2009年4月4日土曜日

やっぱり怖い急性大動脈解離

以前も大動脈解離の話がでましたが、またです。
先日の話。50代男性が、胸痛を主訴に都内の有名T病院を受診されました。詳細は不明なのですが、帰宅の方針となりました。自宅への帰り道に胸痛が悪化、救急車要請。搬送中ショックとなり、当院に搬送されました。結論としては急性大動脈解離stanfordA型、心タンポナーデで、緊急手術になりました。
急性大動脈解離の診断は、難しいことが少なくなく、すぐには診断がつかないこともしばしばです。見逃した場合には致死的事態に直結しますから本当に恐ろしい病気です。患者にとっても、医師にとっても。胸痛、背部痛はもちろん、腹痛、腰痛、意識障害、麻痺、などなど多彩な症状を呈しうるので常に鑑別診断として頭の片隅においておくことと、少しでも疑ったら必ず造影CTを撮影することが大事と思っています。胸痛患者のアセスメントにおいては、非循環器医なら御自身で判断することなく、環境的に可能な限り循環器医にコンサルテーションすることが望ましいと思っています。

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