総合病院勤務医の日々の雑感、日常診療、特に循環器領域、BLS ACLSといった心肺蘇生教育等を中心とした日記です。 些細なことでも今日学んだことを皆様と分かち合い、明日に活かせれば良いと思っています。
2009年8月31日月曜日
院外VF
2009年8月30日日曜日
横浜スタジアム転落事件
2009年8月29日土曜日
心筋梗塞早期診断
第4回JES 慈恵医大 大木隆生 バッチグー!
昨日は第4回Japan Endovascular Symposium(JES)に参加致しました。1日のみの参加でしたが、AAAやTAAに対するステントグラフト、下肢動脈や頚動脈に対するステント治療など色々な学びを得ました。大木先生は朝から晩まで大活躍でそのバイタリティーには感服致します。大木節も健在でした(笑)。外科医不足が社会問題化していますが、大木先生率いる慈恵医大外科学教室は新入医局員24人とのことで大盛況だそうで、その求心力には目を見張るものがあります。良き外科医、血管外科医が続々排出されればよいと思います。僕も血管外科には憧れるなー、入局しようかなーなんて思ったりして(時既に遅し!)。
2009年8月28日金曜日
循環器医も脳梗塞tPA
2009年8月26日水曜日
房室ブロックとアトロピン
たまには徐脈。
Cardioversionにおける抗不整脈薬の役割
2009年8月24日月曜日
心房細動に出会ったら
2009年8月23日日曜日
難治性VFに対するamiodarone
2009年8月21日金曜日
2009年8月20日木曜日
急性大動脈解離による脳卒中
2009年8月19日水曜日
高齢者ACS
2009年8月18日火曜日
単相性と二相性
2009年8月17日月曜日
東京スイーツ&カフェ専門学校
ジギタリス中毒患者のcardioversion
2009年8月16日日曜日
2009年8月15日土曜日
心房粗動のcardioversion
2009年8月14日金曜日
今日の頻脈性心房細動
2009年8月13日木曜日
今日の頻脈性心房細動
2009年8月12日水曜日
PSVTのcardioversion
2009年8月11日火曜日
乳児の脈拍チェック
2009年8月9日日曜日
突然死症候群
2009年8月6日木曜日
cardioversion後の外傷
cardioversionや電気的除細動の稀な合併症として、電気ショック放電の際、身体の強い動きにより外傷が生じ得るとの報告もあるそうです。
確かに、放電の瞬間に身体が大きく動くことはありますね。ご高齢の方など脆弱な方はこのようなこともないとは言えないですね。。。。まあ、そのような方はVF症例であれば、その前の胸骨圧迫で傷んでそうですが。
参考:Up To Date
2009年8月5日水曜日
山本KID徳郁
夏期休暇中でネット環境がすこぶる悪いです。昨日は全くネットにはつなげることができませんでした。何とか今日はつながりました。
ところで、僕は結構格闘技が好きです。PRIDE、K-1は大好きでした。一時の熱はさめたものの、最近も、Dream、Hero'sなど見ます。山本KID徳郁選手は大好きな格闘家の一人です。天才的な身のこなしは観るものの期待感を高め、人を惹きつけます。怪我から復帰後残念ながらDream、K-1ともに完敗してしまいましたが、完全復活を心待ちにしています。
昨日、旅でふと目にした1シーンです。神の子山本KIDを思い出しました。
2009年8月3日月曜日
cardioversion後の火傷
cardioversion或いは除細動後に生じうる合併症のひとつに皮膚の火傷があります。20-25%の頻度で中等度以上の火傷が生じ得るとの報告もあります(Resuscitation. 2004;61:281-8.)。心尖部よりも胸骨側が多く、パドルの中央より縁が火傷しやすいようです。残存する痛みについては総通電エネルギー量や通電回数と相関します。
パッドやパドルの不適切な手技や位置が主因です。上記の原文は読んでいないのでどのような予防措置がとられているか分からないのですが、待機的症例群が対象であり、これが緊急症例であったらもっと火傷頻度があがることが想像できます。この文献では、両方のパドルに均等に力をかけ、またエッジが浮かないようにすること、低エネルギーから開始すること等を対策として推奨しています。
他の文献では、予防的にイブプロフェンクリームを塗布することで痛みや炎症を減らすとの報告があります(Resuscitation. 2005;65:173-8.)。ステロイドクリームの予防的塗布の効果は今ひとつだったようです(Resuscitation. 2005;65:179-84.)。火傷のリスクは二相性除細動器を使用することで減少します(Resuscitation. 2006;71:293-300.)。
我々の施設ではパドル使用時には、以前はジェルを塗布していましたが、現在はジェルパッド(正式名称ではないかもしれません。ジェル状のシートのようなものです)を使用しています。ジェルよりは使い勝手が良いです。AHA推奨のように、パドルでなく、パッドを使用することが最もスムースな手技となりますし、このような火傷の合併症も減らすような気がします。
蛇足ですが、超音波検査の時に使用するようなエコージェルは伝導性が悪く使用してはいけません。
参考:Up To Date
2009年8月2日日曜日
除細動時の引火
Kim先生のブログで除細動時の引火についての話題がありましたので、良い機会ですから再確認してみました。
ACLS Resource Textによると、除細動やcardioversionの際、引火を避けるには3つの要素に気をつけます。
①可燃物②高濃度酸素③電気アーク(火花)
①可燃物
体表面の細かい体毛、多くの織物の表面の"けば"、周囲の空気浮遊する繊維や、ちり、微粒子なども引火を助長する要素になり得るようです。対策としては、ガウンやパジャマは除細動を行う領域から離す。布団などの寝具や、カーテンも近辺から遠ざけることが推奨されます。
②高濃度酸素
以下は引火を助長する因子となり得ます。
・酸素投与を継続したまま酸素マスク等のデバイスを除細動領域に近接しておく、或いは、酸素の連結を外しても、除細動領域に酸素が直接吹いている場合
・除細動領域に高濃度酸素が貯留(例えば胸毛の間など)してしまう場合
対策
・酸素供給ラインと気道補助器具(気管挿管と思われる)は常に適切に接続しておく。
・もし、適切に接続されていない、或いは使用していない場合は、酸素を止める。
・酸素が外に流れる気道器具(例えば酸素マスクやBVM)が側に置かれていたら、それを胸から遠ざける
・除細動の最中に胸部表面に酸素が直接吹き付けては決してならない
・ショック直前に酸素を止める、或いは換気バッグの接続を外すことを考慮する
・電気アークのハイリスクの状況の場合(例:不整な胸壁)、常に酸素を止めるか接続を外す
③電気アーク(火花)について
以下は引火を助長する因子となり得ます(火花が散り易い)。
・パドルを皮膚に強く押し付けない
・パドルの縁が浮く(パドルが皮膚表面に平行でない)
・伝導性ジェル未使用、或いは不足
・ジェルの過剰使用(表面に塗り、他方のパドルや心電図リード、電極に付着)
・胸毛(空気ポケット、皮膚とパドル間のギャップ形成)
・不整の胸壁(胸壁の高度彎曲、漏斗胸、肋骨間の陥没など)
・パドルやパッドがワイヤーや電極の上に位置していたり、近接し過ぎている
・パッドが乾いたり、しわがよっていたり、しっかりと貼付されていない
・蘇生行為が遷延しジェルやパッドが乾く
対策
・パドルを少なくとも25ポンドの圧で押し付ける
・パドルが皮膚と平行になり、浮いていないことを確認する
・十分な伝導性ジェルをパドル表面に塗る
・パドルの縁を超える過剰なジェルは避ける
・パドルと皮膚の間に胸毛が多い場合は、毛を切ったり,剃ったりするか、或いはより多くのジェル使用を考慮する(皮膚、胸毛、パドルの間の空間を埋める)
・胸壁不整の患者は、皮膚とパドルの間の隙間を注意深くチェックする。
・強く押し付けても隙間が改善されなければ、生食で湿らせたガーゼにジェルを含ませ、隙間を埋める
・心電図リードや電極の上やそばにパドルやパッドを置かない
・パッドが乾いていないこと、しわがないことを確認
英語力が低く、少し分かりにくいですね(笑)。解釈が誤っているところがあれば御指摘して下さい。