2010年4月11日日曜日

根本

今週末のBLS for HCPコースで、質問されました。

「心臓が一番大事なのに、なぜ脈拍の確認より先に呼吸の確認をするのですか?まず脈確認すればいいのに。』

うーん。確かに。
散々、心肺蘇生教育に関わっているのに、こんな根本的な質問に、ドキッとします。
あまりにシンプルな質問なので、様々なところで議論し尽くされているとは思います。
なんと答えたらよいのでしょうか。良いお答えがあれば、是非教えて下さい。


日本のガイドラインでは呼吸と脈は同時に確認しますし、一般市民は脈拍確認しないし、Hands Only CPRなんて、呼吸も脈拍も確認しません。いろいろなバリエーションがあります。

CoSTRによると、「頸動脈のチェックは、循環の有無を確認するには不正確な方法である」とした上で、推奨される処置として、「患者の意識がなく( 反応がなく)、体動がなく、呼吸をしていなかったら、救助者はCPRを開始すべきである。」だそうです。

ただし、「体動、呼吸、咳( つまり"循環のサイン") のチェックが診断的に優れているというエビデンスもない。」とも記載があります。

要は、脈拍触知
は難しい手技だし、正確性に乏しいし、推奨していないわけですね。ですから、万人が、少しでも判断しやすい(かもしれない)呼吸の有無を確認させるのでしょうか。しかしながら、仮にも医療のプロである医療従事者は一応脈拍チェックもしておきましょうか。。。。ということなのでしょうか。

反応がなく、体動なく、呼吸がなければCPRを始めよ。でも医療のプロですから、その前に一応脈拍チェックをしておきましょう。ただし、10秒触ってみて、確実に触知
する!と思えなければ、触知
しないものとして対処しましょう、、、て感じかな。

経験豊富な方々、アドバイスお願い致します。

5 件のコメント:

  1. 難しい質問で、困りましたね。

    新しいガイドラインに期待しましょう!

    呼吸だけがない場合、循環から確認すると、循環の確認は不正確なので(呼吸も同じですが)呼吸停止のみと言う状態が見つけられないからではないでしょうか??

    あとERCが人工呼吸は30回圧迫してからと推奨しているので(仲が悪いそうですから)あえてAHAは呼吸を大事に、、、と言っているとか。

    全てクラス未確定です(^.^)。

    返信削除
  2. ルックアップ2010年4月13日 10:01

    11日にBLSコースのインストしましたが、脈拍のチェックで受講した方が、私は手前の頚動脈より、反対側の方がやりやすいのですが、手前の頚動脈でないといけないのですかと質問されました。これに関してはエビデンスはあるのでしょうか?
    私は、あご先挙上のとき”軟部組織を抑え、気管を塞ぐことがあるから注意してください”と同じように反対側の頚動脈でもそのようなことが起こりうることから、手前としているのではないかと説明しましたが、正しかったでしょうか。
    また、呼吸の回数に関して100回/分のテンポで行う場合、エビデンスでは最低でも80回/分必要だとありますので、呼吸を3回する間に次の胸骨圧迫まで10秒以上要することが考えられるからではないでしょうか。因みに胸骨圧迫から呼吸を2回入れて次の胸骨圧迫まで5秒かかるとして、胸骨圧迫のテンポは平均して80回/分、10秒なら64回/分のテンポになるので3回まで吹き込むとテンポが極端に落ちてしまうという考え方ではないかと自分では理解しています。

    返信削除
  3. Kim先生、有り難うございます。すべてクラス未確定なのですね。結論はでませんね、きっと。
    ルックアップさん、詳細な解析有り難うございます。なるほどです。
    脈拍チェックに関しては、BLSプロバイダーマニュアルには、手前のほうが「より簡単で、指の力も軽くてすむ」と記載がありますが、エビデンスの有無は分かりません。ただでさえ脈拍触知
    は難しい手技ですから、なるべく万人がやりやすい(と思われる)方法を推奨しているのでしょう。きっと。

    返信削除
  4. 脈の確認をした後に、
    呼吸の確認をすると、
    CABになってしまいます。
    ABCの語呂合わせで救助者に覚えてもらうためには、A気道確保、B呼吸の確認、C脈の確認にしたのではないでしょうか?

    返信削除
  5. J太さん、コメント有り難うございます。それも有力な説ですよね!
    仮に、アルファベットがABCでなく、CABという順番だったら、脈の確認が先だったんですかね(笑)??

    返信削除