に回ってしまったのが反省点でしょうか。でもリカバリーショットは打てています。今後の回復を願うばかりです。

そんな感じで、G2010を少々意識した対応をしてみました。
反応を確認しつつ、正常の呼吸か否か見てみる、(救急コール、AEDの要請)、脈拍触知10秒以内、無ければ胸骨圧迫、、、
自分にとっては、大変自然に思えました。G2005のBLSの流れよりも、practicalです。今まで現場でやっていた感じに近いです。
一緒に処置をした看護師達にも解説しながらやりました。”正常ではない呼吸”の良い例でした。
また、かえって心電図などモニタリングされていると、ついついそれに気を取られて、心肺停止に気づくのが遅れることが少なく有りません。HR120洞調律でも、頚動脈が触れなければCPRを開始する必要があること、などお伝えする良い機会になりました。若い看護婦さんたちにとってはimpressiveな体験だったと思います。成長を願います。

この方は、BLSのみで自己心拍再開しましたが、この日この後、高齢男性の院内心肺停止が発生、今度はACLSまで行きました。早々に記事にしたいと思います。

2010年10月17日日曜日

iPhone 完全復活!

「iPhoneは修理できず、故障の場合は原則新品と交換」なんて、聞いていました。どうやら自分の勘違いでした。

液晶の陰影が徐々に広がり、通常の使用にも支障を来してきたので、自宅近くのSoft Bank shopに行って、相談してみました。データを全て消してリセットしないとその後の対応が判断できないらしく、それは仕方ないとしても、いちいち要領の得ない説明で、店員によっても言うことが異なるし、対応も悪く、断念。Soft Bank、、、だめだなあ。

幸いこの週末は時間があったので、最寄りのApple Storeに行ってみました。そしたら、購入から1年弱だったので、「あと1週間で保証期間が切れるところでしたね!」なんてにっこり言われつつ、あっさり液晶を交換してもらえました。料金は無料。所用時間10分くらい。もっと早く行けば良かった(笑)。

半分くらい、iPhone4購入か!?という思いもあったので、ちょっと複雑?(笑)

耐久性を期待して、good designのiPhoneケースを探しましたが、もう既に3G対応のものは少なく、多くは4対応ですね。。。。

かっこ良過ぎ

昨日NHKで「プロフェッショナル 仕事の流儀」が復活。復活に先駆け、スペシャル番組としてこれまで出演した人たちの中で、反響の大きかったイチローや宮崎駿など8人が取り上げられました。その中で、慈恵医大血管外科大木隆生教授が大トリで登場!
脳血管への分枝を巻き込んだ大動脈弓部の瘤に対し、ステントグラフトと頚動脈ステントの組み合わせによる新しい手法の治療法に挑む姿が放映されました。途中頚動脈に解離が生じ完全閉塞してしまい絶体絶命の状況に陥いりました。「ちくしょう、、」と声が裏返った動揺したつぶやき。大木先生でも動揺するんだ。。。。。しかしながら、「絶対 なんとしても治してみせよう』と言いながら、諦めずにあらゆる手段をつくし、bail out。「よっしゃ!」の一言。18時間にも及ぶ手術を成功させました。患者は後遺症なく、退院したとのことです。かっこ良過ぎます!

この大手術前、大木先生自身が肺炎を患い、本来1-2ヶ月の入院治療、静養が必要と勧告されます。
しかしながら、上記患者を含め、大木先生の治療を待っているのは、他院で治療を断られた重症ばかり。
自身の入院中のベッドで下記思いを打ち明け、1週間で退院し、上記手術に臨みます。

「患者さんにおいては命を拾ってもらって良かったと そういうものが 自分を突き動かしているわけですよね。そういう期待を裏切ることは、、、裏切ってまで60、70、80まで生きる価値は、僕は ないと」

かっこ良過ぎます!かっこ良過ぎる中に、心底臨床医と感じさせる面が垣間みれて、更にかっこ良い。

大木先生の御家族にとっては複雑な思いでしょう。世界の宝ですから、無理もほどほどにと祈るばかりです。

2010年10月11日月曜日

AHA ACLSコース無事終了。

今回のACLSコース、大変よかったです。質の高いインストラクションはもちろん、雰囲気も良く、涙あり、笑いあり、当初表情の硬かった方も、最後には大変に朗らかな表情でした。質問も多く、随所で活発な議論が交わされました。終了時の受講生の表情や、アンケート結果は大変良く、受講生の満足度の極めて高いコースになりました。参加頂いたインストラクターの方々のお陰です。有り難うございました。

コースそのもののみならず、繰り返しの復習が重要なこと、現場での実践こそに意味があることなど強調したことが、伝わったのではないかと思います。日常で心肺停止の状況に接する機会は多くないとしても、日々患者さんを目の前にしている医療従事者にとってBLS primary survey/ACLS secondary surveyの視点で常に患者さんに接する習慣を付けるとよいと思いますし、日々の職場でteam dynamicsの考え方を応用することも大変有用と思います。心肺蘇生術のみならず、様々な状況で役立つことを御理解頂けたような気がします。

コース前夜、1日目の夜、2日目の夜、と3日連続で呑んでしまいました。これが今回の反省点です(笑)。

2010年10月9日土曜日

ドラえもん(うふ)

と有るサイトに超可愛いドラえもん発見。無断掲載です。問題あったらごめんなさい。でも可愛いでしょ。


iPhone液晶日記

首根っこはじめ、全体が太くなってきました。徐々に画面が見づらくなってきています。iPhone4購入も間近でしょう(苦笑)。


とりあえず、久し振りの更新。

更新が滞っていますが、心肺蘇生教育から手を引いてしまっているわけではありません。
相変わらず、末端の教育活動も続けています(苦笑)。
先々週末は新潟大学のACLS provider courseに参加、先週は自施設BLS for HCP開催、今週は土日で、ACLS provider courseを自施設開催しています。
今回のACLSは、受講生は看護師中心ですが、循環器医、外科医、麻酔科医、放射線技師、医学生、、といった方々も参加しておりバラエティに富んでいます。皆さん、エネルギッシュで、楽しいコースです。明日も心電図補講、頻拍、Putting it All Together、試験が残っています。楽しみです。

コースは、様々な受講生、インスト、スタッフ、、、良き出会いがあって、楽しいです。自施設開催となると苦労も多いですが、大事にしたいです。継続していきたいです。

ブログも、良き出会いがありますので、継続していきたいですね(苦笑)。心新たに、頑張ります!