初心者向けのお話です。
高齢男性。胸痛にて救急外来受診。心電図は前胸部誘導で著明なST低下。
対応した当直医は、心筋虚血を疑いCCUに入院させたものの、STは上昇しておらず、STEMIに対する早期再灌流療法を意識しなかったようです。その後幸い上級医が介入する機会があり、結局緊急CAGを施行しました。左冠動脈回旋枝の完全閉塞で、PCI、早期再灌流療法を施行しました。
後壁領域の急性心筋梗塞は、貫壁性虚血であってもST上昇しないことが多々あります。前胸部誘導で著明なST低下を認める場合は、後壁領域の"STEMI"を頭に入れておくことが必要です。
V1-3付近のR波増高、V2-3付近の先鋭T波、V1の陽性T波などが参考になります。
通常の12誘導ではST上昇していなくても、V7-9ではST上昇します。
心電図だけで全てが分かると思わないと言うことですね。
返信削除勉強になりました!
いつも勉強になります。ありがとうございます。
返信削除Kim先生、consommeさん、コメント有り難うございます。
返信削除回旋枝を責任とするACSは、心電図所見はなかなか趣深いです。。。(苦笑)。