昨日もまた安定したnarrow QRS tachycardia患者さんに遭遇しました。研修医に対処をしてもらいました。息こらえが無効であったため、薬物治療としてアデホス10mgを1-3秒程で投与し、生食20mlで後押ししました。速やかに洞調律に回復しました。
研修医はきちんとした手技が出来ていましたが、ただ、投与直後の上肢挙上を行いませんでしたので、その場で僕が介入して挙上してあげました。ACLSプロバイダーマニュアルには上肢挙上を行う旨記載があることをお伝えしましたが、本当に必要かどうかは正直疑問が残るところです。手元にある本などでちょっと調べてみました。
ACLS Resource Text P133にも6mgを1-3秒で投与、20ml生食で後押し、上肢挙上と記載してあります。こうすることでハイレベルなアデノシンが心臓に達するとのことです。
一方、Up To Dateには1-2秒で投与、生食で後押しと書いてありますが、上肢挙上までは書いてありません。The Textbook of Emergency Cardiovascular Care and CPRにも6mgを1-3秒で投与20ml生食で後押し、としか書いてありません。上肢挙上の記載はありません。BraunwaldのHeart Diseaseにも6-12mgを急速投与、後押しする、としか記載がありません。
きっとあまり根拠はないのでしょうね。まあどうでも良い話なのですが(笑)。
AHA ACLSインストラクターとしては、今後も、ACLSコースでも、現場でも、上肢挙上はアデホスの効果を最大限に引き出すための手技ですからなるべく行いましょうと一応お伝えしていきます。
私もこれ調べた事がありますが。たった一つの文献に記載されているだけです。
返信削除たった一つの文献からのエビデンスは、、、、ないですが、我々はよくやっちゃいますよね。学会の時に一つしか文献を読んでいないのに「いくつかの文献によれば、、、」なんて(^.^)。
kekimura99さん、有り難うございます。
返信削除記載されている文献がやっぱりあるんですね!探し当てられませんでした。
もしよろしければその”たった一つの文献”を教えてください。
亀レスすみません。
返信削除今手元にありませんが、、、、ガイドライン2000も2005にも載っていますよ。
以下は原文です。最初の方に出てきます。
http://circ.ahajournals.org/cgi/content/full/112/24_suppl/IV-58
文献は以下のものです。
http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/3273155?dopt=Abstract