2009年6月29日月曜日

頚動脈洞マッサージで心室性不整脈

まだまだ続く、迷走神経刺激ネタ(笑)。頚動脈洞マッサージの合併症は数多く報告されているようですが、頻度は低く、対象を慎重に選択した場合、0.28-0.45%程度とされます。代表的な合併症は脳塞栓、脳梗塞ですが多くは一過性です(参考:頚動脈洞マッサージ(CSM))。
その他、失神、洞停止、心静止、房室ブロック、頻脈性不整脈などがACLS resource Textには記載されています。前4つはともかく、頻脈性不整脈はあまり知られていないように思います。Up To Dateにも重大な合併症としてVT、VFと書かれていますが、頻度は稀であり、多くの場合はジギタリスを投与されていたり、重症基礎心疾患を有している人であったりするようです。引用文献を見ると、 Ventricular tachycardia and fibrillation due to carotid sinus stimulation. RI Med J 1968; 10:622. とか、Ventricular fibrillation with cardiac recovery, caused by carotid sinus pressure in a case of auricular fibrillation. Am Heart J 1931; 6:758. とか、激古(笑)!
いずれにしても、頚動脈洞マッサージ前にリドカインを準備するとの記載に、へえーと思いましたが、この心室性不整脈に備えてということのようです。リドカインより除細動器、という感じがしますが。。。。

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