Up To Dateによると、肺塞栓の最も一般的な症状は呼吸苦(73%)ですが、それに次ぐのは胸膜痛(44%)です。ただ、当症例ほどの激しい痛みはもっと頻度が少ないのではないかと推測します。胸膜痛が生じる機序は、細かな血栓塞栓が最遠位、即ち胸膜近くにまで及ぶことで壁側胸膜に炎症を来すことによるらしいです。肺梗塞に至れば激しい痛みを生じるとも思いますが、肺梗塞は肺塞栓の10%ほどを占めるに過ぎず、当症例も組織破壊を示唆する逸脱酵素等の上昇は認めませんでした。肺は、肺動脈、気管支動脈、肺胞から、と3種の栄養供給路を有しており梗塞には至りにくいと聞いたことがあります。
肺塞栓もなかなか奥が深い疾患です。
質問があります。
返信削除この患者が痛みを発したのは昼間ですか?それとも夜ですか?