2009年5月29日金曜日

突然のAsystole

Asystoleは多くの場合はVFやPEAから移行した終末像です。しかしながら、稀に自己循環を有する状態から突然Asystoleに至ることがあると、種々の本には記載されています。過度な迷走神経刺激が原因と考えられています。僕もPCI中に2例ほど経験したことがあります。一度は、long tipのガイドカテーテルを左冠動脈主幹部にエンゲージした瞬間。一度は、やはり左冠動脈主幹部近傍でガイドワイヤー操作をしていた時。
いずれも全く安定している待期カテであり、無症状の洞調律でしたが突如asystoleになりました。12誘導が全てフラットになりました。リードがはずれたかと思いました。患者は呼びかけに反応せず、痙攣し、白目をむきました。いずれも左冠動脈主幹部に解離などの損傷を起こしたかと思い大変焦りましたが、胸骨圧迫を始め、10数秒位したところで自己心拍が再開しました。エピネフリンは投与せずに回復しました。その後全く元通りに回復し、造影上も左冠動脈主幹部に損傷はありませんでした。何事もなかったかのようにPCIは行われました。
左冠動脈主幹部付近には、強い迷走神経刺激を及ぼすツボでもあるのかな(笑)と思いました。

2 件のコメント:

  1. 突然asystoleになったということは、VT,VFなどを経ずに、心停止と行ったことですか?

    (心電図にするとこんな感じ)

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  2. eishoさん、すいません。今さらコメントに気づきました。
    御指摘のように、まさに、そんな感じです。

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