2011年2月16日水曜日

ACLSコース翌日

週末ACLSコースを受講して頂いた受講生からメールあり。

ACLSコース受講翌日、救急外来にこんな患者さんが来ましたー! って。



キター!  The ACLS !(笑)。The G2010 ! (笑)   横向き波形すいません。

若年男性。単形性、QRS幅の広い頻拍。バイタル安定。

安定した頻拍。 ACLS providerの皆様、どうします?

以前の非発作時12誘導心電図と比し、軸は同じそうです。

変行伝導を伴ったPSVT?、右室流出路付近からのVT (RVOTVT)?、、、。難しいです。





いずれにしてもG2005なら、Expert consultation。

G2010的には、、、、、、、、、、Expert consultationも勿論良いですが、ATP考慮の選択肢があります。

その受講生、G2010に準じて、ATP投与したそうです。

10mg、20mg、20mg。 (AHA的には6mg,12mg,12mgだけど。)

頻拍波形は微動だにしなかったそうです。

ATP20mgを正しく投与して、変化なしなら、それは、VTである可能性がかなり高いです。

ACLS providerなら、次は抗不整脈薬を考慮、即ち、Procaineamideあるいは、Amiodaroneの選択肢はありますが、個人的には、同期下電気的カルディオバージョンが最も安全かと思います。勿論、expert consultationしてくださいね。



ここからは、大人の世界です(笑)。


expert consultation後の不整脈専門家の対処。

不整脈専門家でもPSVTか、VTか、確たる鑑別はつかなかったそうです。

PSVT、RVOTVT、いずれの可能性を考えて、ワソランIV。無効。(子供はまねしないように(笑))

ATP30mg、40mg IV。無効。(子供はまねしないように(笑))

次は、インデラルIV。(子供はまねしないように(笑)) これで止まったそうです。

でもその後再発し、アミオダロンIV。無効。

セデーションしたら止まったそうな。

VT stormの時のセデーションは極めて有効なことが多々あります。

結論は、RVOTVT。

早々にablationしたそうです。


ATP投与した時に、QRSは不変だったが、retrograde P (II誘導等で見えるQRSの後ろの上向きの波)が消失して、房室解離を呈したそうです。これもVTを示唆する有力な所見ですね。

いろいろ勉強になります。 専門家の対処、すごいです。

繰り返しになりますが、このような症例、非循環器医なら、ATP投与せずexpert consultationが最も安全でしょう。
ATP投与もありですが、無効なら、expert consultation、或いは、電気的カルディオバージョンをお勧め致します。

2 件のコメント:

  1. 勉強になります。私は即コンサルトを選択します!

    ところでRVOTVTって何とお呼びすれば良いのでしょうか?アールブイオーティブイティ?さんでしょうか?

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  2. RVOTVTって、すいません、一般的な記載ではないかもしれません。「アールブイオーティー起源のブイティ」って表現するのかな?。自分でもよくわかりません(笑)。

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