過換気を避ける:
「換気回数毎分12回未満」「胸郭挙上は最小限」が推奨されています。
CPR中の陽圧換気は冠動脈灌流圧を低下させます。
換気回数が多かったり、1回換気量が多かったりすることによる過換気は蘇生現場では良く見られることです。
十分に血液を酸素化しつつ、かつ、循環への影響を最小限にすることが、CPR中の換気の目的です。
現行のガイドラインにおいては、換気回数は高度な気道確保(8-10/分)の有無や、患者の年齢・救助者の数(15:2, 30:2)、等に影響されます。他の推奨(胸骨圧迫100-120/分、人工呼吸は1秒など)に準じると、結果的に換気回数は毎分6-12回程度となります。
過換気の有害性についての動物実験の結果は様々のものが混在していますが、過換気が利益をもたらしたという研究は皆無です。
G2010の推奨は妥当であり、毎分12回未満の換気回数とし、陽圧換気の循環への影響を最小限にすることが推奨されます。
換気回数が過剰にならないように、メトロノームを使用することは有用です。
1回換気量は、視覚的に胸郭挙上が確認出来る程度以上に増やすべきではありません。陽圧換気は自己心拍下であっても、CPR中であっても、心拍出量を低下させます。CPR中において低めの1回換気量での換気はPaO2の変動とは有意な関連がありません。加えて、高度な気道確保がなされていない場合、陽圧換気は胃膨満、誤嚥を助長し得ます。CPR中の胸骨圧迫は肺のコンプライアンスに影響を与えますし、至適な換気圧は明らかではありません。CPR中の換気圧と換気容量の相関に関しては良く知られていますが、臨床的なデータが乏しいのが現状です。
一回換気量の過剰を防ぐ方策は確立されていませんが、より小さいバッグマスクを使用したり、マノメーターの使用、よく観察する、ことが挙げられます。
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