2009年10月11日日曜日

幅広いQRSの頻拍にアデホス

Up To Dateによると、幅広いQRSの頻拍にワソランやアデノシンを投与して頻拍が停止した場合は上室性頻拍を強く示唆する、と記載があります。しかし、これらの薬剤で停止する特殊な心室頻拍も存在しますので、完全な鑑別にはなりません。
そもそも非循環器医が幅広いQRSの頻拍に上記薬剤を投与すること自体極めて危険です。より重篤な事態に陥る可能性が十二分にありますので、確実に上室性であると確信が持てない場合は投与を避けるべきです。

循環器医としては、幅の広いQRS頻拍の鑑別目的でアデホスを投与することがあります。十分量のアデホスを、正しい投与法で投与しても、心電図上全く変化がない場合は心室頻拍であることを強く示唆します。

診断に迷った場合、自分としても稀にそのような使い方をすることはあります。しかし一度、投与直後心静止に移行してCPRをするはめになり、やっぱり安易にやるものではないと痛感したことがありました。数分間のCPRで何とか回復しましたが(苦笑)。

2 件のコメント:

  1. どんな処置や治療でも、行間と言うかバックグランドを良く知る必要がありますよね。

    本に書いてあったから、ガイドラインにあるから、、、、ではいけません。

    が、循環器の専門でない者は、QRS幅が広い頻拍を診たらVTと考えるべきですね。

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  2. Kim先生、有り難うございます。的確なコメントにいつも感心しきりです!

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