2010年5月7日金曜日

とある質問

あるAHAインスト系MLで出た質問です。
「いつ倒れたか不明な意識・反応のない「小児」を発見した場合、CPRでは「有効な人工呼吸」を2回行なうわけですが、もしも実は窒息だった場合、息を吹き込んでも胸が上がらず、何度も人工呼吸をするということが起こりうると思います。窒息を疑われる状況が何か見られればよいのですが、状況が全くわからない時、2回、3回と息を吹き込んでも胸が上がらない時はどうすれば良いでしょうか。」

心肺蘇生中の30:2の"2"の人工呼吸は、胸骨圧迫中断を最小限にすべく10秒未満で行うことは良く理解されていることと思います。
心肺停止の確認の際の"初めの”2(+α)回の人工呼吸についても、10秒以上かけてはいけないとAHA BLSインストラクターマニュアル「重要な手技の解説」には記載されています(これについては、プロバイダーマニュアルには明確な記載がないように思います)。
従って、いつ倒れたか不明な意識・反応(、呼吸)のない「小児(乳児)」を発見した場合、有効な人工呼吸を行う努力を2−3回行い、胸が上がっても、上がらなくても、10秒を超えないうちに次のアクション、即ち脈拍の確認に移ることでよろしいかと思います。10秒未満ですから、人工呼吸の努力も恐らく3回どまりまででしょう。
脈拍が無ければCPRです。ACLSプロバイダーに引き継ぐまで、通常のCPRです。CPR中も人工呼吸時に胸が上がらないのであれば、胸骨圧迫中断10秒未満の原則を守る範囲内で人工呼吸を複数回行い2度胸を上げる努力をします。この際、窒息を強く疑うのであれば、気道確保のたびに口の中を覗いて異物の有無を確認する、というオプションは有りかと思います。ただし、胸骨圧迫中断は10秒未満です。
脈拍があれば、人工呼吸のみということになりますが、どうしても胸が上がらず、かつ窒息を強く疑うのであれば、反応のない窒息傷病者への対処に準じて"CPR"を行っても良いと思います。

こんなふうにお答えしてみましたが、訂正すべき点があればご指導お願い致します。

2 件のコメント:

  1. 素晴らしいですね!勉強になりました!!

    しかし、難しい質問をされる人がいるんですね!

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  2. Kim先生、有り難うございます。大先生から、そのようなコメント頂くと、大変恐縮です。。。

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