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原子炉時限爆弾 広瀬隆 ダイヤモンド社
地震大国の日本の地に、安全性が全く保証されていない原発が乱立している危険性を説いている本です。東日本大震災のおよそ半年前の2010年8月に出版されています。
正に、今回の福島原発事故が、この本の危惧する事態そのものです。この本を読むと、今回の福島原発事故は”原発産業がもたらす暗黒時代”のほんのプロローグで、今後更なる深刻な事態が続発することは間違いない、、、という思いを抱かざるを得ません。
再処理、増殖炉、プルサーマル、、、さらに危険な状況に進みつつある原発産業。
「電力会社が、自分が何をしているかさえ、誰も分からないまま、全体が集団的な無責任体制のまま、無自覚に暴走してしまっている。」
筆者の心配が,今回の福島原発の東電のずさんな対応にも垣間みれます。
筆者の心の叫び、それでいて冷静かつ客観的分析、そして今にでも自分の身に降りかかってきてもおかしくない現実味に、引き込まれます。まだ未読の方は、御一読をお勧めします。