周産期心筋症とは、一般的には妊娠最終月〜出産後5ヶ月以内に生じる左室収縮障害で、他に明らかな原因、基礎心疾患がないもの。
頻度:米国では15000人に1人。アフリカで多く、ナイジェリアでは100人に1人!命がけ!
原因:不明。炎症や自己免疫の関与が疑われています。
危険因子:30歳以上、複数回の出産経験、アフリカ系、多胎、子癇や妊娠高血圧既往
検査:特異的なものはない。エコーは左室拡大(肥大は伴わない)。心筋生検の有用性は明らかでない。
治療:通常の左室収縮障害の心不全と大差ないが、妊娠中であれば薬剤の副作用を考慮する必要がある。
予後:2年のフォローで死亡率10%の報告、5年で死亡率6%の報告あり。死亡率23%の報告もある。死因は心不全、突然死、塞栓症。予後不良因子はNYHA分類悪化、複数回の出産経験。
ある報告では、54%の患者にLVEF>50%にまでに左室収縮能改善しており、ベースラインのEFが30%以上の人が改善度が高い。左室収縮能改善を認める場合は診断後6ヶ月以内に改善している。左室収縮能が回復しない人の予測因子は、LVEF<30%、fs<20%かつlvdd>60mm、TnT上昇。
次の出産に関しては、左室収縮能が改善していない人は特にリスク高く、控えるべき。LV収縮能が正常化している人は、出産は可能なことが多いが、再度左室収縮能低下する可能性もあり慎重な対処を要する。
参考:Up To Date Version17.1:Peripartum cardiomyppathy
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