2009年12月9日水曜日

EMalliance Blog

日本の救急医療は崩壊状態と言われて久しいですが、しかしながらそんな救急医療を変えようと志の高い若者集団がいます。北米型ER(救急医療)に興味のある方々です。本当に勉強熱心で感心してしまいます。

”夢と、若さと、情熱で日本の救急医療を変える!EMalliance Blog"

HPが立ち上がったばかりのようですが、今後が楽しみです。

2009年12月8日火曜日

STEMI?

中年女性が突然卒倒。目撃あるも、バイスタンダーCPRなし。救急隊現着時心静止。当院搬入後アドレナリン投与後心拍再開。12誘導心電図ではST上昇あり。



心エコーでは左室心尖部の壁運動低下所見あり。
STEMIを疑い、緊急CAG施行するも、冠動脈に有意狭窄なし。左室造影ではいわゆるタコツボ様。
頭部CTを撮影したところ、派手なくも膜下出血でした。くも膜下出血による心肺停止、タコツボ型心筋症併発、という病態だった可能性が高そうです。心肺停止に至ったくも膜下出血ですから、もともと厳しい病状であったわけですが、CAGの時にヘパリンを使っており、更に追い打ちをかけてしまった可能性があります。
しかしながら、緊急CAGを施行した判断は決して責められるものではありませんし、やむを得ないとも思います。

このようなケースでは、卒倒の状況、その時の随伴症状の有無、救急隊現着時の心電図所見、自己心拍の戻り具合、心エコー所見、心電図所見等の情報を慎重に吟味し、頭部CTを優先するかCAGを優先するか判断する必要がありそうです。

2009年12月6日日曜日

つぶやき

久しぶりに興奮するK-1でした。バダハリの勇気とスピードは凄かった。アリスターのパワーは凄いが、それに加えバダハリのハイキックを受けても倒れない逞しさも恐るべしです。強さは本物です。またバダハリとの戦いが見たいです。セームシュルトもやっぱり規格外。
寝不足で眠かったのに、K-1みたら覚めちゃった。

2009年12月5日土曜日

食事

糖尿病研究の第一人者J大学のK先生の講演をお聞きする機会がありました。講演の中で糖質制限に関しての御意見もありました。「糖尿病患者の食事における糖質の至適割合に関してはまだcontroversialである。しかしながら極端な糖質制限が望ましいと主張している人がいるが、これは誤りである。脂質中心のエネルギー摂取は、見かけ上の血糖値は下がるが、心血管イベントを抑制することにはつながらない。誤った食生活を行い、余計に悪化してJ大学を受診される患者も少なくない、、、」といった趣旨のコメントを研究データ等を示しつつ述べられていました。
やはり、糖質ゼロの食事(10/29,10/30)は学術的には疑問視されているようです。

糖尿病ではなくとも、過食、運動不足等により多くの人が知らないうちにIGT(耐糖能障害)に陥っています。IGTになると、動脈硬化が促進され、DMに匹敵するほどの割合で心血管イベントを生じてきます。40歳代のACSは良く目の当たりにしますし、30歳代のACSも珍しくありません。そのような人はIGTやDMを有していることが多いです。人ごとではありません。早いうちからの生活習慣是正が極めて重要です。腹が出てきた人、少し血圧が高めの人、少しコレステロールや中性脂肪が高めの人、などは要注意であり、、”少し”であっても、危険な兆候のようです。そのような人は75gOGTTを施行して、IGTの有無をチェックするとよいと思われます。IGT+上記の軽度異常は、相乗的に動脈硬化を促進させます。要はメタボリックシンドロームですね。。。
糖質の至適割合に関してはまだcontroversialとのことで、心血管イベント予防のための"バランスの良い食事”とは何が理想かわかりませんが、IGTの方には、日本食 + αGI が良いとK先生は言っていました。

自分は、食事においては糖質は少なめを心がけていますが、相変わらずビールや日本酒は飲んだくれで、これにより程よい糖質摂取となり、結局バランス良くなっていると思っています(苦笑)。1日1食生活はまだ続いており、元の体重から4-6kg減を維持しています。

2009年12月4日金曜日

難しいけれど

中年男性が、日中胸痛に加え両肩、両腕のだるさが出現し、病院受診も考慮したようですが、マッサージ屋に行ったそうです。幸い症状は自然消失しましたが、同日夜間症状が再発し当院緊急受診となりました。結局急性冠症候群で、PCIを施行し、事なきを得ました。
先日も急性大動脈解離の患者が背部痛を訴え、整体に行ってマッサージをしてもらっていたというエピソードがありました。胸や背部、肩などの痛みで、整形外科を受診した急性大動脈解離や急性冠症候群の方も稀ではありません。
整形外科医、按摩マッサージ指圧師、柔道整復師、整体師など背部や肩、腕の症状を訴える方を目の当たりにする機会の多い方は、急性冠症候群や急性大動脈解離などの致死的心血管疾患を頭の片隅に入れておくことは大変重要と改めて感じた次第です。肩や背中の不調を訴える方は星の数ほどいらっしゃいますので、頻度は稀でしょうが、、、。

2009年12月2日水曜日

死戦期呼吸?死線期呼吸?

あるMLで、agonal respirationは「死戦期呼吸」か、「死線期呼吸」か、が話題になりました。以前、Kim先生のブログでも話が出ていました。
自分としては、AHAの日本語版マニュアルに記載されているように、当然のように「死戦期呼吸」と思っていました。
”死と戦う”死線期か?”死の線上”の死線期か? 考えてみれば、どちらでもいいような気がしてきます。
新潟のある先生によると、消防関係では圧倒的に「死線期呼吸」が使われているとのこと。

「死戦期呼吸」をGoogleで検索すると、1160000件ヒットします。
「死線期呼吸」をGoogleで検索すると、20700件ヒットと上記より遥かに少なく、おまけに、”もしかして:死戦期呼吸”といったコメントも現れます。
同様にYahooでは、「死戦期呼吸」731000件、一方「死線期呼吸」は13000件と少なく ”死戦期呼吸ではありませんか?” のコメントも出ます。
世の中においては、AHAのプロバイダーマニュアル日本語版に記載されているとおり、「死戦期呼吸」が主流のようです。
学術的には不明確な面はありそうで、学会レベルでの用語統一が望ましいとは思います。

難治VF

中年男性、院外CPA、難治性VF患者に遭遇しました。救急隊のAED無効で、当院搬入後も二相性200Jの除細動を繰り返しましたが無効、質の高いBLSしつつ、気管挿管、アドレナリン、アミオダロン、リドカイン、メイロン等使用しましたが難治。PCPSをプライミングして、挿入寸前に自己心拍再開しました。
緊急CAGでは右冠動脈閉塞、左前下行枝90%の2枝病変でした。右冠動脈にPCIを施行しました。PCI中冷却輸液やアイスノンで冷却しましたが、先日の「RhinoChillデバイス」があれば良いかもしれないなあ、、と思いました。
冠動脈から吸引した憎き血栓です。