2009年8月24日月曜日

心房細動に出会ったら

先日心臓血管研究所の山下武志先生の心房細動に関する講演を聴講しました。非常にシンプルで、説得力があり、明日から役立つ講演内容でした。特に非専門医の方にとっては、心房細動が親しみのある疾患に思えるようになるのではないかなと思いました。
現在、本邦で慢性心房細動患者は70万人を超えており、一過性心房細動を含めると恐らく100万人を超え、今後も増加の一途を辿ることは間違い有りません。従って、もはやcommon diseaseと考えるべきであり、循環器専門医のみならず非循環器医もその管理にたずさわっていかなければいけません。
心不全合併例などは予後不良ですので、循環器医に紹介する必要がありますが、非循環器医でも管理できる心房細動患者は沢山います。

心房細動管理のポイントは次の3ステップです。

ステップ1:患者の全体像を把握
高血圧、糖尿病など、これらの管理で発作も減少し得るし、生命予後改善においても極めて重要。心不全合併や(心房細動以外の)心電図異常、レントゲンでの心拡大があれば循環器医に紹介。
ステップ2:脳梗塞予防
心原性脳梗塞の1年生存率は50%程の極めて予後不
良。予防のためにCHADS2スコアによりワーファリン適応を考慮。CHADS2スコアx2%が年間脳梗塞発症率。ワーファリンの脳出血発症率0.6%/年。このバランスを考える。

ステップ3:QOL改善目的で心拍数コントロールまたはリズムコントロール
洞調律維持による生命予後改善のエビデンスはない。少なくとも慌てて対処することではない。
詳細は、『心房細動に出会ったら』メディカルサイエンス社 にまとまっています。講演を聴講した後、読んでみました。1日で読めてしまうくらい読み易い本です。お勧めです。

2 件のコメント:

  1. CHADS2スコアは、日本語で書くとどう読むのでしょう??「チャドツー」でしょうか。

    教えて頂けると幸いに存じます。

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  2. チャズツー と言っています。

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