G2010ではnon shockable rhythm(PEA/asystole)へのアトロピンのルーチン投与は推奨されなくなりました。
CJにそれに関連する論文が掲載されました。やはりアトロピンの有効性は否定的な結果でした。
Circ J 2011; 75: 580 –588
英語が苦手な方は以下を参考にして下さい。
背景
G2005ではnon shockable rhythm(PEA/asystole)にアトロピンの投与が推奨されていたが、臨床的なデータは十分ではない。
方法と結果
SOS-KANTO研究のnon shockable rhythmを呈した成人患者7448人において、アトロピンの効果を検証した。主要評価項目は心停止30日後の神経学的予後良好。Asystole6419人において、アドレナリン+アトロピン投与群(n=1378)は、アドレナリン単剤投与群(n=5048)に比し有意に自己心拍再開率が高かった(調整オッズ比1.6(95%CI 1.4-1.7,P<0.0001)。しかし、30日後の神経学的予後良好においては2群間で有意差はなかった(調整オッズ比0.6 (95%CI 0.2-1.7,P=0.37)。PEA1029人において、自己心拍再開、30日後の神経学的予後良好については共に2群間で有意差はなく、アドレナリン+アトロピン投与群は、アドレナリン単剤投与群有意に30日後の生存率が有意に低かった(調整オッズ比0.4(95%CI 0.2-0.9, P=0.016)。
結論
non shockable rhythmによる院外心停止患者へのアトロピン投与は、長期神経学的予後改善には寄与しない。アトロピンはPEAを呈する成人には有用でない。
心拍再開率が高いのに生存率が低いと言うのはいつも思いますが、不思議ですよね。
返信削除蘇生に使う薬がどんどん少なくなって良い事だと思いますが、医師の立場がだんだん低くなる気もしますね(笑)。
確かにそうですね。良いことですが、うんちく披露する場が減りますね(笑)。
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