この本の上室性頻拍(PSVT)を停止させる方法についてちょっと興味深い記載がありました。
「昔の教科書を紐解くと、眼球圧迫とか頚動脈マッサージとか恐ろしげな方法が書いてありますが、いまやそんな方法はとりません。」と記載あり、山下先生の今現在の方法としては、「インデラル20mgとワソラン80mgを一度に頓服として服用してもらい、外来待合室で30分程待機してもらいます。(中略)精神的に落ち着いている患者ならかなりの確率で自然停止します。停止しなかった場合には、洗面器に水を入れてその中に息ごらえをしながら顔をつけてもらうと、更に停止しやすくなります。」そして、アデホスなどの静注による対処は”最後の砦”と位置づけています。
AHAの推奨とはずいぶん異なりますね。
眼球圧迫が恐ろしげな方法であることは良いとして、頚動脈洞マッサージも今や恐ろしげな方法みたいです。確かに、動脈硬化素因のある患者に対しては”恐ろしげ”な方法であることは間違いありません。山下先生にとっての優先すべき迷走神経刺激手技は息こらえと顔浸のようです。安全性が高いので、基本的には僕も賛成です。
PSVTに対する単回経口療法(Pill in the Pocket)として、ヘルベッサー120mg+インデラル80mgという組み合わせが、ACC/AHA/ESCの上室性頻拍のガイドラインに引用されていましたが、海外での用量であり、日本人に使用するには多すぎると思われ、試したことはありませんでした。上記山下先生推奨の用量は大変参考になります。機会があれば試してみようと思います。
AHAが全てではありませんし、いろいろなオプションを持っていることは良いことだと思います。
ただ、上室性頻拍に対する自分としての対処法は、AHA推奨通り、迷走神経刺激→アデホスが原則です( 笑)。
経口薬を飲んでもらって待機、、、、大変良さそうな方法ですね。
返信削除勉強になりました!!
猫の手も借りたいほどの多忙な当直時などは、良いかもしれません!
返信削除はじめまして。
返信削除一般内科をやっているものです。山下先生の本はわかりやすいですね。
素朴な疑問なんですが、βブロッカーはインデラルを推奨しているのはなぜなんでしょうか?
テノーミンとかメインテートとかよりも良い理由はあるのでしょうか?