2009年12月30日水曜日

省エネダクト



なんでしょ、これ。
北国では定番だそうで。東京では見かけたことはありません。

その名も”省エネダクト”(笑)。
一端を温風ヒーターの前に置き、もう一方をこたつの中に入れます。こたつの電源を入れなくてもこたつの中はめちゃめちゃ暖かくなります。部屋も暖かいし、こたつも暖かい。シンプルだけれど、優れものです!地球に優しいエコ製品です。

血栓性血小板減少性紫斑病-溶血性尿毒症症候群

心不全で入院させた患者さんが血栓性血小板減少性紫斑病/溶血性尿毒症症候群(TTP-HUS)でした。左室機能は低下しており心不全は心不全ですが、それにしては他のデータが乱れ過ぎだな、と思っていましたが自分としてはそんな鑑別診断は全く頭にありませんでした。視野が広く頭の柔らかい後期研修医がいち早く鑑別診断に挙げてくれました。有り難いです。疑ったら血漿交換を開始せよとされています。血漿交換をしていなかった時代の死亡率は90%だったそうで。血漿交換をすれば死亡率12-14%ほどに下がります。
瀰漫性の血小板血栓や心臓組織(冠動脈、心筋、刺激伝導系)の出血で心筋梗塞、心不全などを併発することがあり、不整脈、突然死の原因となります。心病変の併発の頻度は明らかにはなっていませんが、TTP-HUSの重要な予後規定因子の一つだそうで。勉強になります。

2009年12月27日日曜日

リフレッシュ

昔はよく秩父宮ラグビー場にラグビー観戦に出かけましたが、最近はめったに行くことはなくなりました。
当直明けで寝不足でしたが、たまにはリフレッシュを、ということで久しぶりに大学ラグビーを見に、ぶらりと秩父宮ラグビー場にお出かけ。大学選手権2回戦2試合ですが、結構好カードということで珍しく超満員です。




慶応対法政。慶応が勝ちましたが、慶応の前に出るタックルが陰をひそめているのが気になりました。待って、タックルしています。かつてのような地獄の山中湖合宿で鍛えないと魂のタックルは身に付かないのかな。これでは社会人相手になるとボロ負けでしょう。
早稲田対帝京。予想に反して早稲田が負けました。残念。帝京の外人パワーに屈しました。帝京は昔の大東文化みたいだった。


まあ、ラグビー以前に、日光を浴びながら、緑の芝と青い空を目の当りにするだけで大変気持ちが良かったです。

immediateとは

AHA ACLSメガコードケースB:頻拍(VT)ーカルジオバージョン(頻拍→VF/無脈性VT→PEA)の話。
不安定なVT患者に対し、酸素投与、静脈路確保、心電図モニターを正確に装着。不安定な症状や兆候は頻拍によるものと認識し、不安定な頻拍であるとチームメンバーに伝える。そしてただちに同期下カルジオバージョンを実施する。

チェックリスト通りですと、こういった流れに成ります。
さて、上記、不安定な頻拍であるとチームメンバーに伝えたのち、まずアミオダロンを投与し、早々に無効と判断し同期下カルジオバージョンを実施した受講生(循環器医)がいました。インストラクターとしてはどのように判断すべきなのでしょうか。

不安定頻拍に抗不整脈薬を投与することは、ACLSでは推奨されておらず是正すべき点であることは異論がないことでしょうが、実技試験という観点においてこの点自体はremediationにする理由になるのでしょうか。インストラクターマニュアルのスキルテストの章には"受講者はACLSコースにない手順や手技の実行を避けるべきである”と記載がありますので、この点を勘案しremediationにすべき、なのでしょうか。

実技試験の明確な基準としてチェックリストの存在があります。チェックリスト的にこの受講生がremediationになる理由は、アミオダロンを投与したこと自体ではなく、"ただちにカルジオバージョンを実施する”の項目にチェックが入らない、ということになります。"ただちに(immediate)"に反するわけです。それでは、"ただちに(immediate)"とはどの程度まで許容されるのでしょうか。

モニター心電図を装着し、不安定頻拍と判断し、

①即座に同期下カルジオバージョンを実施
②1分悩んで同期下カルジオバージョンを実施
③3分悩んで同期下カルジオバージョンを実施
④5分悩んで同期下カルジオバージョンを実施
⑤身体所見をとってから同期下カルジオバージョンを実施
⑥12誘導心電図を記録してから同期下カルジオバージョンを実施
⑦アミオダロンを投与してから同期下カルジオバージョンを実施

ある辞書には、「immediate:即時の、すぐの、じかに接している、すぐ隣の」などと記載されています。モニター心電図を装着し、不安定頻拍と判断したら、他の行為は挟まず、同期下カルジオバージョンを実施するということと解釈できるでしょうか。
①は勿論良いとして、②ー④あたりの時間の境はよくわかりません。他の行為をはさんでいないので、一応immediate?
⑦はダメだとしても、それでは⑤や⑥は? もし⑤⑥が許容されるなら、では⑦は絶対ダメ?

なんか、書いていて、ばかばかしくなってきました(笑)。
実技試験といっても、結局は受講生が十分理解し、今後の臨床に活かせるように促せればよいわけですから、あやふやなところがあればremediationとして、再度確認し十分理解頂いた上で、再試験で仕上げればそれでハッピーです。
しかし、期限切れ受講生のACLS-Rの実技試験は再試験のチャンスはないので、かなり判断に悩むことがあります。

ACLS-Rの気道管理

AHA ACLS-Rの呼吸停止の管理(気道管理)のセッションの話。
ACLS-Rは基本的には復習、確認の機会ですから、1時間かけてDVD流して気道管理を過ごすのは冗長過ぎる、、、との意見が少なくありません。DVDを使用しないで30分で行う"短縮セッション”を行う場合もあります。勿論AHAの許可を得ています。

気道の管理はACLSアプローチの"A"と"B"を占めるものだけに日常臨床の中で携わる機会は少なくありません。しかしながら、その割には意外と等閑にされている面があると感じています。心肺蘇生術の際も、胸骨圧迫の質は良くなってきていますが、気道管理の質はまだ不十分と感じることも少なくないです。CPRの質を検証したある論文(Arch Intern Med.2006;166:2375)によると、救急部門勤務の良くトレーニングされたスタッフでさえも、過換気の呼吸管理が多かったとのことです。

また、異論はあるでしょうが、Hands Only CPRの出現も見方によっては気道管理軽視を助長するものと考えてもよいかもしれません。

ということで、ACLS-Rにおいても、基本を改めて見直すという意味で1時間かけて気道管理の知識、技術を復習する方針が、自分としては好きです。
また、BLSインストラクターにも是非どんどんACLS、ACLS-Rの気道管理には参加頂きたいので、早く慣れてもらいたいという観点からも、DVDに沿って同一プログラムで行う方がベターかと思っています。

2009年12月23日水曜日

EDGEクイックコンボRTS小児用

小児用パッドの話で、ついでにもう一つ。
メドトロニック社製の「EDGEクイックコンボRTS小児用」という小児用パッドがあるそうです。



この電極は単に表面積が小さいだけで、減衰器が入っておらず、除細動器が出力したエネルギーはそのまま傷病者に伝わります。従ってこの電極を使えば成人であっても通常エネルギー量の通電が可能です。しかし、電極面積が小さいため電流の集中が起こりやすく、熱傷の危険性が高くなります。
メドトロニックの担当の方に教えて頂きました。

AED小児用パッド

AHA BLS for HCPでのAED、小児用パッドの話です。
プロバイダマニュアルには、"8歳以上の傷病者に小児用ショックエネルギー量を与えないように注意しなければならない”とか、”8歳以上の傷病者には必ず成人用パッドを使用する”などと記載されています。

コース中「なぜ成人に小児用パッドを使用してはいけないのか?」という質問がありました。

あまり深く考えていませんでしたが、なぜなんでしょうね。

BLSプロバイダーマニュアルには、"低エネルギー量のショックでは効果がない可能性があるから”と記載されています。小児用パッドを使用することで、一般的には放電されるエネルギー量は1/3-1/4程に減るとのことです(メドトロニックのLIFEPAKは1/4になるそうで、即ち200Jなら50J、360Jなら90Jです。フィリップスのFR2も50Jになるそうです)。
成人にAEDを使用する際に小児用パッドを装着するデメリットは、
・VFに対し二相性50Jの通電では除細動されない可能性がある(無駄なショック)
・不成功に終わるかもしれないショックの為に、胸骨圧迫を暫く中断することになる
・何らかの原因でAEDが誤解析し非VF波形に対しショックが行われる場合、低エネルギーの非同期下ショックとなり、かえってVFを誘発する場合があり得る

こんな感じでしょうか。これらの理由で一応は納得できるかと思います。

ところで、VFは50J程の低エネルギー通電(体外式)でどの程度除細動されるのでしょうか、されないのでしょうか。二相性10J程のcardioversion(勿論体外式)で洞調律に復するVTは経験がありますが、VFに対しての低エネルギー通電は経験がありません。体格等で大きく左右されるでしょうが。どなたかご存知の方は教えてください。

稀な状況でしょうが、成人の心肺停止傷病者に対しAEDを装着しようとしたところ小児用パッドしかなく、おまけに成人用パッド入手のメドが立たない場合どうしましょう。自分ならやむなく小児用パッドを装着し解析させ、必要ならショックを行うと思います。運が良ければ50JでVFが除細動されるかもしれません。されなければ、成人用パッド到着までひたすらCPRです。BLSコースでは口が裂けても言えません(笑)。