2012年11月9日金曜日

手の位置

何度か同じような記事を書いています。 http://jblog20090211.blogspot.jp/2011/04/blog-post.html http://jblog20090211.blogspot.jp/2011/10/blog-post.html http://jblog20090211.blogspot.jp/2011/10/blog-post_31.html でも、またです。 詳細は書きませんが、肺塞栓による院内心肺停止、PEA。CPR。恐らくは(まず間違いない)CPRにより両側肋骨骨折、両側気胸、左血胸。肋骨にも力が加わったことが一因と思います。CPRしつつ両側にトロッカーも挿入。左の血胸の出血が大量。大腿動静脈の確保に難渋、結局カットダウンでPCPS挿入。この時血管は虚脱。補液しても左胸腔に出てしまう感じ。PCPSも有効に回りません。結局救命できませんでした。残念です。 みな命を救うべく一生懸命CPRをしてくれました。責めることはできません。正しい手の位置をそのCPRに携わる人たち全員で確認しながらHigh Quality CPRすることが、やっぱり大事です。

2012年11月7日水曜日

高齢化

「世界的趨勢として高齢化が進み、世界の平均年齢は、2010年から2050年までに9歳上がって38歳となる。富裕国では、100歳まで生きることが普通になる」 ( 2050年の世界 英エコノミスト誌は予測する ) そんな予測が垣間みれる、夕方に見かけた検査室の患者リスト。。。。

2012年11月3日土曜日

CCT2012初日のみ

更新皆無でしたが、ふと、覚え書きを兼ねて久し振りの書き込み。 週末はBLSやら、ACLSやら、でつぶれてしまうことが多く、学会やライブデモンストレーションに参加することがなかなか難しいです。ですから、チャンスがある時は積極的に参加するようにしています。今回も11/2-4神戸でCCT2012 (心臓カテーテル治療のライブです)が開催です。11/2のみしか予定がつきませんので、神戸弾丸日帰りで参加です。神戸日帰りで、時間的にも、金銭的にも、非効率的ではありますが、それでもライブで得られるものは大きいです。お金に代えられません。 個人的には昭和大学濱崎先生のcaseが大変勉強になりました。RCAのCTO。LAD septalからのretrograde approach症例でしたが、septalのtip injectionでもよく見えないchannelを、XTRで見事に通過させていました(学び①笑)。Corsairの通過に苦労されていましたが、力技(笑)で通過。さすがです。他のcaseで、同様の状況では①新品のcorsairに変更 ②Finecrossに変更 ③新製品のFinecrossも良さそう、ソルタナもよい  等の意見が出ており、Corsair不通過→Finecross MG楽勝通過でした(学び②笑)。 濱崎先生症例、川崎病既往もあり一部ひどい石灰化がありました。その部位も含め、比較的広範に偽腔通過していましたが、そこへのステント留置も皆さんagree。この判断も勉強になりました(学び③笑)。ステント留置後、末梢flowが消失、造影剤がstainしました。この瞬間にhematomaと判断され、その後anteからの余計な造影は全くしませんでした(学び④笑)。この対処も何ともない事かもしれませんが、大切なことでしょう。IVUSで確認すると偽腔ばかでかいhepatoma。真腔径に合わせた比較的小径のCutting Balloonを素早くinflateし、少し縦方向にひく感じ?で真腔と偽腔の交通を作る技をライブで拝見できました(学び⑤笑)。stainしていた造影剤がその瞬間に消失します。 しかし、その対処だけでは不十分であることも学びました。結局長いステントで対処する方針が早いようです。hematoma部位フルカバーは勿論、hematomaのかなり遠位まで抑えることも重要なことも十分伝わりました(学び⑥笑)。このケースは結局2本のステントを追加留置していました。最終的には素晴らしい仕上がりでした。さすがです。 知識のみの習得でなく、ライブは実際に臨場感のある中で拝見でき、疑似体験にも近い感じで習得できる(つもり)ので、またチャンスを伺い、積極的に参加したいと思いつつ、泣く泣く帰京するのでした笑。

2012年5月20日日曜日

当直明け

昨日、とある心臓カテーテル治療の症例検討の研究会に参加しました。その中症例の1つ。ACSで瀰漫性の動脈硬化病変。PCI適応の判断は難しく、技術的にもPCIはなかなかやりづらい病変。最終的にはPCIを施行して血栓閉塞を繰り返す大変な苦労をされた症例でした(最終的には無事に終了されました)。その治療過程でやや中途半端な判断が血栓閉塞の一因となった可能性が挙げられていました。実はこのPCIの術者の先生は、当直明けのお疲れの状態でしたが上司の指示で(やむなく?)行ったとのことでした。発表の最後のスライドは、「いちど始めたPCIは、もっと気合いを入れてやらなければいけない、、」というようなニュアンスのことが書かれていました。 座長の先生も「もっと気合いいれなきゃ。」とおっしゃっていました。 たしかに、その通りなのですが、本質は違うように思いました。 多くのインターベンショナリスト、いや多くの医師たちは当直明けの疲れた状態でのカテや手術、診療を余儀なくされています。この現状を改善しなくてはいけません。当院は当直明けは半日で帰宅する方針を少しづつ導入しています。以前よりはましな状況になってきています。 先日の、関越道の高速バスの件が人ごとではない、という岩田先生のブログもうなづきながら読みました。 「こころを入れかえて、今後は疲れていても気合いを入れるぞ!」という、新たな決意ほど無力なものはありません。 「長時間勤務後で疲れているし眠いけれど、気合いをいれて運転するぞ!」と言う運転手が運転する深夜高速バスには乗りたくありませんものね。

2012年3月13日火曜日

ネガティブフィードバック

ネガティブフィードバックが分からない(笑)。
普通に考えると、フィードバックはプラスの変化を指し、プラスの変化ができない場合、ネガティブフィードバックとなるはずです。

しかし、「良いこと」を「良い」と褒めることをポジティブフィードバック、「良くない事」を「良くない」と指摘することをネガティフィードバック、と表現している場に出会う事が少なくありません。

ICLS 指導者ワークブックP36にも同じような記述があります。「出来なかったことを「出来なかった」と伝えるのがネガティブフィードバック」であり、これは、受講生からすると、自分が(誤って)進もうとしていた方向を是正されるので「ネガティブフィードバック」なのだそうです。

うーん。でも、出来なかったことを出来なかったと伝えることにより、受講生が結果的にプラスの変化を得ることができれば、これはネガティブフィードバックではなく、ポジティブフィードバックになるような気がします。

AHAのCore Instructor Courseでは、受講生にプラスとならないフィードバックをネガティブフィードバックとしています。即ち、手技ではなく個人を評価したり判定したり、具体的でなく漠然とした言い方、主題に関連していない、タイムリーでない、、、そのようなフィードバックを、"ネガティブフィードバック”としています。上記のICLSのワークブックとはニュアンスが異なりますが、”フィードバック”の本来の意味を踏襲していると思われます。
(ちなみに、関連した手技に関して、具体的に、タイムリーに、こうすればできると伝えるのがコンストラクティブフィードバック。)


この件について、複数のえらい先生方に御聞きしましたが、返答は様々でした。
とある重鎮先生は、"広義のネガティブフィードバック”と”狭義のネガティブフィードバック”があるんだと思います、とおっしゃっていました。

現時点の私としては、AHAのCICのフィードバック論に一票。

フィードバックの混迷

フィードバック〖feedback〗
〘名〙(スル)
1
ある機構で、結果を原因側に戻すことで原因側を調節すること。電気回路では出力による入力の自動調整機能、生体では代謝•内分泌の自己調節機能など。
2
反応すること。反響。「ユーザーの要望に対して迅速に—する」





なるほど。心肺蘇生教育に当てはめると、

受講生の手技(出力)に介入することで、受講生の入力(考え、理解力、頭脳)を調整し、新たな(より良い)手技(出力)に改善する。

ということでしょうか。

他の辞典などひもとくと、そもそも“フィードバック”はもともと工場で使われていた言葉だそうで、プラスの変化を指す。

即ち、ポジティブフィードバックという言葉はおかしい。フィードバックは、そもそもポジティブだから。

"ポジティブ""フィードバック"は、いわば「頭痛が痛い」といった感じ。あってる?

間違った認識でしたら、ぜひ御教授をお願い致します。

2012年3月11日日曜日

イブストゥピ

教育学にはあまり興味はなかったのですが、心肺蘇生教育にも当然そのような概念が多分に浸透してきており、自分としてもやっぱり勉強しなくてはいけません。この週末は、SimTikiやWISERに留学していた先生方、JATECを作り、育て、普及させた先生などなど、simulation教育に精通した方々に教育手法はじめ様々なこと御教授頂ける機会に恵まれました。僅か2日間でしたので、あまりに短かったのですが得るものはいろいろありました。感謝です。
なんとなく日々やっていることを、改めて教育学的な視点で見直すことができた気がします。
用語が難しいです。ぶっちゃけ用語なんて、どうでも良くて、その概念を教育の場で発揮できればよいわけです。用語を知らなくても受講生を存分に高めるインストラクションはできるわけです。でもやっぱり共通言語は必要です。。。Instruction、Facilitation、Briefing、Debriefing、Coaching、Feedback、positive feedback、negative feed back、、、当たり前のように使っている言葉も、実は理解できていなくて、明確な定義がわからなかったりします。一部は解決しましたが、まだ未解決な部分もあります。

AHAも踏襲しているThe International Board of Standards for Training, Performance and Instruction (ibstpi ) のibstpiが「イブストゥピ」って読むのも初めて知りました(笑)。すっきり(笑)。

2012年2月28日火曜日

15-30分、5-10分

AHA UA/NSTEMIのガイドライン

If the initial ECG is not diagnostic but the patient remains symptomatic and there is high clinical suspicion for ACS, serial ECGs, initially at 15- to 30-min intervals, should be performed to detect the potential for development of ST-segment elevation or depression. (Level of Evidence: B)

AHA STEMIのガイドライン

If the initial ECG is not diagnostic of STEMI but the patient remains symptomatic, and there is a high clinical suspicion for STEMI, serial ECGs at 5- to 10- minute intervals or continuous 12-lead ST-segment monitoring should be performed to detect the potential development of ST elevation. (Level of Evidence: C)

使い分けは難しい。。。。
5-10分で再検しましょう。その前に可能ならば循環器医を呼ぶことを、個人的には推奨です。