BLSプロバイダーが、一度始めたCPRを中断して脈拍チェックをすることは基本的にはありません。明らかなる随意的な動きの出現や意識回復が無い限りはひたすらCPRを継続するわけです。
窒息に陥った傷病者に対し腹部突き上げ法を施していますが、奏功せずついには意識を失い、横たわってしまいました。BLSプロバイダーは、救急コールとAEDを要請し直ぐにCPRを始めます。
さて、AEDが到着した時、どう対応するのでしょうか?
AEDは意識無く、呼吸無く、脈拍が無い、心肺停止と判断した傷病者のみに装着します。窒息で倒れた方は"CPR"をしているにもかかわらず、心肺停止か否かは判断できていません。
従って、AEDが到着したら"CPR"を中断して、脈拍確認をする必要があります。脈拍が無ければAEDを装着しますし、脈拍があればAEDは装着しません。
"CPR"を中断して脈拍チェックするという行為に抵抗を感じてしまいますが、このケースは、BLSプロバイダーが"CPR"を中断して脈拍チェックをする必要がある例外的状況でしょうか。
AHAは、窒息で意識を失った傷病者に対する処置を"CPR"と表現していますが、正確には決して"CPR"ではなく、単なる"胸部突き上げ法"です。教育的にシンプルにするために"CPR"としているのでしょう、恐らく。心肺停止に移行した時にも良き対処につながります。
したがって,窒息で意識を失った方に対する胸部突き上げ手技を"CPR"と表現することは必ずしも正確ではないと思われますし、”CPR”と表現することで中断に抵抗感が生まれますが、AEDが到着したら、一度中断して呼吸循環をチェックしAEDの適応の有無を検討する必要があると思われます。まあ窒息を解除しなければ根本的回復は望めないでしょうが。
こんばんは。めっつぇんばーむです。
返信削除胸部突き上げ法に過ぎないという話、同感です。
私もCPRを開始してください、という表現、
疑問に感じていました。
胸部突き上げと、気道開通を確認するための呼気吹き込み、ということで、タダのCPRとは本質的に意味は違うことは強調しています。
そこを理解しないと、受講者の頭の中はクエッションマークだらけになっちゃいますから。
せめてこれくらいはテキストではっきり理由を書いておいてほしいなと常々思ってます。
めっつえんばーむさん、コメント有り難うございます。御指摘の通りですね!個人的にはコース中にあまり言及はしていない事項でしたが、今後は触れることにしようと思います!
返信削除私は、意識がなくなってCPRを行っているので、AEDが到着したならば、装着して解析を行うようにした方がよいと思います。
返信削除“教えすぎない”ことがコースのコンセプトでもあると思うからです。
知識としてもっているのは重要ですが、私は脈拍チェックは伝えません。
101さん、コメント有り難うございます。"CPR"を中断して脈拍チェックすることをお伝えすると、混乱してしまう受講生が出る可能性は十分ありますね。めっつえんばーむさんの意見はその点を考慮すると極めて重要ですし、101さんの脈拍チェックをお伝えしない方針も大変良い選択肢と思います。勉強になります。有り難うございます。
返信削除受講生に合わせた伝え方で良いかと思います。
返信削除以前のブログで、迷走神経反射の覚え方?!、
大変勉強になります。
毎回、楽しみに拝見させてもらっております。