2009年2月21日土曜日

マネキン口周囲のアルコール綿消毒

2008年3月の話。

AHA BLSインストラクターマニュアルP18には、口対口人工呼吸の実習において、受講者が
フェイスシールドを使用していなければ、アルコール綿消毒をする旨記載されていま
す。直接マネキンに口をつけて人工呼吸した場合にはアルコール綿で消毒しましょ
う、ということです。我々が通常開催しているコースではフェイスシールドを使用し
ていますから、アルコール綿消毒は必須ではないわけです。

恥ずかしながら私自身もつい最近知ったのですが、コースで使用しているフェイス
シールド(ロールになっているやつです)は、マネキン相手の訓練専用のものであ
り、本当に現場で使用するフェイスシールドとは異なります。本物は、呼気が一方向
しか行かないフィルターが付いており、傷病者の呼気が救助者へ伝わらないように
なっています。訓練用は、一方向のフィルターがありません。マネキンは息をしませ
んので、訓練における安全性には支障がないわけです。しかし一方向フィルターがな
いために、表から、裏から、ともに呼気が吹き込めますので、途中で表裏を間違え
て、両面から使用してしまう事態は当然起こりえます。同じマネキンを使用している
複数の受講生が各々両面から使用してしまうと、お互いの唾液への接触の可能性はあ
りますので、受講生が裏表を間違えて使用していないか観察することは重要です。
インストラクターマニュアルも、また訓練用フェイスシールドを販売しているレール
ダルも、フェイスシールド(含訓練用)を使用した実習での、アルコール綿消毒は特
に推奨していません。ただし、上記のような問題も生じえるわけで、アルコール綿消
毒をすることは、よりリスクを軽減させる可能性はありますので、行うか、行わない
かは各インストラクターの判断で宜しいと思われます。

ついでですが、同P18記載からは、フェイスマスク使用時の口対マスク人工呼吸で
は、アルコール綿消毒は不要と判断できます。

アルコール綿消毒をするか、しないか、インストラクターによりバリエーションをあ
るかと思いますが、いずれにしても上記背景を十分理解しておく必要はあります。

訂正すべき部分があるようでしたら、お願い致します。

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