2009年2月28日土曜日

倉敷ライブ

この週末は倉敷ライブデモンストレーションに参加致しました。主にCTOの勉強が目的です。1人で2日間ほぼ全ての症例を淡々とこなしていく光藤先生の技術、体力、気力は大変なものです。CTO症例が意外と少なかったですが、難しい症例を難しくなさそうにやり遂げてしまう技術や、考え方は勉強になりました。
今回のライブではXtremeが大活躍でした。CTOのガイドワイヤー選択は、eelやXtremeの開発でずいぶんと変わった印象です。
ところで食の方も楽しみまして、岡山の美味しい寿司や、倉敷の郷土料理屋で美味しい食べ物とお酒も満喫しました。乙島のシャコの揚げ物や、ままかりをはじめとする地物の刺身が美味しかったです。牡蠣豆腐なるものも初めて食べました。萬年雪の大吟醸も美味でした。
写真とればよかったです。

2009年2月25日水曜日

慈恵医大血管外科大木教授

大木隆生教授率いる、慈恵医大血管外科に患者さんを紹介させて頂きました。かなりハイリスクな解離性大動脈瘤の患者です。本日午前中に慈恵でCTを撮影しその後大木教授の外来を受診、そして緊急入院をさせて頂きました。予約で満杯なはずにもかかわらず、早々にステントグラフト治療を行って頂けるようで、迅速な対処に大変感謝しています。
驚いたことは、外来受診後早々の、午後12時30分にはレポート用紙3枚にもわたる詳細な報告書がFAXで届きました。CTのみならず問診、診察などから得られた詳細な情報と、治療方針とその方針の根拠などが詳記されています。超多忙にもかかわらず患者さんを非常によく診ていらっしゃること、なおかつ驚くほどの早さで詳細な報告書を作成、送信していることに感激しました。
全国からたくさんの紹介患者がいることと思いますが、各々このような報告書を作成しているかと思うと驚愕せずにはいられません。またこのようなシステムを構築していることに感心致しました。また紹介させて頂きたい気分にもなります。
最近大活躍の大木先生ですが、その新たな魅力を感じさせて頂いた一日でした。
あとは、患者さんの経過が良いことを祈るばかりです。

循環器的生活

今日は日中は救急当番、夕方からは若者当直のバックアップです。
日中はルーチン業務をこなしつつ、そこそこの忙しさの救急業務。
夕方からちょっと忙しかったです。17時頃50歳男性の急性心不全から始まり、90代の重症大動脈弁狭窄症のショック、意識障害、心不全、40代の急性心筋梗塞・primary PCI、50代の肺塞栓、IVC filter挿入。。。。。ごたごたして、午前様になりました。でもようやく寝れます。おやすみなさい。といいつつ、CCUはまだ一床空いています。ふふふ。

2009年2月21日土曜日

携帯電話 SH-04A



携帯電話を新しくしました。今までDocomoのSH902iを使用していましたが、同じくDocomoのSH-04Aにしました。最強携帯と噂されていたのでついつい買ってしまいましたが、初日使用しての感触は、、、、期待したほどではなかったです。画面が大きく見易いのはいいのですが、縦にしても画面が横向きだったりする。
キーボード以外ノボタンが使いづらい。待ちうけ画面への復帰の仕方が良く分からん。慣れればこの辺は解決するとは思いますが。フルブラウザ表示は遅いし、操作しずらいし、使い勝手は悪いみたい。
しかも、DocomoってiGoogleに入れないって知りませんでした。Google愛用者としては事前リサーチ不足で反省。しばらく使い込んでみてみますが、将来的にはやっぱりiphoneにしようかな(笑)。

転載

心肺蘇生教育のメーリングリストに投稿した文章を折角ですからこのブログにもアップしてみました。2日坊主だったブログも、ちょっとにぎやかになりました(笑)。

マネキン口周囲のアルコール綿消毒

2008年3月の話。

AHA BLSインストラクターマニュアルP18には、口対口人工呼吸の実習において、受講者が
フェイスシールドを使用していなければ、アルコール綿消毒をする旨記載されていま
す。直接マネキンに口をつけて人工呼吸した場合にはアルコール綿で消毒しましょ
う、ということです。我々が通常開催しているコースではフェイスシールドを使用し
ていますから、アルコール綿消毒は必須ではないわけです。

恥ずかしながら私自身もつい最近知ったのですが、コースで使用しているフェイス
シールド(ロールになっているやつです)は、マネキン相手の訓練専用のものであ
り、本当に現場で使用するフェイスシールドとは異なります。本物は、呼気が一方向
しか行かないフィルターが付いており、傷病者の呼気が救助者へ伝わらないように
なっています。訓練用は、一方向のフィルターがありません。マネキンは息をしませ
んので、訓練における安全性には支障がないわけです。しかし一方向フィルターがな
いために、表から、裏から、ともに呼気が吹き込めますので、途中で表裏を間違え
て、両面から使用してしまう事態は当然起こりえます。同じマネキンを使用している
複数の受講生が各々両面から使用してしまうと、お互いの唾液への接触の可能性はあ
りますので、受講生が裏表を間違えて使用していないか観察することは重要です。
インストラクターマニュアルも、また訓練用フェイスシールドを販売しているレール
ダルも、フェイスシールド(含訓練用)を使用した実習での、アルコール綿消毒は特
に推奨していません。ただし、上記のような問題も生じえるわけで、アルコール綿消
毒をすることは、よりリスクを軽減させる可能性はありますので、行うか、行わない
かは各インストラクターの判断で宜しいと思われます。

ついでですが、同P18記載からは、フェイスマスク使用時の口対マスク人工呼吸で
は、アルコール綿消毒は不要と判断できます。

アルコール綿消毒をするか、しないか、インストラクターによりバリエーションをあ
るかと思いますが、いずれにしても上記背景を十分理解しておく必要はあります。

訂正すべき部分があるようでしたら、お願い致します。

救命の連鎖

昨年のちょっといい話です。

心筋梗塞、冠動脈バイパス手術の既往がある60代男性 。とある施設のテニス場でテニスの試合終了直後、突然卒倒しました 。テニス仲間たちが救急隊要請(11:22)、更にテニス場の事務 所に連絡したところ、事務所の職員(20代男性)が設置されていた AEDを持って駆けつけました。意識がなく、呼吸がないためすぐに AEDを装着しました。解析をしたところショックが必要であったた め、ショックボタンを押しました。そしてすぐに胸骨圧迫を始めたそ うです。30:2で、換気もmouth to mouthで行いました。2分のCPRののち、再解析で 、再度ショックが必要であったため、ショックボタンを押し 、そして胸骨圧迫を再開しました。その後救急隊が到着(11 :33)したため引き継ぎました。救急隊到着時は心肺停止、モニター上PEA、救急隊によりCPRは継続され、11:57救命センターに搬入されました 。当院搬入時は自己心拍再開しており、血圧100台/ 、HR100台、意識レベル100/JCSでした。救急隊は到着まで CPAと考えていたようで、恐らく当院到着寸前まではPEAであっ た可能性が高いと思われます。その後、PCI、低体温療法等を経て 、結局この患者さんは全く後遺症なく回復しました。 
テニス仲間の早期通報、20代事務所職員のバイスタンダーCPR 、適切なAED使用、PEAから自己心拍再開させた救急隊の24分 にわたるCPR、そして搬入後の高度医療。救命の連鎖が見事につな がりました。みんなすばらしい!街がCCUになりました 。うれしいですね。 

ちなみに、バイスタンダーCPRをしたテニス場の事務所の職員20代男性は、2年前に救急隊によるBLS講習を受講したそうです 。たまたま、上記出来事の2-3週間前に駅で倒れている人に遭遇し 、救急通報をしたということを経験し、その時に、忘れかけていたB LSについて復習したばかりだったそうです。復習、大事ですね。

AHA BLSスキルチェックリスト

2008年11月の話。

いまさらなのですが、いつもAHA BLSコースで使用している、スキルチェックリストの話
です。

BLSヘルスケアプロバイダー
CPR重要スキルテスト用チェックリスト
(インストラクターマニュアルPart5 )


”AEDと2人法CPR:成人スキルテスト”の欄に、

3 リズム解析のために傷病者から離れる
(目で見て、声に出して確認しなければならない)

と記載されています。カッコ内の訳に少々疑問があります(4 にも同様の訳あ
り)。
英語版では、

3 Clears victim to analyze
(must be visible and verbal check)

となっています。

これは”(救助者が)目で見て、声に出して確認しなければならない”ではなく
て、”(救助者はジェスチャーなど交えて、他の人から)見えるように、そして声に
出して確認する”という意味と思われます。

インストラクターマニュアルの”重要な手技の解説”には、「はっきりと身振りで示
して、、、、」と記載されています。”CPR重要スキルテスト用チェックリスト”の
項目だけで受講生を評価すると、誤った評価になってしまう可能性がありますのでお
気を付け下さい。

なお、上記と同様の訳が、ACLSコースのCPR/AEDテストチェックリストにも記載され
ています。

AED充電中の胸骨圧迫

2008年9月の話。

胸骨圧迫の中断は最小限にすることがHigh Quality CPRのCritical Conceptであるな
ら、AEDの充電中にも胸骨圧迫を再開したほうがよいのでしょうか、という受講生か
らの質問でした。

反省会で出た意見としては、
①充電中も解析が継続しており、胸骨圧迫再開は誤解析につながり、場合によっては
行われるべきショックが行われないこともありえる。
②アナウンスで”充電中です、患者から離れてください”と流れる(フィリプス製)
ので、アナウンスに従うのが原則だから、離れる。
③充電は恐らく10秒もかかっていないので、胸骨圧迫をその間だけ再開しても、冠灌
流圧は十分に上がりきらず、あまり有効性が発揮できないのではないか。

従って、AED充電中は胸骨圧迫をすべきではない、という結論になりました。
①の意見はこれまで耳にしたことがありましたが、真偽のほどを各AEDメーカーに確
認してみました。
フィリップスAEDと日本光電AED(G2005バージョン)は充電中にも解析が継続してお
り(ショック寸前まで継続している)、胸骨圧迫再開により誤解析につながることは
ありえるとのことでした。一方、日本光電AED(G2000バージョン)と、メドトロニッ
クAEDは、充電中は解析は継続していないので、仮に胸骨圧迫を再開しても誤解析に
はつながらないとのことでした。

誤解析につながりうるAEDがたくさん出回っていることを考えるとやはり、AED充電中
は胸骨圧迫を再開してはいけない、とお伝えする方針が妥当と思われます。

AEDショック後の胸骨圧迫再開

2008年8月の話です。


BLSコースの反省会で少し話題になった件です。
AEDでショックを行った後の胸骨圧迫再開のタイミングについてです。
ショック後、AEDのアナウンスを聞いてから胸骨圧迫を再開する受講生が少なくな
かった、かつ、それに対するインストラクターのフィードバックもなかったことに違
和感を感じた、とのスタッフの意見がありました。鋭い御指摘かと思います。
論点は2点です。
1.ショック後、AEDのアナウンスを聞いてから胸骨圧迫を開始するか、アナウンス
を聞く前からすぐさま胸骨圧迫再開するか。
2.前者に対して、フィードバックはすべきか。

1.について、当然理想は後者でしょう。プロバイダーマニュアルにもショック後”
ただちに”とか、”速やかに"胸骨圧迫再開と記載されています。
しかしながら、AED使用において、”アナウンスに従うのが原則”でしょうから、前
者でも許容されると思われます。
また、AEDの現状からしても、約30%を占めているといわれるG2000バージョンのAED
なら、ショック後も再度"解析します、離れてください”なるアナウンスが流れるは
ずです。アナウンスをよく聞いてから、それに素直に従う姿勢も一概に悪いとは言え
ません。

とはいえ、絶え間ない胸骨圧迫がcritical conceptであるわけで、自分なりの結論は
以下の如くです。

1.
・原則的に、アナウンスを待たずに直ぐに胸骨圧迫再開する。
・ただし、世の中にはG2000対応のAEDも少なからず存在しているようであり、胸骨圧
迫後のアナウンスはよく聞くこと。
2.
・勿論否定はしませんが、一般市民ならともかく、HCPは医療のプロですから、”す
ぐさま胸骨圧迫再開したらもっと質の高いCPRになります”などと、フィードバック
をすることが望ましい。

皆様如何でしょうか。
基本的な内容故に、いままで議論されたことがあるかとも思います。異論、反論、御
意見あればお願い致します。

電気的除細動 パッドとパドル

これも昨年の話です。


特に既往のない40歳代男性が気分不良、動悸を主訴に救急外来を独歩受診されました。血圧95/50ほど。心電図はwide QRS tachycardia(単形性)、心拍数250bpmほどでした。ACLSプロバイダーとしてではなく、循環器医として、ためしにアデホスATP 1020mg)を使用してみましたが全く反応がなく、VTの可能性が極めて高いと考えました。血圧が70/ほどと下がってきたため除細動パッドを装着し、鎮静下で同期下電気cardioversionを行いました。100J(二相性)で一瞬洞調律に回復しましたが、すぐにまた再発しました。易再発性VTであり、救急外来から救命センターに移動し、処置を続けました。再発予防として、アミオダロン125mg10分で点滴しました。VTは依然持続していましたので、再度同期下電気的cardioversion100J(二相性)で行いましたが、今度は停止しなくなりました。150J(二相性)で再度試みましたが、停止しません。200J(二相性)まで上げましたが、やはり停止しませんでした。アミオダロンで除細動閾値が上昇したのかもしれません。また、鎮静薬、アミオダロンなどの影響か、血圧も

50-60/ほどと低めを推移し、かなり焦りました。パッドをはがし、パドルに変更し、パドルを胸郭に強く、しっかりと押しつけるよう200J(二相性)でかけたところ、ようやく洞調律に回復しました。再発もせず、血圧も回復し、ひと安心でした。基礎心疾患は明らかでなく、右室流出路起源の特発性VTの可能性が高いと思われました。

いろいろ学ぶべきことがあった事例なのですが、ひとつはパッドとパドルの問題で

す。今回のケースでは、パッドによるショックより、パドルによるショックのほうが効果

が高かった、という印象を持ちました。ACLSプロバイダーマニュアル(P45)には”パッドとパドルの優位性は明らかでないが、パッドはアーク放電のリスクが減り、モニタリングにも利用でき、必要に応じ素早くショックもできるので、パドルよりもパッドのほうが推奨されるのが普通”と記載されています。CoSTRにも、パドルもパッドも効果は同程度で、パッドのほうが使い勝手がよい、、というニュアンスで記載されています。

また、パッド使用のショックにおいて、手袋をしていれば患者に触れていても感電リスクが低く、胸骨圧迫中断なくショックすることも可能といったガイドラインを揺るがすような、びっくりする文献(http://circ.ahajournals.org/cgi/content/abstract/117/19/2510)もありますし、今後もパッド使用が推奨されていく方向性は間違いないものと思われます。

 

しかし、パッドと比較するとパドルを8kgという最適な力で押し当てた場合、低い胸郭インピーダンスを示したという前向き比較研究(Br J Anaesth.1998;81:657-658.)、心房細動に対するCardioversionにおいて、パッドよりパドルのほうがわずかに成功率が高かったという文献(Eur Heart J. 2005Jul;26(13):1292-7.)なんかもあるようで(いずれもCoSTRにも引用されている)、パドルのほうがパッドよりもショックの効果としては高い、という意見もあるわけです。UP TO DATEを見てみると、後者の文献を理由にパドルのほうが効果的かも、、、と記載されています。

Hand-held versus patch - The use of hand-held paddle electrodes may be more effective than self-adhesive patch electrodes. This was illustrated in a randomized trial of 201 patients referred for cardioversion for persistent AF . Success rates were slightly higher for patients assigned to paddle electrodes (96 versus 88 percent with patch electrodes). Improved electrode-to-skin contact and reduced transthoracic impedance with hand-held electrodes may explain the benefit.

これら文献の原文は読んでいません。

使い勝手がよく、パッド使用を推奨する姿勢には全く異論なく、今後僕自身もパッドを積極的に使用していきますが、パッドでどうしても除細動できないときに、パドルに変更するというオプションは頭にいれておいてよいかなと思います。

 

窒息質問の回答案

質問1 プロバイダーマニュアルp62
 横たわった状態のままの腹部突き上げ法ってどうやるんですか?

【解説】
添付ファイルの成人の図を参照下さい。
傷病者を仰向けにする。傷病者の大腿にまたがってひざまずき、片手の付け根を傷病
者の腹部正中線上のへそよりやや上、ケンジョウ突起の先端のずっと下におく。他方
の手をその手の上に合わせる。両手を素早く上方に突き上げながら腹部を圧迫する。
体重を乗せて、この方法を行うこともできる。(BLSヘルスケアプロバイダーマニュ
アルG2000版 P126)。
G2000版のBLSプロバイダーマニュアルは今でも意外と役に立ちます。

質問2 同 p62
反応のない窒息を起こした傷病者の「異物を気道確保のたびに探す」って、”30:
2”の”2”のうちに2度口の中を探すのですか?1度ですか?

【解説】
プロバイダーマニュアルには”気道確保のたびに傷病者の口を大きく開けて異物を探
す(P62)”と記載がありますから、30回胸骨圧迫して、気道確保し口を覗き込んで1
秒吹き込んで、(胸が上がらないでしょうから)、再気道確保して、覗き込んで、1
秒息を吹き込む、10秒以内で胸骨圧迫再開、、という感じになりそうですが、DVDを
見ると、30回胸骨圧迫して、気道確保し口を覗き込んで1秒吹き込んで、(胸が上が
らないでしょうから)、再気道確保して、(覗き込まないで)1秒息を吹き込む、胸
骨圧迫再開、となっています。こちらが正解のようで、”30:2”の”2”のうちに2
度口の中を探すのですか?1度ですか?の問いに対しては、”1度”が正解です。
30回の胸骨圧迫により異物がのどから口腔内にこぼれてこないか否か初回の気道確保
時に覗き込みますが、再気道確保のときは(初回に異物が見えないのであれば、2度
目も見えない確率が高いでしょうし)覗き込む必要性は低いようです。

でもぶっちゃけ2度目も覗き込んでも悪くはないでしょう、大事なことは、10秒以内
に胸骨圧迫を再開することです。  という意見もある。

質問3
同p63の問題2は答えはbですか、cですか(寝かしたほうがよいとは書いていな
いけれど、、、)

【解説】
(意識のある)身長の低い窒息患者がもともと横になって(側臥位とかでもがいてい
る)いれば、仰向けにして腹部突き上げ法。(添付の小児の図を参照 BLSヘルスケ
アプロバイダーマニュアルG2000版 P165)
身長の低い窒息患者が立位であれば背後で片膝ついて、腹部突き上げ法。
aとbが各々このようなことを指しているのであれば両方正解ですからcになります。
しかし、立位の窒息患者を、わざわざ仰向けに寝かせて腹部突き上げ法をすることは
ありません。aの選択肢がこのような意味であれば正解はbになります。
テキストの文面だけではどちらの意味か良く分かりません。

窒息に関する質問

質問1 AHA BLSプロバイダーマニュアルp62
 横たわった状態のままの腹部突き上げ法ってどうやるんですか?

質問2 同 p62
反応のない窒息を起こした傷病者の「異物を気道確保のたびに探す」って、”30:
2”の”2”のうちに2度口の中を探すのですか?1度ですか?

質問3
同p63の問題2は答えはbですか、cですか(寝かしたほうがよいとは書いていな
いけれど、、、)

電気的除細動の安全確認

昨年の経験です。

60代女性心筋炎、昨夜よりCCU入院中。
病状悪化傾向で、VT出現もあり。いつ再発してもよいように、除細動パッドを通常の
位置(右胸上部と心尖部付近)に貼って、除細動器(フィリップス2相性)と連結し
ていました。
本日午後VT再発。たまたま私含め医師、研修医、看護師が数人CCUにいました。皆で
対応し、私の上司がとりあえず除細動器を充電しました。私は大腿動脈を触れてみた
ところ、弱いながらも明らかに拍動を触知でき、意識もあり、pulselessVTではあり
ませんでした。鎮静し同期下電気的カルディオバージョンするか、少し様子をみれば
早々にpulselessVTに移行しそうな雰囲気もあったので自然に意識が落ちたら非同期
で除細動するか、、、と方針を決めようとしていたところ、前触れもなくドン! と
除細動器が放電しました(非同期100J)。その瞬間も私は大腿動脈の動脈触知を続
けていました。放電ボタンを押したのは上司でした。わざと押したわけではなく、”
内部放電ボタン”を押そうとして、誤って”放電ボタン”を押してしまったようで
す。隣り合ったボタンですから間違ってしまったみたいです。大腿動脈を触れていた(左手で触れていて、右手は患者に触れていない)
私は、、、、、、放電の刺激は全くなにも感じませんでした。ぜんぜん大丈夫でし
た。VTは洞調律に戻りました。

今回の事例のポイントは2つ。
①パドルを使用した時の放電は、パドルのボタンを左右同時に押す必要があり、誤っ
て放電してしまう可能性は比較的低いと思われます。一方、(フィリップス社製にお
いては)パッドを使用した時の放電は、本体の放電ボタンを1つ押すだけですから、
誤って押してしまう可能性はパドルよりは高そうです。パッド使用の欠点の1つと思
われ、注意が必要です。

②除細動の時に思いっきり患者に触れていましたが、全く何も感じませんでした。放
電時に両パッドの間の体の部分に触れていると、触れていた人に電気刺激が伝わるの
かもしれませんが、そうでなければ刺激は伝わらないのかもしれません。ぶっちゃけ
あまり危なくないのでしょうか?。今更、、、という感じでお恥ずかしいのですが、
除細動時の安全確認(みんな離れて)はどの程度根拠があることなのでしょうか?。
危険な事態に陥った症例報告くらいはあるのかもしれませんが(誰か教えて下さ
い)、ガイドラインやCoSTRには記載はなさそうです。


こんな文献もありますし。

頚動脈洞マッサージ(CSM)

Up To Dateを少し見てみましたところ、CSMの左右の優位性に関しては明確
には言及されていませんでしたが、以下のようにやはり右のほうが有効との報告は記
載されておりました。左右の優位性よりも、バルサルバ手技の優位性の記載があり、
上室性頻拍の治療には、CSMよりバルサルバ手技が有効である、とのことが示唆され
ているようです。

頻脈性不整脈に対する迷走神経刺激手技で、最も有効だったのがバルサルバ手技
(54%)、ついで、右CSM(17%)、左CSM(5%)。
In a study of 35 patients with SVT inducible by programmed electrical
stimulation mentioned above, of the four vagal maneuvers studied for their
ability to terminate the tachycardia, investigators found that the supine
Valsalva maneuver was successful in more instances (54 percent) than right
carotid sinus massage (17 percent), left carotid sinus massage (5 percent),
or the diving reflex (17 percent) [7]

[7]Mehta, D, Wafa, S, Ward, DE, Camm, AJ. Relative efficacy of various
physical maneuvers in the termination of junctinal tachycardia. Lancet 1988;
1:1181.

頻脈性不整脈に対しCSMが無効であったいくつかのケースで、バルサルバ手技が有効
であった。
In a study of 68 consecutive patients with recurrent SVT, investigators
compared various vagal techniques, including carotid sinus massage and the
Valsalva maneuver, for the termination of the arrhythmia. The authors found
that several patients who were unresponsive to multiple applications of
carotid sinus massage terminated their arrhythmia with the Valsalva maneuver
[5]

[5]Waxman, MB, Wald, RW, Sharma, AD, et al. Vagal techniques for termination
of paroxysmal supraventricular tachycardia. Am J Cardiol 1980; 46:655.

◯◯先生御指摘のように、Up To Dateにも、右迷走神経は通常SA結節に,また左迷走
神経はAV結節に優位に影響を与えている、との報告がある、と記載されていました
が、しかしながら、結局のところ明確に説明できるものではないと、否定的見解もあ
るようでした。

Previous investigations have suggested that right-sided carotid stimulation
may preferentially impact the SA node and left-sided carotid stimulation may
preferentially impact the AV node [14] , but this effect has never been
demonstrated clearly [6] .

[14]]Cohn, AE, Fraser, RF. Paroxysmal tachycardia and the effect of
stimulation of the vagus nerves by pressure. Heart 1913; 5:93.
[6] Schweitzer, P, Teichholz, LE. Carotid sinus massage. Its diagnostic and
therapeutic value in arrhythmias. Am J Med 1985; 78:645.

私自身、ACLSに関わり初めの頃から、◯◯先生の”優位半球、、、”という理由も、
多くのインストラクターからお聞きしていました。しかしながら、個人的にはどうも
違和感があって、コースではあまり言及はしていません。あくまでも個人的見解です
が、ACLSにおいては、CSMは、命にかかわりのない上室性頻拍に行う手技で、かつ
20%程度しか効果が期待できない手技ですから、脳梗塞は100%起こしてはいけない
と思っています。僅かでも脳梗塞のリスクが潜在しているようであれば、施行を控え
るように説明しています。最近は30代でもAMIが珍しくないですから、◯◯先生御
指摘のように頚動脈プラークが潜在している方も少なくないと思います。CSMの対象
は若年女性くらいになってしまうかもしれません(しつこいようですが、個人的見解
です)。

Up To Dateに記載されているある研究では、頚動脈雑音がなく、脳梗塞、心筋梗
塞、心室性不整脈の既往がないひとを対象とした、CSMの神経学的合併症は0.28%で
した。合併症を生じた方の多くは、症状は一過性であり、完全に回復したようです。

Neurologic complications - Neurologic complications are most commonly
associated with CSM, although the incidence of serious adverse events is low
if patients are appropriately screened [13,40,41] .

A series of 4000 patients (mean age 74 years) representing 16,000 episodes
of CSM, demonstrated that serious neurologic events are rare in
appropriately selected patients [40] . Patients were screened prior to CSM
and the maneuver was not performed if any of the following exclusion
criteria were present:

A carotid bruits were present
A history of stroke or transient ischemic attack
A history of myocardial infarction with in the previous six months
A history of ventricular tachycardia or ventricular fibrillation
Of the 4000 patients, 11 (0.28 percent) had neurologic complications. Of
these 11 patients, seven made a complete recovery within 24 hours, with an
additional two recovering within two months.

Similar safety was reported in a series of 1000 consecutive patients age 50
years or older presenting to an emergency department for unexplained falls
in whom CSM was performed to evaluate for the presence of carotid sinus
hypersensitivity. Patients were screened prior to CSM and the maneuver was
not performed if any of the following exclusion criteria were present:

Immobility
Blindness
Cognitive impairment
Carotid bruit
Previous ventricular arrhythmia
Stroke within the preceding three months
Myocardial infarction within the preceding three months
Presence of a pacemaker
A total of 3805 carotid sinus massages were performed. Nine patients (0.90
percent) reported symptoms. Of these nine patients, symptoms lasted less
than 10 minutes in seven patients, and in one patient a right homonymous
hemianopia for less than 24 hours. The remaining patient had persistent
hemiplegia and expressive dysphasia [13] .


[13]Richardson, DA, Bexton, R, Shaw, FE, et al. Complications of carotid
sinus massage--a prospective series of older patients. Age Ageing 2000;
29:413.
[40] Davies, AJ, Kenny, RA. Frequency of neurologic complications following
carotid sinus massage. Am J Cardiol 1998; 81:1256.
[41] Munro, NC, McIntosh, S, Lawson, J, et al. Incidence of complications
after carotid sinus massage in older patients with syncope. J Am Geriatr Soc
1994; 42:1248.

AHA ACLSのメガコードケースA

昨年のできごと。

50代男性が胸痛、脱力とのことで救急搬送されてきました。意識清明、血圧100/ほどありましたが、12誘導心電図で広範なST低下と、aVRでST上昇を認めました。重症感漂う心電図でした。IV,O2しつつちょい当て心エコーしたら左室は右冠動脈領域しか動いていません。左冠動脈主幹部のAMIと確信。危機的状況と悟り、アスピリン投与と、念のためのDC/TCPパッドは装着したものの、服もそのまま、剃毛もせず、尿バルーンも入れず、とにかく早期再灌流を最優先と考え、一刻も早くカテ室搬入させました(当院は救急外来のすぐ隣にカテ室があります)。
カテ台に乗せ、大腿動脈にシースを入れて、動脈圧を出したら70/と低下しており、その直後、高度房室ブロックに移行。TCPを作動させ、出力をあげていたところ、意識消失、VFに移行しました。モニターで分かりにくかったのですが、TCPをoffにしたところ明らかにVF。そのまま150Jで除細動しました。すぐに胸骨圧迫を開始、モニターでは著明な徐脈~ほぼ心静止、意識なく、換気の合間の圧モニターで圧は出ず、心肺停止状態でした。ACLSしつつ、大腿静脈確保、PCPS(経皮的人工心肺)挿入。PCPS作動させ循環を保ち、CAG施行、左冠動脈主幹部閉塞で、ステント留置し、再灌流させました。その後かなり厳しい経過を経ましたが、何とか回復傾向、PCPSも離脱しました。まだ入院中ですが、後遺症なく独歩退院できそうです。
 
 ふと経過を見直したら、AHA ACLSのメガコードケースAの2つめのシナリオ(Mobitz2型AVblock→VF→asystole)とほぼ同じ展開でした。消化不良を訴える57歳女性は左主幹部のAMIだったのかもしれません(笑)。
 
ところで、以前、ACLSコースの際、心肺停止かあるいはその寸前と思われるきわめて不安定な病状の場合、PCPSをまず考慮するとの意見を主張する循環器医の受講生が複数いました。確かに当症例のようにPCPSは有用ですから、(PCPSをまわすか、まわさないかは別として、いつでもまわせる体制作りとして)人的余裕があるのであれば、通常のBLS/ACLSを施行しつつ早期から大腿動静脈の確保を試みるべきかもしれません。ACLSプロバイダーがPCPSをまわすなんてことは非現実的ですが、大腿動静脈の確保はできなくはないかもしれません。心肺停止だと、動脈、静脈の区別は難しいですが。。。。早期から大腿動静脈確保できていればPCPS導入は楽です。将来的に、ACLS Secondary SurveyのCに、大腿動静脈確保が入ったりして。

胸骨圧迫のみのCPRその2

2008年3月にはこんなメールもだしています。
この論文を出したアリゾナ大学のKarl B. Kern教授が、昨年12月の当院で開催されたAHA BLSコースに顔を出してくださいました。感激でした。

胸骨圧迫のみのCPRの件です。

御存知の方も多いことと思いますが、最近、JAMAという一般臨床医がよく目にする医
学雑誌に、胸骨圧迫のみのCPRの有用性を示唆する臨床論文が新たに発表されまし
た。
Minimally Interrupted Cardiac Resuscitation by Emergency Medical Services
for Out-of-Hospital Cardiac Arrest
JAMA. 2008;299(10):1158-1165

CCC(Continuous Chest Compression)ではなく、MICR(Minimally Interrupted
Cardiac Resuscitation)と表現していますが、コンセプトはほぼ同様で、人工呼吸
なしの、絶え間ない胸骨圧迫を強く意識したCPRです。院外心肺停止患者を対象にし
ていますが、1月に話題にした、日本発のものを含めた3つの論文(下記参照)と大
きく違うところは、胸骨圧迫のみのCPRを施すのがバイスタンダー(一般市民)では
なく、駆けつけた救急隊である点です。MICRを施された患者群のほうが、従来のCPR
を施された群よりも生存退院率がはるかに高かったという結論です。無作為比較試験
を行なわないと結論はでないとはいえ、HCPによるMICRの有用性が十分に示唆される
結果と思われます。ちなみに、18歳以下の人や、外傷による心肺停止、溺水、他の非
心原性の心肺停止などが対象患者から除外されています。

今後、一般市民のBLSは、胸骨圧迫のみとなる可能性が高そうですが、医療従事者
(HCP)のBLSはどうなるのでしょうか。個人的にはHCPのBLSには人工呼吸が残ると考
えていましたが、この論文を見ると、ルーチンで人工呼吸をするのも問題かと思って
しまいます。HCPが心肺停止患者に遭遇した場合、患者の状況や、発症経過などから
瞬時に人工呼吸が必要か否かの判断が求められるようになるかもしれません。もちろ
んHCPの経験やレベルにもよりますが。

胸骨圧迫のみのCPR

2008年1月にMLにこんなメール出しています。この後早々にHands only CPRが発表されましたね。

人工呼吸なしで胸骨圧迫のみのCPR(Continuous Chest Compression; CCC)の有用性は以前から言われていました。G2005では、”最良のCPRは換気と胸骨圧迫をうまく組み合わせることであるが、一般市民が人工呼吸を施すことができない、或いは気が進まない時は胸骨圧迫のみを行うように推奨すべき(クラスIIa)”との記載になっています(G2005 P34)。30:2もエビデンスはなく、あくまでも専門家のコンセンサスなわけです(G2005 P33)。
 
2007上旬にLancetという一般的な臨床医がよく目にする医学雑誌に、CCCの有用性が示唆される臨床論文が日本から発表されました(SOS-KantoLancet. 2007;369:920 –926.)。 
さらに、2007年末には、一般的な循環器医が目にする機会の多い医学雑誌Circulation(AHA発行です)に、やはりCCCの有用性が示唆される臨床論文が2つ発表されました(Circulation 2007;116;2900-2907、Circulation 2007;116;2908-2912)。そのうちの1つは大阪発です。
いずれも、成人の心原性心肺停止に対しては(特に早期は)、CCCは従来の人工呼吸を含むCPRと同等か、或いはより高い蘇生率を期待できる、、、という概ね同じような結論です。
同じCirculationには、ガイドラインを改定したほうがよいのでは、、という論調のEditorial(Circulation. 2007;116:2894-2896.)が掲載されていますし、一方で、CCCのやりかたを解説・指導するような一般市民向けの記事(Circulation. 2007;116:e566-e568.)も掲載されています。
上記論文はいずれもG2000の15:2時代のデータですが、CCCがG2005の、即ち30:2のCPRよりも蘇生後の機能予後が良かったという動物実験の論文もCirculationに出ています(Circulation 2007;116;2525-2530)。

今後一般市民向け、或いはHCP向けのガイドラインがどう変更されていくのかは分かりませんが、少なくとも現時点では、上記のような情報が比較的大きな臨床データとともに目に付くような状況になってきています。しかも日本発のデータもあり、注目度も比較的高いかもしれません。特に循環器医が受講生として参加してきた場合に、上記記事を目にしているケースが少なくないと思われ、コース中にCCCに関する質問が今まで以上に出てくる可能性は十分考えられると思います。どのように答えるべきか、インストラクターは心構えが必要かもしれません。
 

8回のAED除細動とCPR

昨年MLに投稿したメールの一部です。

数ヶ月前、当院で経験した症例です。
30代男性、自宅で胸痛の後、心肺停止に陥りました。すぐに妻が救急要請。不完全ながらbystander CPRあり(有効性は疑問)。5分後救急隊到着。CPR開始し、VFでAEDにてショック。CPR継続、難治性。VF、PEA、Asystoleとダイナミックな推移を示し、結局30分以上にわたるCPR施行、計8回のショックを行いました。この間救急隊が行った蘇生処置は心マ、換気、ショックのみです。気管挿管も、エピネフリン投与もされておりません。当院搬入時は自己心拍再開しておりました。ST上昇しており、緊急カテで左前下行枝のAMI、PCI施行、低体温療法を経て独歩退院いたしました。
難治性VFでも8回もの除細動を経て、BLSのみで回復しえた比較的貴重な例かと思われます。
 
ここまで聞くととても良い話なのですが、実は続きがあります。
この患者さんは元気に独歩退院しましたが、残念ながら多少高次機能障害が残りました。完全社会復帰は難しいかもしれません。また、救急隊員のCPRを検証してみると、一部でG2000時代のごとく、3ショックしているなど、最高のパフォーマンスというわけではなかったようです。もちろん救急隊員の皆さんのお力がなければこの患者さんは救命されなかったわけで、賞賛すべき活動だった思いますが、一方で、厳しい目で見れば、より最高のCPRを提供していれば、患者さんの機能予後はもっとよかったのでは、、、と、つい思ってしまいます。
さいたまの素晴らしいエピソードを聞いて、この救急隊員がAHA instractor,providerだったら、経過が違っていた可能性も、、、と感じた次第でした。
 
救命のみならず、”後遺症を減らすこと” も極めて重要であり、そのために妥協なく常に最高のCPRを提供できるproviderを一人でも多く作っていきたいですね。

急性大動脈解離

2008年1月にあるMLに流したメールの一部です。

最近、当院でも急性大動脈解離stanford A型(上行大動脈に及んだ解離)による心タンポナーデが2件院内発症しました。いずれも胸背部痛を主訴に救急外来に救急搬送されてきた方で、搬入時は血圧は高値。初療医は急性大動脈解離を疑い、造影CTを撮影。CTで急性大動脈解離stanford A型を認め、CT室から救急外来に戻ってきた途端にPEAになりました。CTでは有意な心嚢液は認めません。CT撮影後に解離が進行し、心タンポナーデになったわけです。心嚢穿刺含め、CPRを施しましたが、結局2例とも救命できませんでした。心臓マッサージをしながらの心嚢穿刺は実に難しいものです。 
当院でのこの2例の共通点は、初療医が大動脈解離を疑ったにもかかわらず、すぐに治療を始めずに、血圧が高いままCTを撮影しに行ったことです。急性大動脈解離は常にこのような致命的状況に陥る可能性がありますので、そのような確率を少しでも下げるために、大動脈解離を少しでも疑ったならその時点で強力な降圧治療をすぐに開始し、降圧した後(しながら)にCTなどの検査をすべきであると、研修医には教育しています。結果的に大動脈解離でなくても、それは悪いことではありませんし。