ACLSコースでは、治療抵抗性VFに対して抗不整脈薬を考慮する場合、「アミオダロン300mg!」と当たり前のように受講生から指示が出ます。皆さんよく勉強しています。しかし、現場でアミオダロン300mgをボーラスで使用している方や、施設はかなり少数派と思われます。
治療抵抗性VFに対するアミオダロン300mgはevidence basedの用量ではありますが、日本は勿論、米国でもオフラベルです。
日本のガイドラインの1つである「救急蘇生法の指針2005医療従事者用」では、”欧米では初回投与量として300mgの1回投与、追加投与量として150mgが推奨されている。我が国では2007年1月に静注製剤が認可されたが、現時点ではVF/無脈性VTに対する投与量は確定していない。」と我が国での推奨投与量の記載は有りません。
先に御紹介した、「循環器医のための心肺蘇生・心血管救急に関するガイドライン」では「初回150~300mgを静脈路/骨髄路からボーラス投与する.その後もVF持続する場合,2度目は追加150mgを1回だけ3~5分間かけて追加投与」と記載されています。注記として、「静注用アミオダロンは我が国においては心停止に対してはオフラベルである.使用量,投与方法についてはAHAのガイドラインの推奨およびVTに対する我が国の用品を勘案した.我が国でのデータを蓄積し検証する必要がある」と記載がありますが、我が国での一応の推奨投与量が150-300mgと記載されていることは驚きです。
AHAガイドライン通り、或いはそれに少しでも近い投与法が現場で発揮されやすい環境を助長してくれることが期待できます。
かつて、ある救急医が難治性VFにアミオダロン300mgを投与したら循環器医に「多過ぎる!」と叱られたというエピソードがありました。そんなことも起こりづらくなるかもしれません。
参考になります。ご教授有難う御座ます!!
返信削除Kim先生、有り難うございます。
返信削除コースと現場の乖離を少しでもなくしたいといつも思っていますので、基本的にはこの記載は歓迎しています。