AHA ACLSメガコードケースBに、規則的で狭いQRS幅の安定した頻拍患者にアデノシン投与した後に虚血によると思われるVFが生じた、というシナリオがあります。単なる虚血性心疾患としては臨床的にはやや不自然な印象を持っていますが、この患者は実はWPWのような副伝導路を有しており、アデノシン投与により頻脈性心房細動を経て心室細動に移行、といった病態が背景にあるのかもしれません(6/4アデノシン 参照)。それならあり得るかなと。。一度VFになり、元来虚血が潜在していたことで悪循環に陥り、難治性VFとなったのでしょうか。
アデノシンを投与してVFになった、という流れは受講生にアデノシン使用に対する抵抗感が生まれてしまい、現場で使ってもらえなくなる可能性もあるので、アデノシンとの関連がないような形でVFに移行させるようケースプレゼンテーションをしましょう、という考え方が我々周囲のインストラクターの中ではコンセンサスを得ています。
でも、現場では、アデノシンを使用するときに除細動器やTCPを準備する人は意外と少ないような気がしますので、そのようなことに警鐘を鳴らし、是非とも現場では除細動器を準備した上で使用することを強調する意味でも、アデノシンがVFを誘発したというプレゼンテーションで良いのでは、と個人的には内心思っています。
初めて訪問させて頂きます。
返信削除色々ためになる記事ばかりで感激しました!これからも訪問させて頂きます。よろしくお願いいたします。
ちなみに、私はPSVTのシナリオ使いません。理由は同じです。
kekimura99さん、初めまして、Jです。暖かいコメント有り難うございます。今後とも宜しく御願い致します。
返信削除PSVTシナリオは本当に使いにくいですよね。リアリティーがないことに加えて、迷走神経刺激、アデノシン、、と受講生の処置が多く、VFに移行するまでに結構時間がかかってしまうことも面倒な点ですね。
コメントありがとうございます。
返信削除AHAのシナリオは本当はすごくリアルなものなのかもしれません。よく分かるようになるために色々勉強したいと思います。
これからもブログで勉強させて下さい。