AHAScientificSessions2009で発表されたPRINCE試験なるスウェーデンを中心とするヨーロッパの研究。心停止の確認された182人を通常のCPRを行う群(99人)と、RhinoChillデバイス(鼻カニューレを通じて冷却液を注入するデバイスらしい)を使用し脳を冷却しつつCPRを行う群(83人)に無作為に割り付けた。
通常CPR群の31%に対し、冷却CPR群では46.7%が生存退院し、神経学的状態もより良好であった(21.4%vs36.7%)。心停止後10分以内に蘇生が開始された137人では、通常CPR群の29.4%に対し、冷却CPR群では59.1%が生存退院し、退院時に神経損傷のない患者の割合も高かった(17.6%vs45.5%)。VF患者では生存率が高く、本試験に登録された56人のVF患者では、通常CPR群の47.6%に対し冷却CPR群では62.5%が生存退院し、退院時の神経損傷のない割合も高かった(28.6%vs50%)。
治療により3例の鼻血、13例の鼻の変色を含む18例の有害反応を認めたが、変色は生存した患者全員で回復した。
早期脳冷却CPRは結構有効性が期待できる方法のようです。
当院では冷却装置を買ってもらうべきか否か?で議論になっています。
返信削除脳外科の先生は(心停止の患者さんではないと思います)あまり意味がないとおっしゃっていました。
循環器の先生は使いたいみたいです。4度の冷たい点滴を入れるという方法もあるそうですね。
Kim先生、コメント有り難うございます。
返信削除当院ではブランケットの冷却装置があります。
でもカテ室では冷えた輸液や、アイスノン(笑)で冷やします。