2009年9月9日水曜日

経時的心電図変化

STEMIのガイドラインでは急性冠症候群(ACS)を疑う患者が救急外来に来たら10分以内に12誘導心電図を記録するのはクラス1の推奨です。

しかし、その心電図で診断がつかない場合も少なくありません。

そんなとき、循環器医としてはすぐさま心エコーで壁運動異常を評価するものと思います。しかし非循環器医としては、なかなか難しいかもしれません。

ACLS Resource Textには、「もし初めの心電図で診断がつかない場合は、経時的心電図記録を推奨する。心電図再検のタイミングを決める必要があるが、少なくとも初めの心電図から1時間以内には再検しなければならない。患者の症状が持続している場合や、臨床的にSTEMIを強く疑う場合は5−10分以内に再検せよ。」とあります。


昨日のケース(STEMIのふとした疑問)

初めの心電図でST上昇していると思いましたが、症状は消失しているし、心エコーで明らかな壁運動異常は認めませんでしたので、リスクは高くないと思いのんびり対処してしまい、経時的心電図記録は少々遅れてしまいました。提示されている経時的心電図は初めの心電図から30分後のものです。

ST上昇も軽減し、T波終末陰転化も認めますし、まさに経時的変化ありです。症状と合わせて考えれば、心筋虚血を来していた可能性は極めて高いと判断できます。

心エコー等せずに、さっさと5分後に経時的心電図を記録していれば次なるアクションはもう少し早かったかもしれません。

まあ、このケースは緊急カテせずとも、予後は変わらないでしょうが。



研修医や非循環器医の先生方も、経時的心電図の重要性を理解している方は少なくありませんが、症状が残存している時でもそのタイミングが遅いことが多いと感じています。

5−10分後の再検をこころがけましょうねん。


2 件のコメント:

  1. そんな短い間に心電図を再検する方がエコーより良い事があると言うのは勉強になりました。

    やはり基本は診察と簡単な検査ですね!!

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  2. エコーを見る目が節穴だった可能性は否定しきれませんが(笑)

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