G2010時代となり、自己心拍再開後の管理が重要視されています。特に、低体温療法、(適応あれば)早期CAG、PCIが重要です。
先の集中治療学会でもシンポジウムが開催され、今月中旬のJ-ReSSでは勿論、日本循環器学会でも取り上げられるでしょう。
最近のCirculationにも、低体温療法に関連する論文が出ていました(Circulation. 2011;123:877-886)。
VF/VTには有効だけど、PEA/Asystoleにはやっぱり有効じゃない、、ことが示唆される論文です。
英語読めるひとはこちら。
苦手な方は、下記を参考に。
心停止後の低体温療法はショック適応リズムと非適応リズムの双方に有効か?
背景
ショック適応リズム(VT/VF)による心停止から蘇生した患者に対する軽度低体温療法の有効性は確立されているが、ショック非適応リズム(PEA/Asystole)患者への導入には議論が残るところである。そこで我々は大規模コホートにより、初期心臓リズムと退院時神経学的転帰により低体温療法の予後への関与を評価した。
方法と結果
2000年1月から2009年12月の間、蘇生に成功した1145人の連続院外心肺停止患者を前向きに収集。軽度低体温療法と退院時神経学的予後良好(CPC1 or 2)の関連をロジスティック回帰分析にて定量化。軽度低体温療法はVF/VT708人中457人(65%)に導入され、PEA/Asystole437人中261人(60%)に導入された。全体としては、1145人中342人(30%)が退院時神経学的予後良好(CPC1-2)であり、VF/VTでは274/708人(39%)、PEA/Asystoleでは68/437人(16%) (P<0.001)であった。調整後、VF/VT患者では、軽度低体温療法は神経学的予後良好のオッズ増加と関連していた(調整オッズ比1.90;95%信頼区間1.18-3.06)。一方、PEA/Asystole患者では、神経学的予後良好と有意な相関は認めなかった(調整オッズ比0.71;95%信頼区間0.37-1.36)。
結論
心停止患者のこの大規模コホートでは、低体温療法は、VF/VT患者の退院時予後改善に関連した独立した因子であった。これとは対照的に、ショック非適応リズム患者の良好な予後とは関連していなかった。PEA/Asystole患者への有効性の欠如を明らかにするためには更なる研究が必要である。
0 件のコメント:
コメントを投稿