2009年7月20日月曜日

虚血性脳卒中に対する線溶療法のタイムリミット

AHA Instructor NetworkやAHA Journal 「Stroke」をよくチェックしている方にとっては今頃、、、という話です。僕はこのたび初めて知りました(苦笑)。
虚血性脳卒中に対する線溶療法の適応は厳しく、発症から3時間未満でなければtPAは投与できません。しかし、2009年5月末に「Stroke」にその制限時間を延長するとの報告がなされました。


「発症3-4.5時間ならtPAを投与すべきである(クラスI 推奨)」
ただし、通常の除外基準に加え、特異的な除外基準があり、80歳以上、抗凝固薬服用(PTINR<1.7でもだめ)、nihss>25、脳卒中と糖尿病双方の既往です。
発症3-4.5時間で、かつこれら除外基準に当てはまってしまう方へ線溶療法の効果については評価不十分であり、クラスIIBだそうです。
発症時間で引っかかり、tPAを投与できない方は多いようですので、これでもう少し恩恵を受ける方が増えれば良いですね。
AHA Instructor Networkにはこのエビデンスはthe AHA ECC Evidence Evaluation processでまだレビューされていないが、ガイドライン2010には正式に取り入れられるであろうと書かれています。現状ではAHA ACLSコースでは特に言及しなくても良いんでしょうが、頭の片隅には入れておいてもよい事項ですね。

2 件のコメント:

  1. クラス1になっていたとは知りませんでした。勉強になりました。

    G2010楽しみですね!!

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  2. 日本でのtPA使用についてはどうなるんでしょうね。。。
    当分3時間未満でしょうか。

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