2011年3月27日日曜日

速い胸骨圧迫

今週のACLSコースでの話。
ある受講生がパワフルかつ激速の胸骨圧迫をしていました。
30回をおよそ11秒! 163回/分ほどに相当します。
しかし、観察する限り、しっかり深く押せているし、完全にリコイルもしているように見えます。
速すぎると、空打ちになりそうだし、、、、という思いがある反面、それを納得させる理論的根拠も希薄な気がします。AHAの言う、質の高い胸骨圧迫に矛盾はしません。
ERCでは、120回/分は越えないこと、6cmは越えないこと、との記載がありますが。

過剰に?速い胸骨圧迫のデメリットの理論的根拠をご存知の方、是非ご教授ください。

コース開催

震災に関わる問題はありましたが、今週末ACLSコースを開催致しました。節電等含め被災者の方々への支援の姿勢を保ちつつ、通常の生活を再開、継続していくことが更なる支援につながり得ると考えました。
大変な時期にも関わらず、22人の方々に受講頂きました。半数以上が循環器医というこってりコース(笑)。ACLSインストラクター5人、BLSインストラクター4人参加。
全員合格し、めでたくACLSプロバイダーとなりました。質の高いCPR、チームワーク、、、良きパフォーマンスが展開されていました。アンケート結果もほぼ完璧で、受講生の満足度も高かったようです。
この時期の開催なだけに、様々な苦労がありましたが、報われる思いでした。開催してよかったです。

節電で、暖房入れなかったので、講義中寒かったのが、受講生にはつらかったかもしれません。でも皆様御理解してくださっていたようです。

2011年3月21日月曜日

節電メモ

節電すべきか」という疑問に対する回答(地域別)
http://norihara.livedoor.biz/archives/51670820.html

続・「節電すべきか」という疑問に対する回答(東北電力、東京電力地域以外)
http://norihara.livedoor.biz/archives/51673468.html

本当に必要なのは「ピーク時」の節電
http://kazuyomugi.cocolog-nifty.com/private/2011/03/post-d9f7.html

東京電力の計画停電を考える
http://ameblo.jp/kazue-fujiwara/entry-10835236187.html

今こそサマータイム導入を!
http://ameblo.jp/kazue-fujiwara/entry-10836173672.html#main

2011年3月20日日曜日

Twitter

今回の震災で、個人的には遅ればせながらtwitterの重要性を実感できた。


 ツイッターはそもそもアウトプットではなく、インプットメディアである。


なるほど。Twitterを理解しきれていない方、一読を。

メモ2

原発関連

大前研一解説
http://genshi.seesaa.net/article/191498566.html

アメリカは、東日本大地震をどう受け止めたか
http://gendai.ismedia.jp/articles/-/2285


破局は避けられるか――福島原発事故の真相 ジャーナリスト 広瀬隆
http://diamond.jp/articles/-/11514

2011年3月18日金曜日

頑張れ日本

「被災地の現状は、非現実的であり、ニュースで流れている情報よりも厳しいとしか言いようがありません。現地活動では心が折れました。しかし、東京からもできることが、それぞれに必ずあります。今、自分にできることを継続していく次第です。」

DMATの一員として被災地で救援活動をしてきた我々の仲間の言葉。
彼は逞しくて、心が折れるなんてことはないように見える人ですが。本当に現場は厳しいようです。
ひとりひとりが出来る事を、少しでもよいので、やらねばなりません。

こちらのブログにも大切なことが書かれています。


「今のこの瞬間に
一瞬先の心配をしながら
苦しんでいる皆がいること
今日、明日をとても不安に感じながら
避難している皆さんの事を想って
今は、皆で慎ましく
冷静に過ごしてほしい。

被災地で行われている
救助活動、救命活動、支援活動
その活動を支える行動をしてほしい。」


勝間和代さんも、3D運動を提唱しています。

「できる人が、できることを、できる限り」

こんな思いを常に頭に入れて一日一日過ごそうと思います。

2011年3月13日日曜日

Japan Earthquake: before and after

http://www.abc.net.au/news/events/japan-quake-2011/beforeafter.htm

生活への影響

震災のお見舞いを申し上げます。

次から次へと惨状が明らかとなり、何か貢献できることはないかと、思うばかりです。
節電や、DMAT初めとする人材派遣、様々な医療情報提供、医療相談サイト立ち上げなど、皆さん少しでも出来る事を、、という気持ちで動いております。


幸い、東京の地は軽度の余震のみで、一見落ち着いていおり、日常に戻りつつあるようですが。。。。

しかし、スーパーに行ってみると、、、、

カップラーメン売り場、、、売り切れ。。。




パン売り場、、、売り切れ。。。。



牛乳売り場、、、、売り切れ。。。。。





皆様、次に備えているようです。
牛乳などは、早くも供給不足になっているのかもしれません。

直接被災されなかった方にも、徐々に生活に影響が出てくることが予測されます。
人ごとと思わず、皆で協力し合いましょう。。。

2011年3月12日土曜日

東日本大震災

先ずは震災のお見舞いを申し上げます.

すごい事になってしまいました。

個人的には、土日のACLSコースが中止になった程度の事で済んでいますが、テレビで流れる映像を見て愕然としています。

東京も、まだ余震を時々感じます。

東北方面の知人とも連絡はつきません。

大地震そのものも恐ろしいですが、続発した大津波はもっと恐ろしいです。

そして、更に続発する火災、そしてそしてもっともっと恐ろしい放射能漏れ。。。。心配です。


以下の、こんな情報もあるようです。一応頭に入れておいてください。




Fw:気をつけて!!

千葉、首都圏の方へ。千葉の製油所、製鉄所の火災の影響で千葉、首都圏では、科学薬品の含まれた雨が降ることが予想されます。 傘やレインコートの使用をお願いします!

とりあえず広めて!
雨にあたらないようにしてね!

気をつけてください。



→チェーンメール、、、って情報もありますね。

まああらゆる情報は偏っている可能性がありますので、最終的には御自身で御判断ってことで。

2011年3月9日水曜日

キューピー3分クッキング

キューピー3分クッキングならぬ、救急3分トレーニング(笑)。

全文無料なので、英語が得意な方は読んでみて下さい。
私はまだよく読んでいません(笑)。
アブストラクトの粗訳のみ以下参考に。

一般市民向け胸骨圧迫のみの心肺蘇生法の超簡易教育ビデオと簡易教育ビデオの効果
(Circ Cardiovasc Qual Outcomes. 2011;4:220-226.)

背景
バイスタンダーCPRは院外心肺停止の生存率を改善させるが、施行されないことが多い。我々は2つの仮説を立てた。(1)胸骨圧迫のみのCPRの超短時間のビデオを鑑賞した人は、院外心肺停止シナリオのシミュレーションにおいて、未トレーニングの人よりCPRを試みるようになり、(2)CPRのスキルもより良くなる。

方法と結果
本研究は前向き試験で、最近CPRのトレーニングをしていない336人の成人を無作為に4群に割り付けた。
(1) コントロール(トレーニングなし)(n=51)
(2) 60秒ビデオトレーニング (実習なし) (n=95)
(3) 5分ビデオトレーニング(実習なし) (n=99)
(4) 8分ビデオトレーニング(実習あり) (n=91)

全ての被験者が、CPRマネキンとレールダルPCスキルレポーティングソフトウエアを使用して、成人院外心肺停止シナリオにおいて、CPRの施行能力を評価された。トレーニングした被験者の半数が無作為にすぐに評価され、もう半数が2ヶ月遅れて評価された。
コントロールの12人 (23.5%) はCPRを試みることさえしなかった。全トレーニング群では2人のみ (0.7%; P=0.01) であった。全トレーニング群はコントロール群より、胸骨圧迫の速さが速く(推奨の100/分に近い)(P<0.001)、胸骨圧迫の深さも深かった(>38mm) (P<0.0001)。

結論
胸骨圧迫のみのCPRの超短時間のビデオを見た一般市民は、トレーニングしていない市民よりCPRを試みるようになり、CPRスキルにも優れる。



60秒に比すれば、5分、8分ビデオのほうが成績はよいですが、60秒でも見ないよりはよっぽど良いようで。
シンプルなHands Only CPRだからこそ、かな。
TVのCMに流したりするだけでもよいかもしれませんね。

2011年3月7日月曜日

倉敷ライブ

先週末は、当初予定していなかったが急遽倉敷へ。

第20回倉敷PCIライブデモンストレーションコース



倉敷中央病院は、大変教育的なライブを毎年開催しています。健康上の理由から光藤先生はコースディレクターから退き、門田先生が重責を引き継ぎました。しかし、、蓋を開けてみれば、まだまだ光藤先生の独壇場(笑)。スーパーテクニックを披露しまくっていました。
だれがどう見ても、CABGでしょ、、、というcomplex症例も、淡々と、丁寧な手技で、奇麗に仕上げていました。
常に、ペースを保ち、平穏(を装う?)な様相は、他のオペレーターと一線を画します。結構好きです。


個人的には、珍しく体調不良。。。。先週末の新潟ICLSインフルエンザ(疑)事件の余波か。。。?

金曜夜なのに、ライブ終了しだいそそくさホテルへ。

しばし寝た後、やっぱりとふらふら郷土料理やへ。

大好物、乙島シャコ。



タコのたまご?



先週末の新潟ICLS参加時に、魚市場でみかけた ”タコのたまご”と同一か。饅頭みたいな外観だったが。。。

ビール、地酒も呑んだが、やはり本調子でなく、ホテルへ帰宅。夜中もうなされた(汗)。

一晩に、ペットボトル500mlx5本飲んだ。たまたま持参したロキソニン錠剤飲みまくり。

翌朝、ずいぶんまし。



気持ちよい朝日。




気持ちよい青空。倉敷の町並み。


不謹慎とも思われたが、せっかくの倉敷、人里離れた二階席の隅の席で、光藤テクをこっそり堪能しました。ごめんなさい。

頑張れ日本

「アップル vs グーグル」(ソフトバンク新書)小川浩・林信行を読み、IT社会のトップに君臨する2社の凄さを実感し、足下にも及ばない日本企業に愕然とする。久しぶりに読んだ勝間和代著作「高学歴でも失敗する人、学歴なしでも成功する人」(小学館101新書)で言う、「ストリートスマート」(いわゆる頭の良い人、状況判断に長けている、自立心旺盛)、「アカデミックスマート」(成績重視の優等生)。さしずめ先の2社はストリートスマートっぽい。日本のそれはアカデミックスマートの傾向が強い。前原大臣まで辞任の日本政界、これもアカデミックスマート色が強い。京都大学入試の携帯カンニング事件。カンニングする学生、された大学、それを報道するマスコミ。みんな、ストリートスマートとはかけ離れているように思う。

何が悪いのか。

日本の教育?

日本全体が沈んでいく気がした週末でした。

体調悪かったせいで、考え方もネガティブなのかな?

私?私もどちらかというとアカデミックスマート(苦笑)。

おっと、成績優秀じゃないから、アカデミックスマートにも及ばない(苦笑)。

2011年3月1日火曜日

アトロピン

G2010ではnon shockable rhythm(PEA/asystole)へのアトロピンのルーチン投与は推奨されなくなりました。
CJにそれに関連する論文が掲載されました。やはりアトロピンの有効性は否定的な結果でした。

Circ J 2011; 75: 580 –588

英語が苦手な方は以下を参考にして下さい。


背景
G2005ではnon shockable rhythm(PEA/asystole)にアトロピンの投与が推奨されていたが、臨床的なデータは十分ではない。

方法と結果
SOS-KANTO研究のnon shockable rhythmを呈した成人患者7448人において、アトロピンの効果を検証した。主要評価項目は心停止30日後の神経学的予後良好。Asystole6419人において、アドレナリン+アトロピン投与群(n=1378)は、アドレナリン単剤投与群(n=5048)に比し有意に自己心拍再開率が高かった(調整オッズ比1.6(95%CI 1.4-1.7,P<0.0001)。しかし、30日後の神経学的予後良好においては2群間で有意差はなかった(調整オッズ比0.6 (95%CI 0.2-1.7,P=0.37)。PEA1029人において、自己心拍再開、30日後の神経学的予後良好については共に2群間で有意差はなく、アドレナリン+アトロピン投与群は、アドレナリン単剤投与群有意に30日後の生存率が有意に低かった(調整オッズ比0.4(95%CI 0.2-0.9, P=0.016)。

結論
non shockable rhythmによる院外心停止患者へのアトロピン投与は、長期神経学的予後改善には寄与しない。アトロピンはPEAを呈する成人には有用でない。

心停止後の低体温療法

G2010時代となり、自己心拍再開後の管理が重要視されています。特に、低体温療法、(適応あれば)早期CAG、PCIが重要です。
先の集中治療学会でもシンポジウムが開催され、今月中旬のJ-ReSSでは勿論、日本循環器学会でも取り上げられるでしょう。
最近のCirculationにも、低体温療法に関連する論文が出ていました(Circulation. 2011;123:877-886)。
VF/VTには有効だけど、PEA/Asystoleにはやっぱり有効じゃない、、ことが示唆される論文です。

英語読めるひとはこちら。
苦手な方は、下記を参考に。

心停止後の低体温療法はショック適応リズムと非適応リズムの双方に有効か?

背景
ショック適応リズム(VT/VF)による心停止から蘇生した患者に対する軽度低体温療法の有効性は確立されているが、ショック非適応リズム(PEA/Asystole)患者への導入には議論が残るところである。そこで我々は大規模コホートにより、初期心臓リズムと退院時神経学的転帰により低体温療法の予後への関与を評価した。

方法と結果
2000年1月から2009年12月の間、蘇生に成功した1145人の連続院外心肺停止患者を前向きに収集。軽度低体温療法と退院時神経学的予後良好(CPC1 or 2)の関連をロジスティック回帰分析にて定量化。軽度低体温療法はVF/VT708人中457人(65%)に導入され、PEA/Asystole437人中261人(60%)に導入された。全体としては、1145人中342人(30%)が退院時神経学的予後良好(CPC1-2)であり、VF/VTでは274/708人(39%)、PEA/Asystoleでは68/437人(16%) (P<0.001)であった。調整後、VF/VT患者では、軽度低体温療法は神経学的予後良好のオッズ増加と関連していた(調整オッズ比1.90;95%信頼区間1.18-3.06)。一方、PEA/Asystole患者では、神経学的予後良好と有意な相関は認めなかった(調整オッズ比0.71;95%信頼区間0.37-1.36)。

結論
心停止患者のこの大規模コホートでは、低体温療法は、VF/VT患者の退院時予後改善に関連した独立した因子であった。これとは対照的に、ショック非適応リズム患者の良好な予後とは関連していなかった。PEA/Asystole患者への有効性の欠如を明らかにするためには更なる研究が必要である。